愛の流刑地 上 (幻冬舎文庫 わ 7-1)

著者 :
  • 幻冬舎
3.21
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本棚登録 : 353
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (454ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344410046

感想・レビュー・書評

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  • 有名な本なので先の展開を知りつつ読み進めた上巻。
    中年が記載した夢小説みたいな感じで、気持ちが悪い。こんなのがロマンだとは思いたくない。

  • 2019/01/10読了

  •  以前に失楽園を読んだことがあるからある程度想像していたことではあるが、ポルノ小説を読んでいるかのような感じの描写が続く。かといって退屈するわけではなく、決して若いとは言えない主人公たちの不倫愛を一気に読ませてくれる。

  • 映画の方が年齢設定若め?

  • 『失楽園』につづく著者の新聞連載小説です。

    55歳の村尾菊治(むらお・きくじ)は、18年前に「村尾章一郎」の名前で小説を書き、一世を風靡したものの、その後わすれられた作家となっていました。そんな彼が、京都に住む36歳で人妻の入江冬香(いりえ・ふゆか)に出会い、彼女との逢瀬をかさねます。菊治は彼女との愛にのめり込んでいき、冬香は彼とのセックスを通じてこれまであじわったことのない性の悦びに目覚めていきます。

    『失楽園』以上に官能描写満載の作品でした。わたくし自身はそれを目当てに読んでいるのでじゅうぶんにたのしめました。最近では神崎京介をはじめ、いわゆる官能小説家のなかでも文章力に秀でた作家が、官能描写を含む大人の恋愛小説などの分野に参入するケースもすくなくありませんが、やはり著者のほうが文章力という点では相当に上だという印象です。もちろん著者は、いわゆる官能小説家ではなく、長く直木賞の選考委員を務めた重鎮だったわけで(そして、芥川賞の石原慎太郎と同様に「老害」扱いされていたわけで)、こんなことをいってもすこしも褒めたことにはならないのですが。

  • 下巻にまとめて

  • 「愛の流刑地(上)」
    一世を風靡した作家と彼の大ファンである人妻のエロス。


    男と女のエロス、それが上巻の全てかなと思います。一時は売れっ子として活動していた小説家・菊治は、自身の大ファンであると言う冬香を紹介され、直ぐに彼女の虜になる。冬香は冬香で菊治を愛し、次第に性を解放していく。


    お互いがお互いを求めるだけだったセックスが徐々に変化していく、それが実に怖く、性に溺れ、喜び、探求していく様は実にリアル。このリアルさが無かったら、本作はただセックスするだけの退屈なものになると思います。まぁ、少し飛ばしましたがw


    最初はお互いを愛しているから恐らく菊治と冬香は対等。しかし、冬香が性に目覚めたことで、徐々に性に置ける立場が変わっていく。それが怖い。


    菊治は冬香を満足させているつもりだろうが、絶頂を知った彼女が菊治のセックスに満足しなくなるのではないかとついつい心配してしまう。その心配に当然菊治は気づかない訳で、これは後に引けなくなるのではないか(実際そうなるのだけど)と思いながら菊治が頑張っている姿を見ていると、遂に冬香が絶頂に達する時に、私を殺してと呟く。更に、彼女はこんな体にしたのはあなたのせいよとも呟くのだ。


    こんな言葉をセックスの際に聞いたら、普通は実に怖い。しかし、菊治は少し戸惑いはするけど、喜びや愉しみも同時に感じてしまうのだ。この時点で、冬香は性の序列(そんなものはないはずなのに)において菊治を上回ったように感じました。


    上巻は、菊治が妻と離婚する所で終わります。下巻は、いよいよあの場面。一体何故ああなったのかしっかり見届けないと。

  • そんなに不倫は賛美されるものなのかしらー?と思ってしまう。
    濃厚すぎて、飽きてしまった…。
    気合を入れて下巻へ。

  • 連載時に読了。平泉成で想像していたのにトヨエツだった衝撃が分かるかい?エロ以外の部分は少ないながらもある程度の形は出来ていたので苦甘上海よりはまともに読めた。男の方がエロ小説書き慣れてるな。小説の部分をおろそかにしていなかった。

  • 今じゃ、渡辺淳一って言えばこういうものだって有名だからね
    久しぶりに読んでも驚かなかったわ~。

    『愛の流刑地』は、トヨエツと寺島しのぶでしょ?
    このコンビのドラマとか観たことないけど、これもエロコンビよね~。
    で、なんとなく気になって読み始めたわっけよ~。

    やらしいけど、上巻で
    これでもか-!!
    くらいやりまくるから、途中くらいから飽きてくるのよね。
    いやね~、それだけエッチに溺れてて愛し合ってたってこと言いたいんだろうけど、
    あんなに書かれちゃうと反対にウザったくなるわよ~。
    でもまぁ、あんだけよくも書くことが浮かぶな~。って感心はするけど。。。

    私としては下巻の方が面白かったな。
    ドラマを見てないからだろうけど、もっと菊治の悩める姿を読みたかったな~。
    って思っちゃう。
    PC検索すると、トヨエツ演じる菊治は高評価なのよね。
    寺島の冬香はいまいちピンとこないけど、トヨエツは見てみたいかも。。。

    でも、最後の締めのバーのママから来た手紙。
    あれは最高だね。
    ああ、こう締めくくるか~。
    ってなんだかジーンとしたわ。
    それが渡辺淳一の味なのかもね。

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著者プロフィール

1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒。1970年『光と影』で直木賞。80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。2003年には菊池寛賞を受賞。著書は『失楽園』『鈍感力』など多数。2014年没。

「2021年 『いのちを守る 医療時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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