美人の日本語 (幻冬舎文庫 や 17-1)

著者 :
  • 幻冬舎
3.78
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本棚登録 : 424
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344411210

作品紹介・あらすじ

「花明かり」「綺羅」「手弱女」など美しい日本語を、日めくりカレンダーのように一日一語一年三六六日分を紹介する。たとえば一〇月三一日は「玉響」。玉とは宝石のこと。宝石が揺れるほんのわずかな時間のことを「玉響」という。貝寄風、東雲など自然を表す言葉や福寿草、相思草など草木の名前も収録。口にするだけで心が綺麗になる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 「花明り(はなあかり)」「和草(にこぐさ)」「曲水(めぐりみず」「花筏(はないかだ)」春にふさわしい日本語だけでもこんなにありますが、聞いただけでは何の事だか(^^)昔の人は四季に根ざした日々の営みや事象を風情ある美しい言葉で表しました。本書は著者の山下景子さんがそのような美しい日本語を1日ひとつ紹介していく形で365日を飾ってあります。ちなみに1ページ目「四月朔日(わたぬき)」とは4月1日のこと。昔は4月1日にそれまで着ていた着物の綿を抜いたのでそう呼ばれたそうです。今で言えば衣替え。元旦は身がひきしまる思いですが、うららかな春の日差しを浴びる四月朔日は生き物達のスタート。夢をふくらませるのにふさわしい日ですね。
    図書館で借りたのですが、これは間違いなく手元に置いておきたい本となりました!おすすめです♪ (4.5)

  • 4月1日から、3月31日までの366日分の素敵な日本語が集められた一冊。

    例えば、
    「身を美しく」と書いて、「躾」。
    語源の1つ、「仕付く」は「やり慣れている」ということ。もう1つの語源の「習気(じっけ)」は繰返し行われる様々な行動の結果、身に付く趣味や嗜好のこと。
    無意識にしている事の積み重ねが人の美醜を決めるー。

    こういった言葉の他、空や月、草花の異名とその言われだったり、人の言動を自然のものになぞらえた言葉だったりを学ぶことができます。

    時は経ち、もう見ることのできないものもありますが、眩しい光を放つモニターから目を離せば、喧騒から逃れる為のイヤホンを外せば、昔の人が見聞きした、自然のあれこれを今も感じることができるはず。

    四季を感じることができる風土に生まれ、こんなに感受性豊かな人々を祖先に持つことを誇りに思わせてくれる一冊です。

    2014年21冊目。

  • 「美しい日本語を日めくりカレンダーのように一日一語
    紹介する」というコンセプトの本です。
    私の誕生日の言葉を調べたら「幸い」でした。
    どの言葉も素敵でいいですね。
    一つ一つ丁寧な解説もついているので、読んでいて
    ためになります。
    本当に口にするだけで心がきれいになりそうです!

  • 葦垣の中の和草【にこぐさ】にこやかに我と笑【え】まして人に知らゆな
    「万葉集」

     若者言葉やネットスラングなど、新しい日本語は次々と生まれ、いつの間にか消費されてゆく。そんな中、古典作品で出会う古語から、新鮮な発見を得ることも少なくない。
     たとえば掲出歌。「和草」は、早春の、生えたばかりのやわらかい草や、茎などのやわらかい部分を指すという。
     歌の意味は、垣根越しに「和草」のようににっこりと私にほほ笑むあなた、二人の仲を、他の人に知られないようにね、だとか。「万葉集」巻11の、よみ人知らずの歌だが、内容は現代のツイッターでもつぶやかれていそうな恋の一場面だ。文字通り、ほほえましくなってくる。
     よく使われる「にこにこ」「にっこり」などの言葉も、古語の「和【にこ】し」から来ているそうだ。 
    そんな「和草」はじめ、美しい日本語を1日に1語教えてくれるのが、山下景子の著書「美人の日本語」。
     日めくりカレンダーふうの構成で、今日、5月4日の言葉は「競牡丹【くらべぼたん】」。ボタンの花が、その美しさを競うように咲いている様子を指し、華やかな女性たちが互いに美を競う姿も指しているという。
     立てばシャクヤク座ればボタン、歩く姿はユリの花、とは女性に対して使う表現だが、「牡丹」と漢字で書くと、少々意味合いが変わってくる。「牡」の字はオス、「丹」は赤の意味。むしろ、「牡丹」とは雄々しい花なのかもしれない。そんな種々の発見にも出会える、美人本。

    (2014年5月4日掲載)

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「日めくりカレンダーふうの構成」
      気が向いた時に読むのに良い感じですね。。。
      「日めくりカレンダーふうの構成」
      気が向いた時に読むのに良い感じですね。。。
      2014/05/09
  • とても素敵な本です。

    1年をこのように数えるときっと
    素敵な日々を過ごせると思いました。

    なにか辛いことがあったときに読むと
    安心できると思います。

    ほっこりする本です。



    hug minori

  • 美しい人は、美しい言葉を使います。
    だから、近づいてみたかった。

    365日、365個のことばたち。
    文字の羅列の奥に潜む
    小さな吐息と、微笑。
    どんなことばにも、そんな風に表情があって
    それを理解できた時にきっと
    美人の日本語が使いこなせるのかな、なんて。


    2009年7月4日  読了

  • 美しい日本語や使ってみたい言葉と出会えた。

    ただ、一語につき一ページの説明なので、もう少し掘り下げてくれないと腑に落ちないなぁと物足りないこともしばしば。

    言葉の意味や表現力を知ることで、見える景色も変わってくるかもということに気づかせてくれた。

  • 応援メッセージとかで使えるものが沢山

  • 美しい言葉、夢を与えてくれる言葉、毎日を彩ってくれる言葉、心を和ませてくれる言葉。言葉には言霊といって魂がある。「花あかり」「花筏」「陽炎」「風待月」「螢狩り」「涙雲」「恋忘れ草」「轍」「南風」「風流」「雲間」「黄昏」「忘れ潮」「栞」「玉響」「恋染紅葉」「琴線」「木枯し」「故郷」「風花」「花弁雪」「雪洞」などなど。。

  • 美しい日本のことば。使いこなせてこそ大和撫子、日本の美人。

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著者プロフィール

■山下 景子(ヤマシタ ケイコ)
兵庫県神戸市生まれ。
武庫川女子短期大学国文科卒業後、作詞家を目指し、「北海道・北賛歌コンクール」「愛知・名古屋マイソング」で最優秀曲など、数々の賞を受賞する。
初めての著書『美人の日本語』(幻冬舎)は26万部を超えるベストセラーに。
他に『花の日本語』『ほめことば練習帳』(幻冬舎)、『しあわせの言の葉』(宝島社)、『日本人の心を伝える思いやりの日本語』(青春出版社)、『大切な人に使いたい美しい日本語』(大和書房)、『手紙にそえる季節の言葉365日』(朝日新聞出版)などがある。

「2021年 『万葉の鳥』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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