上と外 上 (幻冬舎文庫 お 7-9)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 3015
感想 : 210
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  • Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344410190

感想・レビュー・書評

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  •  名は体を表すとは限らない小説のタイトルだが、これではまったく意味不明。もう少しキャッチーなタイトルをつけたら売れたのではと思ってしまう。この作者の数ある作品の中でも、タイトルのおかげで知名度が低く損してるなという感じ。中身はそう悪くない。中学生の錬と小学生の千華子の兄妹が家族旅行の途中で中米グアテマラのジャングルに取り残され、古代マヤ地下遺跡に迷い込んで数々の試練の挙句に生還するというファンタジー冒険譚。宮部みゆきが書きそうなテーマだし、彼女ならどう書いただろうと興味がある。舞台装置として古代民族の軍事クーデターにネットワーク国家建設という現代的なシナリオが盛り込まれて、物語にふくらみを与えているし、円満とはいえない家族がかかえる複雑な事情も深い影を落としている。のだが、なんだろうな、突き抜けるようなパンチに欠けるというか、今一つ盛り上がらないまま終わってしまう。個々の切り抜けるべき状況はかなり悲観的なはずなのに、あまり焦燥感が読み手に伝わらない。並の書き手ならともかくこの作者ならもう一工夫ほしい。

  • 不思議な家族だなと思っていたら、思っていた以上に家族じゃなかった、という印象。
    ヘリコプターから落ちるってどんな感覚だ…怖すぎてハラハラした。サバイバルの描写が楽しくて早く続き読みたいとあっという間に読んだ。
    マヤ文明の知識ほぼゼロだけど成人式ってありなのか…?
    練がニコを未来の顔、と表現したのすごくいいなと思った。色んな血が混じってる人、美しいよね。

  • 恩田さんの作品は、以前に「ライオンハート」を読んでいた。
    その時は、特に残るものはなく、特別面白いと感じたわけではなかった。
    むしろ、つまんね・・・に類するぐらいだった。

    がしかし、この「上と外」は非常に面白かった。
    特に、終盤のストーリー展開は息をもつかせぬ勢いで、最後のシーンでは涙が出てしまった。
    いつも、新幹線の中なので恥ずかしいんだよね。本読みながら涙するのって。

    なんだぁ、恩田陸って面白いじゃん・・・と思って次(現在)も「夜のピクニック」を読んでいる。
    ん~、ちと期待はずれ。
    それにしても、これも映画になってるんだね。
    主演の多部未華子
    はい、ど真ん中のストライクです。
    山田太郎ものがたりで、眉間にしわを寄せながら
    「えっ!」
    っていう顔が抜群でした。

    ん?何の話だっけ。。。。

    「上と外」

    これも中学生が主人公みたいなものなので、中高生が読んだら良いのになと思う本でした。お勧めです。

  • 複雑な家族の冒険という感じです。
    「夜のピクニック」に繋がった印象です。
    キャラクターデザインが同じにトレースしている気がします。折角の古代文明を解き明かしてほしかったところ、インディー・ジョーンズ博士は登場せず。という所感です。

  • これ、面白かったです。
    なんていうんでしょう、少年小説よんだかのような?読後のさわやかさと、マヤ文明とかこー、マニアさをくすぐるかのような設定と、うふふ、もう、たまりませんな!的なときめき(笑)
    いやージャングルでサバイバルとか、絶対こんなの死ぬにきまってるよ!
    とか思いつつもやはりトキメキが止まりません!
    どうしても続きが気になって、急ぎ読みしちゃったので、再度ゆっくり読みなおそう~。

  • なんじゃこの題名は?意味わからんぞ?というのが、何しろ第一印象でしたね「上と外」って。なんなんそれ?って感じ。何を意味しとんねんこのタイトル。「下と内」じゃ、ダメなの?って感じ。で、上巻読み終えまして、題名の意味が「なるほど、そうか!!」とメカラウロコで分かったか、というと、全然そんなこと無いです。やっぱ今んとこ、意味不明です。下巻を読了したら、この題名の意味が、分かるんかしらん?気になるなあ。

    で、上巻読み終えた時点での感想は、なかなか下巻が楽しみだね、って感じでございまして、早く続きを読みたいなあ、ってなもんでして、うむ。満足しております。

    なんだか、ジャンル分類の難しい作品だなあ、って思います。テーマとしては、
    家族の絆?みたいなん
    ジャングルでのサバイバル生活
    異国でのクーデターに巻き込まれた国際情勢ハラハラ冒険もの
    いきなりの謎のファンタジーぶっこみ

    主要登場人物は、5人?といっていいのかな?


    たぶん主人公?中学生?良い奴ですね。サッカーしてるけど、ロッククライミングが一番好きらしい。

    千華子
    たぶんヒロイン?小学生?美人らしい。新体操をしている。

    千鶴子
    母親。練とは血が繋がっていない。ジョウネツテキな恋多き女みたい。42歳?


    父親。千鶴子とは既に離婚している。練とは血が繋がっている。賢と千鶴子の間の子供が千華子の筈なのだが、もしかしたら違うかも?みたいな話が出ている。異国で考古学者三昧の日々みたい。

    ニコ
    謎の少年。マヤ人?上巻の終盤に登場。下巻でのキーパーソンかなあ、と。で、この子の登場で、物語は一気にファンタジーに舵を切った感じ。

    個人的には、ニコの登場から、完璧にファンタジー路線になってきたと思うので、ちょっと残念。ガチの現実路線の話で行ってほしかったのです。

    宮部みゆきの「悲嘆の門」を、最初「これって現実もの?ファンタジーもの?」って、正体つかめずドキドキしながら読んでて、途中から「ああ、ファンタジーじゃん。なーんだ」ってガッカリしたのとおんなじ心の流れでしたね。

    いや、ファンタジーが悪いわけじゃないんですけれどもね、どうしても、ファンタジーになると「まあ、なんでもアリっしょ」って悪い意味で開き直ってしまう、読者としての自分がいるのですよね、、、

    舞台は、これ、ブラジル?なんでしょうか?インディオの言葉で「木々の茂る場所」という名前の国。中南米?ニュースの中では、G国、って表現されてましたね。国名を出さないのは何故だろう?アメリカ、とか、日本、とかは、国名出ているのになあ。謎だ。意味があるのだろうか?

    で、とりあえず、練と千華子のジャングルサバイバルの描写とか、面白かったですね。日本という国で、安全に囲まれて暮らすことが出来ている事が、なんと尊い事か、、、とシミジミ。それだけでも感謝しないと。

    あと、直前に読んでいたのが、角田光代の「ひそやかな花園」だった影響もあるのですが、家族のありよう、というものも、考えさせられますね。練と千鶴子は血が繋がっていないけれども、一応は、育ての母と育てられた子の関係。練と千華子は、異母兄妹。賢は、一人だけ異国にいるから元嫁と子供二人とはほぼ会わない関係だけど、一応父であり元夫であり。

    なんだか、関係性、結構希薄やないですか。それでも、この4人は、家族、という単位で、、、ある?のか?千鶴子の再々婚?話がすげえ波乱を呼んでますけど、基本的には4人、仲好さそうな理想の家族、って雰囲気もあるし、、、そこらへんの関わり、下巻でどう変わっていくんでしょうかねえ。

    それにしても恩田陸。やっぱ作風、広いなあ~。色んな作品、書いてるよなあ。凄いよね、って、そこは素直に尊敬するのです。下巻、期待してますよ!って感じですね。どんな流れになるのか、どんな方向性に向かっていくのか、ホンマに全然わからん。期待してますよ!のみな感じ。しっかしホンマにこの題名、まったく意味不明だよなあ、、、

  • ★★★☆☆

  • 考古学者の父が働く中米で、夏休みを過ごす“元”家族。‬
    ‪壊れた家族の機微を身近に感じて心がザワザワと落ち着かなかった。‬
    親しか頼るものを持たない子どもたち。でもその親も不完全な人間なのだ。
    家庭を維持することは意外に難しい。‬
    ‪そんな中で、どんどん進んでいくストーリーに好奇心が抑えきれない!

  • 《友人勧められて》感想は下巻にまとめますが、面白いです。日本に住んでいてテロということは近しくもないが遠い存在でもない。おおよそは想像が付くし題材にしている小説や映画も多い。だがクーデターは…そして密林に放り出される事など、どうやって作者は取材をしたのだろう。想像だけにしてはリアル過ぎる。続きの下巻が楽しみだ。

  • 時間軸の把握が難しくて読み始めは取っつきにくい感じがしたが、途中からは物語の力で比較的スムーズに読み進められた。
    下巻を読み終えるまで気の抜けない展開。

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    娘の救急搬送後、待合室でだいぶ読み進めた。2人がジャングルの中で過ごし始めた頃で、しばし現実を横に置いて没頭できたのはよかった。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

恩田陸の作品

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