底辺女子高生 (幻冬舎文庫 と 8-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344408326

作品紹介・あらすじ

「本当の私」なんて探してもいません。みっともなくもがいてる日々こそが、振り返れば青春なんです――。「底辺」な生活から脱出するため家出した高校二年の春。盛り下がりまくりの地味な学祭。「下宿内恋愛禁止」の厳粛なる掟。保健室の常連たち。出席時数が足りなくて、皆から遅れた一人きりの卒業式。最注目の作家によるホロ苦青春エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 自分の高校生活を記憶を必死に掘り起こして思い返してみれば、たしかにこういう女の子がクラスにひとりふたりいたよなぁ、と頁を繰りながらひどく懐かしく感じた。

    派手できらびやかで近寄りがたい女の子たちと同様、こういう3年間で男子と話したのは3回だけでそのどのシチュエーションも明確に細部まで記憶している、という地味目な女の子の考えていることもわれわれ男子には永久にわからないんだよねぇ・・・・。謎だ。

    その謎が、少しだけ、なんとなくわかるようなわからないような、そんな気分になる一冊でした。
    それにしても絵、上手いなぁ・・・・。

  • 学生時代スクールカーストというものの底辺あたりにいた人は皆、共感できると思う
    わけもなく世界が憎くて何かしたいのにスクールカーストのしがらみに邪魔されたり、ね。
    そんな中でもいろいろやっていた著者は偉いと思う。世の中を憎むだけで終わる人もいるのだから。
    最後の卒業式がよかった。
    私たちはまだ子供で、たくさんのものに守られていた。

  • 一般的底辺女子高生の日常と心情だと思った。
    豊島ミホさんの書く学生の話は毎回少しの毒があって面白いと思っていたがなるほどな、と思えるような本だった。最後の卒業式では読んでいて自分も泣きそうになってしまった。卒業おめでとう!

  • ここにいる自分は本当の自分じゃない!
    教室のなかで一番下のランクにいる自分が嫌いで、
    掃除当番をさぼるイケてる男女グループが嫌いで、
    男子と話せない自分が大嫌い。

    お年玉貯金を持って、秋田から大阪へ逃亡し、行方不明になる高校二年生。
    捕獲され、寮に入れられそこから通学することになるが保健室に籠るようなり、今度は卒業すら危うくなる。

    コンプレックスと正面からぶつかり、打ちのめされた豊島ミホ氏の黒歴史の日々。

    -------------------------

    初めて読んだのは大学二年の夏、集中講義の時間だった。
    知り合いどころか同じ学部のひとが一人もいない教室で一か月以上過ごした。ほとんど口を開くこともなくて、グループ作業するときにあぶれてしまって恥ずかしい思いをしたあの時間。この本を読んでいた。周りの人間にバカにされてる気がする、と叫ぶ高校生の豊島氏に自分を重ねた。

    読み返してみても、あの時の気持ちが新鮮に蘇ってくる。あの時の自分は悔しかったんだなあ。そういう気持ちを知ってるというだけであの時間は無駄じゃなかった気がする。
    夏休み全部を使って集中講義で取った学校図書館司書の資格は無駄だった気もする。

  • ネガティブスイッチ入り過ぎの感じが笑えもするし、共感もできる。
    高校時代の何とも言えない、モラトリアムとか焦燥感とか思い出した。
    読んでると何だか元気出た。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ネガティブスイッチ入り過ぎ」
      タイトルも表紙のイラストも、、、ドヨヨンとなっちゃいそう。。。でも元気が貰えるんだ(不思議だね)。
      「ネガティブスイッチ入り過ぎ」
      タイトルも表紙のイラストも、、、ドヨヨンとなっちゃいそう。。。でも元気が貰えるんだ(不思議だね)。
      2013/08/23
  • <「本当の私」なんて探してもいません。みっともなくもがいてる日々こそが、振り返れば青春なんです―。「底辺」な生活から脱出するため家出した高校二年の春。盛り下がりまくりの地味な学祭。「下宿内恋愛禁止」の厳粛なる掟。保健室の常連たち。出席時数が足りなくて、皆から遅れた一人きりの卒業式。最注目の作家によるホロ苦青春エッセイ。 >基本すごく笑わせてくれたエッセイ。全国の十代よこれを読め!という傑作だと思う。豊島さんは、人にはできないことができる人で、凡人から見るとそれはすごくうらやましく映るんだなぁなんて思いつつ読んだ。

  • おもしろかった。
    リアルな女子高生の日常が書かれていた感じを多く受け、実感しました。
    「あるあるネタ」って思えるところと「んなことやるわけないって」って思うところが混じり合って面白かったです。

    他の作品も手に取りたいと思いました。

  •  学校という場所にいる、傍若無人に振舞う「あいつら」が嫌い。人を侮る「イケてる組」を呪う(呪ってないか?)地味女子だった作者のエッセイ。

     美形やお笑いでテレビや雑誌に出ている人達は、人口比率からするとわずかなので99%の普通の人は見る側になる。
     なのに、高校というところは、ミニ世界なので、そこで謎のスター枠、お笑い枠、スポーツヒーローの役割が割り振られるのだ。
     その枠に入らない大部分の学生は、何故か劣等感を感じさせられるのだと思う。
     中学や前のクラスでは、そのスター枠にたまたま入っていたりすると、二軍落ちした時の落胆は並では無い。ただし、ほとんどのスター枠の子達は卒業したらただの人になる。社会が広くなると上には上がいるからだ。どこかのタイミングでほとんどのスター枠のひとが引退させられ、地元の中で「あの人は今」的存在になる。
     だから、あとから振り返るとなんであんなに自意識過剰だったのだろう、あの頃の私に大丈夫だよなどと言ってあげようなどと思うのだ。

    こんな気持ちを面白く、瑞々しく文章にしてくれてありがたかった。
     

  • ピチっとはじけるような作品のイメージ(読んだのだいぶと前だけど…)だったので、家出してたり、保健室登校してたり、本人いわく底辺だけど、ドラマチックな高校生活をおくってはったのかあ!と。 

    下宿生活や部活が、楽しそうでした。
    屋上って、社会にでても、憧れますよね。

    雪国の雪は、かくも恐ろしいものなのか。

    学祭はね。。私立でないとそんな本格的に出来ないんでは?と思う。知らないだけかな。準備の雰囲気は好きだけども。


    自分を振り返ってみると、高校生活の記憶がなく、地面の水たまりでノロノロうごめいてたんではないかと。
    まあ、ぬるま湯もいいさ。

    90年代の高校生の流行り物とか懐かしく。
    そういえば、ポストペットとかどこにいったんだろう?

  • 作家・豊島ミホさんのエッセイです。
    私はこれが初豊島ミホ。小説は読んだことないです。

    底辺にいた女子高生時代のお話。
    私もまぁまぁ底辺だったので、すごく共感しました。
    特に、体育の「みんなの足引っ張り系競技」がいやだという所。私も極度の運動音痴で、体育が嫌で嫌でたまらなかったんです。

    でもご自分で「底辺」なんて言ってますが、家出したり下宿したりそこまで底辺な感じはしなかったです。

    普通は家出しないと思います^^;
    家出なんてかなりの行動力と勇気がいると思いますけどね。

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著者プロフィール

2002年、新潮社「女による女のための『R-18』文学賞」で読者賞を受賞し、同年『青空チェリー』刊行でデビュー。著作に『檸檬のころ』『夜の朝顔』『リテイク・シックスティーン』などがある。

「2010年 『神田川デイズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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