孤独の賭け〈上〉 (幻冬舎文庫)

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著者 : 五味川純平
  • 幻冬舎 (2007年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344409255

孤独の賭け〈上〉 (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「ボヌール」という洋裁店で縫子として働いている乾百子(いぬい・ももこ)という女性が主人公の物語です。

    百子は、街で出会った千草梯二郎(ちぐさ・ていじろう)という実業家の男と諍いになり、そのことがきっかけで、彼から金を借りてビジネスの世界に身を投げうつことになります。千草もまた、赤貧の少年時代から身を起こし、現在の地位にまで成り上がった男でした。

    以前から百子のことを気にかけていた蒔田二郎(まきた・じろう)は、彼女が身の選択を誤ったのではないかと心配しますが、二郎の語る観念的な左翼理論は百子の心に響くことなく、百子は彼をビジネスの師として仰ぎながら、女手一つでこの世界を泳ぎ渡っていくことを決意します。

    百子と梯二郎の、愛とビジネスの両面に渡る駆け引きがスリリングで、小説のおもしろさを感じさせてくれる作品です。

  • これを恋愛小説と言って良いのだろうか。既に結婚した男を巡っての話だ。五味川純平の他の著作、例えば人間の条件 などとは少し違う。野心家で、辛い過去を持つ男。似たような過去を持つ女。他にも、五味川純平らしい左翼上がりの人物を登場させている。

    小説は、擬似体験をさせてくれる。設定が共感し難い部分もあるが、だからこそ、非日常的な感覚を楽しませてくれるのだ。その刹那的な現実逃避にこそ、私が小説に溺れる目的があるのだから。

  • 大時代を感じる大衆小説。この時代に百子みたいな存在は珍しかったのだろう。大仰な表現、直線的な物語の展開が良き昔を思い出させてくれる。

    五味川純平さんの小説では『人間の条件』が一番好きだな。

  • 【No.139】成り上がりの実業家・千種梯二郎と、彼に大金を援助してもらった乾百子の愛憎劇。40年以上も前に書かれた話とは思えない。

  • 切なくて、何度も泣きそうになった。
    よく知っていた人に似ていた人がいたから。

    男女雇用機会均等法がまだ成り立つ昔の話。

    経営のスリルと男女の切ないやりとりが読む手を早めさせる。

    終わり方は、きっと筆者がこうするしかなかったんだと、、思った。
    あの結末を書くことで全体のクオリティがぐっと上がった。
    切なくてもどかしくて、久しぶりに登場人物を生々しく感じた作品。
    好みです!

  • 寿都子が千種に物凄い影響を与え、
    百子と千種が出会い金と体の取引を
    して、百子の目指すものが少しずつ
    露になってゆく段階。此処では
    百子の心情と千種の気持ちの間にある狭間でもあり欲望の差を見るとすごく面白いと感じます。

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