てるてるあした (幻冬舎文庫 か 11-2)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344410794

感想・レビュー・書評

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  • 「ささらさや」の姉妹編であるこの1冊。
    15歳の両親に捨てられた(?)少女の奮闘記っちゃー奮闘記か。
    というよりかは人間関係の温かみにふれることの出来る作品かなぁと。
    すごく素敵な1冊で「ささらさや」も大好きだったんですけど
    これもすごーく素敵な作品でした。
    加納さんの他の作品も読みたいなぁーvv

  •  主人公は、親が夜逃げしたため遠い親戚を頼って「佐々良」にやってくる。そこで出会う人々のなかで彼女は成長していく。

     「ささらさや」の続編的な作品。
     続編的というのは…「ささらさや」の登場人物はほとんど出てきます。が、主人公は中学を卒業したばかりの照代。それがゆらがないので、同じ町で同じ人物が登場していても、あまりつながっている感じがしない。
     でも、「ささらさや」の物語の上にきちんと成立してるんだよね。
     上手いな。

     最初は、自分の身をなげくだけの子供の照代にいらだつばかりなんだけど……。
     やられました。
     滂沱です。

     昨今、子供の虐待などがよく取り沙汰されてるけど、本当に伝えなければならないのは、フォローする人物の欠落なんだと思う。今も昔も、親がいつも正しいわけじゃない。むしろ、なんだかんだと間違っているもんだ。けれど、そういう理不尽さに打ちひしがれた時、フォローしてくれる大人が他にいるかどうか、それが虐待になるかどうかの境界なんだと思うことがある。
     でもって、この物語は子供を育てるのは親だけじゃない、地域や周りの大人たちも子供を育てるんだと、しっかり伝えている。

     面白かった。

  • 金銭感覚のない両親をもった主人公。
    これだけを聞くと大変そうですが、中学卒業後の15歳なので
    理不尽な考えに陥ったり、分からない怒りを人に持ったり…。
    この年頃って、人にしてもらうのが当たり前、ですから。

    そんな彼女が、少しずつ変化していくのは
    家主のおかげ…かとw
    今までの暮らしがどれだけ恵まれていたか。
    けれど生活を保障してくれるだけでも恵まれている気がします。
    なぜ彼女は、両親に言わなかったのでしょう?
    ある意味、これは自分が招いたものだ、と思います。

    不思議な事が起こる、不思議な場所。
    すべてが終わる頃には、最初とはまったく違う少女になっています。

  • 全ての登場人物が個性的でとても面白い。
    最後は泣いてしまった。

  • 『凍りのくじら』の理帆子といい、今作の照代といい、十代半ばの子は皆不器用で素直じゃないんだな。その点は共感できる。が、ちょっと態度が子供じみてないかい。まあ、夜逃げして親とも離れ遠い親戚とは言え見ず知らずのお祖母さんと暮らすことになったとなれば、そんな態度もわからんでもないがな。そしてそんな彼女だからこその成長の物語でもあるのか。

  • 突然の事故で夫をなくしてしまったサヤさん。
    息子のユウとともに違う町に移住し、そこで夫の声を聞きます。
    心温まるストーーリーです。

  • 第一希望の高校に合格し、前途洋洋だったはずの主人公の女の子が親のせいで高校には行けず、本人は会ったこともない親の知り合いのところにひとりでやっかいになることになってしまう。。。文章にすると悲劇以外の何者でもないのに加納朋子さんの手にかかるとなぜかふんわりやさしいお話になるのが不思議なところです。

  • ささらさやの続編です。この話も優しくて、大好きです。

  • 思春期の女の子の心理描写が本当に上手い。身に覚えがありすぎ。
    ラストはもうぼろ泣き。

  • 一言でいうといい小説。児童小説ってわけでもないんだろうけど、子供に読ませたい感じ。ほのぼので、ちょっと不思議なファンタジー?要素もあるのにやっぱりリアルな悲しみやせつなさが胸に染みる。だらしない両親の借金により夜逃げした15歳の女の子が不思議な街の久代ばあさんのところにお世話になる話ですが、この主人公が最初はとってもかわいくない。そのヒネクレ方がとっても繊細に書かれていてこの描写が絶妙。主人公の微妙に変わっていく様も予定調和というよりもちょっとずつちょっとずつ、うまくいかないことも含めて繊細に、結果的には全体をやわらかく仕上げられた印象。あんまり爺さん婆さんで泣かせにかかるような小説は好きではないのだが、この小説に限ってはOKかな。姉妹本・ささらさら は読みたい本リストに追加せねば。

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著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。’92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。’95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。著書に『掌の中の小鳥』『ささら さや』『モノレールねこ』『ぐるぐる猿と歌う鳥』『少年少女飛行倶楽部』『七人の敵がいる』『トオリヌケ キンシ』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』などがある。

「2021年 『ガラスの麒麟 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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