スイートリトルライズ (幻冬舎文庫)

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著者 : 江國香織
  • 幻冬舎 (2006年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344408203

スイートリトルライズ (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 久しぶり?でもない江國さんの本。人は守りたいもののために嘘をつく、と確かに・・・・と思わせることを瑠璃子は言っていたけど、自分を守るためでもあるなぁと思った。帰らないでと春夫にせがまれる瑠璃子がそれでも帰ることや、普段なら自分からはしない抱擁をする聡も、”愛の家”にいていいという確証のようなものを求めてるんじゃないかなぁと思った。
    船に揺られているような心地よい文章も、最後まで途切れることなく、瑠璃子も聡も大きな変化がないまま話が終わるのも、江國さんらしくて好きだ。

  • 結局、男は束縛を拒む生き物、女は束縛を好む生き物なのかなと思った。

    嘘は、大切にしたい関係性でつくもの、という考え方には、大人になった今なら納得できる部分もある。

    何が嘘で、何が真実なのか。
    自分の気持ちは、一瞬にして、嘘が真実になり、またその逆もあるのだと、瑠璃子や聡の心の動きの描写を読んで思った。

    夫または妻への愛情と、愛人への愛情。
    どちらも、その瞬間瞬間には、嘘ではなく、真実なのかもしれない。

  • 夫婦がお互いに不倫するお話し
    前に読んだはずなのに登録されてなかったようだ

    基本的に僕は不倫は受け入れられないと思っているけど
    何故か江國香織の書く不倫モノは不思議と受け入れられるんだよなぁ

    「真昼なのに昏い部屋」でもそうだけど、奥さんは多分旦那さんの事を好きな気持ちは変わらないし
    そして恋人の事も好きなことも否定はしないんだよね
    瑠璃子さんはウソをついていない
    秘密や隠し事はあるけど、嘘はない
    これが大事なところ

    作中の一部
    「なぜ嘘をつけないか知ってる? 人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに」
    という言葉が結構響いた

    そうだよね、嘘をついてまで守りたいものなんだよなぁ
    でも、そんなに守りたいんだったら嘘をつかなきゃいけないような状況にするなよとも思うけど(笑)

    瑠璃子さんの気持ちに嘘はない一方、聡さんの方は典型的な男の浮気で、その対比も面白い

    森博嗣の四季シリーズで、太陽と扇風機の例えをしてたけど
    瑠璃子さんは太陽型、聡さんは扇風機型なんだねと思って納得

    お互い、不倫しててもやはり相手のことは好きなところがいいよね

  • 登場人物それぞれに、度々気持ちがシンクロして胸がざわつく。嘘を重ね合う夫婦が、不自然だとは思わない。これも一つの夫婦の形。

  • この日常に不満はない、と瑠璃子は思う。淋しさは人間の抱える根元的なもので、自分一人で対処するべきで、誰かに―たとえ夫でも、救ってもらえる類のものではない。瑠璃子と二歳下の夫、総。一緒に眠って、一緒に起きる。どこかにでかけてもまた一緒に帰る家。そこには、甘く小さな嘘がある。夫(妻)だけを愛せたらいいのに―。恋愛長編。(「BOOK」データベースより)

    ソラニンの毒であの人を殺せたらという物騒な考えも江國さんにかかれば可愛くみえる不思議。心の満たされない部分を楽しむ江國さんらしい小説。瑠璃子は自分の裏切りはよくても夫の裏切りには目をつぶるつもりはない。そしてソラニン。距離が近くなればなるほど相手の姿って見えにくくなるのかな。

  • さらりと書いてしまっている、ダブル不倫の話。
    瑠璃子と聡。
    あまりにさらりと書いてあるし、そしてさらりと読めてしまい、
    ダブル不倫が普通にあることかのような感覚に襲われた。
    瑠璃子の最後はちょっと意外だったけど、でも女ってどこかで急に割りきれるのかも?


    夫婦お互い秘密があるのは当たり前で・・・。
    お互いが大事だから嘘をつく。

    言えないことが一つあるほうが、他のことを話しやすい、という一節がある。
    その通りだと思う。
    それでうまくいくならそれでいい。

  • 初読のときは救いがない2組だな、と思ったけど、
    もういちど読んでみれば、幸せな2人の話だった。

    2人は守りたいものに嘘をつくのだ。
    話が噛み合わなくても、長らく体の交わりがなくとも、
    そういったものはすべて春夫としほに外注し、
    2人は2人の良いところだけを、大事にしていくのだ。

    スイートな別の記憶、これは何の後ろめたいことのない、
    ただの分業なのだ。

    ただし、その手段が目的にすり替わってしまったときには、
    それはもうトリカブトしかないだろう。

  • こんなに愛しているのに…他の誰かに恋をする


    その気持ちを私も確かによく知っていると思う。







    私を芯から満たすヒトがいたから、落ち着いて読めたんだと感謝している。
    いつか私がそのヒトに、甘い嘘をつくとしても。

  • これを読んで結婚するということが
    すこし怖くなりました。

    秘密があったほうが夫婦関係はうまくいく。
    守りたいものにたいして嘘をつく。

    甘く小さなうそ。
    決して甘く小さくない嘘だらけだけど
    江國さんらしい作品。
    2時間もあれば簡単に読めちゃう一冊です。

  • るり子と聡の結婚生活は、ものすごく静かで穏やかなのに、お互いの抱えている秘密は、ものすごく情熱を秘めている。
    なんかすごい空気が流れている。江國さんの技が冴えてる。

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