青空の休暇 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344408302

感想・レビュー・書評

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  • 過去と現在の間を行き来しながら、未来志向の結末を迎えるのは、辻氏の作品によくあるパターン。陰鬱な幕開けから、弱々しくても一筋の希望の光が見えて、そこから先の物語は読者に委ねられる。
    気分よく気軽に読むには丁度よい作品だと思う。

  • 戦争をテーマにした物語。

    戦争が終わったあとも、その傷が癒えず生まれ変わろうとする日本や日本人に馴染めない、否、馴染もうとしない頑固者の主人公白河周作。

    その頑固さ故に、愛する妻、小枝が自殺してしまう。

    死後少しして、戦時にチームを組み、同じ爆撃機に乗っていた二人の戦友と再開し、盛り上がったままに三人で真珠湾へと向かうことになった。

    そこでは自殺してしまった妻にそっくりなガイドのケイトをはじめ、その母で日本人の佳代や、庄吉やウィリアムスなどの日系人たちと運命的な出会いをする。さらに当時三人が乗っていたものと同じ型の九七式三号艦上攻撃機とも奇跡的な出会いを果たした。
    庄吉と父親との願いでもあったその機体を飛ばすことを三人も実現させようとする…

    生前の日記の内容を随所に盛り込み、心の底に秘めていた小枝の想いと、今になってそれに気付いた周作の後悔とがありありと描かれている。

    戦争とその後の日本、愛や家族、日本とアメリカ、そして日系人たちの苦悩など。さまざまな思いが描かれた感動的な作品。

    夏前のこの時期に読むことができてよかった。

  • これも大好きな1冊。
    サヨナライツカと青空の休暇は辻小説の中でほんとにツートップで好きな作品。

  • すごく温かい気持ちになれる一冊だった。
    戦争で戦った3人の男が再会し、もう一度青春を求めて旅に出る話。
    時代を感じる話だったけど、心にジーンときました。

  • なんか好み

  • 気持ちはいつも、全ては伝わらない。
    伝えたいものほど、特に。
    大切なものをどうしたら大切に出来るか考えさせられる。

  • あ、新しいの出てる!
    と思い買ったのにw
    文庫版ではタイトル変えてただけかよwwww

  • うーん
    ちょっとほろっとするところもあったんですが、結局辻仁成はこの作品で何を書きたかったのか?
    よくわからなかった。
    当然この作品でも過去にすがる主人公です。あしからず

  • 辻仁成って手紙とか日記形式の作品のイメージがなんか強い。
    今回は、いまいちパッとしなかった。
    でも、ハワイって観光地の色が強いけど、日系人といい、真珠湾攻撃といい、結構ウラな面が多いの改めて感じた。

  • この本はすごくよかったです。
     読み終わった後、しばらくボーっとしてしまいました。
    主人公とその戦友の「友情」、ハワイで出会った人々との「出会い」、
    登場人物達の「家族」、友人・妻の「死」から「人生」を、
    考えさせられちゃった・・なんだか。
     あっという間に読み終わってしまいました。

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著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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