むかしのはなし (幻冬舎文庫 み 12-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344410954

感想・レビュー・書評

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  • 「現代にむかしばなしを作るなら」をテーマに著された短編作品群。それぞれ、まくらとして実在の昔話(浦島太郎など)のあらすじが描かれ、本編が始まる、という形。昔話を現代風にリファインした、というより、そもそも昔話はなぜ現代にまで受け継がれてきたのか、というところに着目して物語が描かれている。なので昔話そのものとの関連性は薄い。大本となる設定があるんだけど、それを意識して読むと物語はより深く意味を持ちはじめる。

  • 三浦しをんが書いた「日本の昔話」をモチーフに現代社会に投影した作品集。

    個人的にはモチーフと本質的に似ている所があって上手い!と思う作品もあれば、ちょっと無理やりではと思うものもあり、作品ごとに差が激しいと感じました。

    作品は全てどことなく暗さや後ろめたさが付き纏っていて、ちょっと暗い気持ちになるかもしれません。

    前半戦の作品は面白いものが多かったように思います。

  • 最近気になる三浦しをんの短編小説。
    昔話をモチーフにしているので、グリム童話のようなモヤッとする残酷さがある。
    少しずつリンクしているところに気づくとより面白く読めた。

  • 死生観は人それぞれ。
    善悪のラインなんかも人それぞれで、コロナ禍が始まった頃のことを思うと色々と当てはまってた
     

  • 2021/07/22 読了。
    感想は某所のブログで書いたものの再掲です!

    ・三浦しをん3冊目。『ののはな通信』『風が強く吹いている』という感情急上昇急降下激しい(書籍中の登場人物も、読んでいるわたしも。)作品を立て続けに読んだあとだったので、わりとゆったりめだな~。と感じました。店長が「作品ごとに作風が変わってくる」と言っていた意味がわかった。

    ・今「昔話」が生まれるとしたら、をテーマにした短編集で、収録されている短編はそれぞれ「浦島太郎」「天女の羽衣」などの昔話をリブート(この使い方合ってる?)したお話です。



    ・短編集で、それぞれ別のお話と言っても、こっちの話に出てきたあの人がこの話にも出てきた!?というのがあり、少しずつ繋がっているのは伊坂幸太郎の『アイネクライネナハトムジーク』を思い出しました。

    ・全体的にゆるやかな感じだったので、ウオ~~~!!というような感想はないのですが、ゆるやかで優しげなわりに内容はあんまり明るいものではなく、読んでいる間は結構(犯罪……)と考えていました。犯罪関係ない話もあるけど、ほとんど犯罪関わってたな。

    ・あと、犬が2度死んだ……


    ・中学生の頃に家に下宿していた叔父さんと関係を持ってしまった女子高生の話が一番グロかったな(私は血みどろ内臓とかではないものも“グロい”と言う。)二人の関係は女の子の両親にバレてしまったのだが、女の子は今でも叔父さんに盲目的な恋をしている。

    ・結末がグロかった。結末というか、女の子が置かれている状況がかな……

  • ちょっと私には理解しにくい世界観だったかな。
    昔話って結構残酷な話しが多いよなぁ〜ってずっと思ってたけど、3ヶ月後に隕石が落ちて地球が滅亡するとしたら…
    現代の私たちも未来の人たちに残酷な歴史を残すのかな…

  • すごく心の打たれた作品だった。短編でありながら、それぞれの話が通じあっていて、書き方も各話の主人公が誰かに向けて書いたようなつくりになっていて、新鮮だった。

  • むかしむかし〜のお話が今で言うなら、、もしくは昔からのお話で伝えたい事はずっと今でも変わらない。という事なのかな。
    私は一度読んだだけじゃちょっと理解できなかったけど、もう一回読みたいと思えるようなお話でした。

  • ちょっとオイラには難しかった。帯に〝かぐやひめ、花咲か爺、天女の羽衣、浦島太郎、鉢かづき、猿婿入り、桃太郎……。日本昔話は、昔の話なんかじゃない。今、ここで起こりつつある物語なのだ〟って書いてあるから〝現代版 かぐや姫〟とかになっていると思っていた。もちろん、そういう風になっているんだろうけど、オイラは元の話の記憶も怪しいものだからなんだかまったく別の物語を読んでいるみたいだった。いちばん読みやすかったのは「懐かしき川べりの町の物語せよ」。桃太郎のことは考えないで読めたから。

  • この中で語られている記録も、遥か未来の人達からしたら私達が語り継がれてきたよくある昔話みたいなむかしのはなしになるって事かしら。
    少しずつリンクしている連作短編集。途中までは気づかなかったけど、さりげなく差し込まれてる感じ。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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