孤高のメス 第4巻: 外科医当麻鉄彦 (幻冬舎文庫 お 25-4)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344409248

感想・レビュー・書評

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  • 間違って後編シリーズの4を読んでしまったので、買い直しての購読。一番最後に繋がる話題が幾つも出てきて「成る程な」と言うところ(^^;
    生体肝移植が失敗に終わったが、脳死移植が倫理的に難しい日本では、健常人からの移植が第一選択ではあるが、医療の世界も先陣争いが酷い。失敗を陰では喜び、表立っては足を引っ張る。世間的には良くある話しだが、人の生死を考えると医師に聖人君子を求めるのは無理な事なのだろうか。
    先輩医師の癌に伴う自院の経営問題や、恋愛話しもあるが、医師が書いた医療小説なので、どうしても医療技術の内容が中心に見えてしまう。

  • この作品は最初「外科医 当麻鉄彦」という漫画をつくり、それを上下2巻の小説にしたものに、その後 加筆して単行本 全6巻にしたものだそうです。

    クライマックスから とっても 面白くって一気に読みました。
    最後は本当に感動でした。
    信念を持って働く当麻医師の周りにはその世界が広がり、みんなに愛されています。

    この作品の中にはとても多くのテーマが入っていました。
    脳死問題、大学病院の医局体制の問題、地方病院の医師不足の問題、大学間の勢力問題、男女・親子の人間関係 等・・・。

    この作品はずっと手元においておきたい作品でした。

  • 実川は一躍マスコミの寵児となり、母親と一緒に映る幼児の元気な姿が新聞を賑わした。だが喜びも束の間、容態が悪化していく。この手術の成功に定年後のポストがかかった卜部教授は、最悪の結果となった場合、当麻の手術に原因があったと発表しろと実川に言い渡す。折しも幼児の心臓が停止した。果たして、この小さな命を救うことはできるのか。

  • 残念な結果に至るも、最後のボスの一言。
    続きが気になる..
    5巻に続く

  •  手術自体は成功しても、その後予断を許さない状況は続くことがある。この第4巻は幼児への生体肝移植を巡る医療従事者たちの一喜一憂と、それに対するマスコミの対応が印象に残る。
     我々は報道されたものが真実と捉えてしまうが、必ずしもそれが正しいとは限らない。そこには報道者側の捉え方が大きく左右しているからだ。画期的なことが起きた場合、肯定的に捉える向きもあるが、やはり状況が芳しくないと否定的に捉えられてしまう。最善を尽くしたにも関わらずそのように捉えられてしまうと、尻込みしてしまいなかなか後が続かない。
     本巻は、そういう意味ではタイトルにある当麻鉄彦が主人公というよりは、寧ろ生体肝移植を行った第二の主人公とも言うべき実川剛がメインに描かれている。

  • 生体肝移植が上手く行くのかドキドキしながら読みました。続きが気になります。

  • 昔読んだ本

  • 生体肝移植手術の最中に当麻の母が危篤に陥る。実川の機転によってドナー肝の摘出までは全うできたが、レシピエントへの生着を確認できずに慌ただしく手を下ろさなけらばならなくなった当麻の無念。しかも、移植を受けた幼児の容体は一進一退から、最悪の事態へ。例に挙げた心臓移植の失敗を叩いたマスコミに対する著者の不信感が、この物語に現れている。

  • 実川は一躍マスコミの寵児となり、母親と一緒に映る幼児の元気な姿が新聞を賑わした。だが喜びも束の間、容態が悪化していく。この手術の成功に定年後のポストがかかった卜部教授は、最悪の結果となった場合、当麻の手術に原因があったと発表しろと実川に言い渡す。折しも幼児の心臓が停止した。果たして、この小さな命を救うことはできるのか。

  • 【作品紹介】
    実川は一躍マスコミの寵児となり、母親と一緒に映る幼児の元気な姿が新聞を賑わした。だが喜びも束の間、容態が悪化していく。この手術の成功に定年後のポストがかかった卜部教授は、最悪の結果となった場合、当麻の手術に原因があったと発表しろと実川に言い渡す。折しも幼児の心臓が停止した。果たして、この小さな命を救うことはできるのか。

    【感想】
    初の肝移植を行った幼児の「空也」君が結局なくなってしまったのは、非常に残念。
    ただ、物語としては、いきなり成功より、失敗を繰り返して成功に近づくほうが物語としてはいいのかもしれない。
    作品中、相変わらずダメ医者が多い中、第4巻になって漸くまともな医者が増えてきて少し安心、というより読むストレスが少なくなってきた。

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著者プロフィール

医師・作家。一九四三年愛知県生まれ。 京都大学医学部卒業。早くより癌の告知問題に取り組み、「癌患者のゆりかごから墓場まで」をモットーにホスピスを備えた病院を創設。手術の公開など、先駆的医療を行う。「エホバの証人」の無輸血手術をはじめ手がけた手術は約六千件。現在は淡路島の診療所で僻地医療に従事する。医学学術書の他、小説やエッセイなど、著書多数。

「2020年 『緋色のメス 完結篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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