- Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344411449
作品紹介・あらすじ
門限六時。家が厳しい女子大生ハコちゃんはやっとアメリカ行きの許しを得た。出発前日、親の外出をいいことに同級生が開いた壮行会から深夜帰ると部屋に女の死体が!夜遊びがバレこれで渡米もふいだと焦った彼女は自分に気があるガンタに遺棄を強要する。翌日発見された遺体は身元不明。別の同級生も失踪して大事件に。匠千暁、最初の事件。
感想・レビュー・書評
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ある女子大生が自宅で死体に出くわし、とある事情から友人たちに手伝ってもらって隠蔽することに。そして警察に代わって自分たちで解決を目論んでいくことにーー
と、設定は正直言って単純だし少し地味。しかも、本書の大部分を占めるのがディスカッション。
ああだこうだと言い合って、全ての謎に筋の通った説明をつける。その作業にかなりの頁数が割かれているのだ。そしてその中で、作者は“論理の飛躍”の醍醐味を見せてくる。地味な設定、本格の括りの中でここまで見える景色を変えてくる作品には滅多に出会えない。
そうしたミステリ純度の高さにキャラクターの魅力も相まって、誰でも楽しめる本格--もはや語義矛盾のようにも感じられるが--に仕上がっている。
↓↓↓↓以下ネタバレ↓↓↓
ハコちゃんが発見した"死体"は実はまだ生きていて、しかも髪を切ったのも自らしたことだ、というのがまず驚き。タックが机に頭ぶつけるのが伏線だったんだなぁ。
次に死体の入れ替わりもポイント。
(もしかしてあのスワッピング、コートの入れ替え、盗まれた財布、残ったタオル...とかと対応してるのかとも思ったが考えすぎか?)
そしてなによりこの後味の悪さ。
宮下という人物の卑劣さを曝け出し、そしてもうガンちゃんをズタズタに。
和気あいあいとした前半からは予想もつかないこの急転直下が最高だった。
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第一の事件だけど、シリーズ2作品目。
殺された人は皆、性格が悪い。
男と女は自信と信頼がないと続かない。 -
大学生のワイワイ飲みが……
ドロドロ になりすぎて……
ハコちゃんはクソだし、宮下クソはろくでなし だし、ルミさんも最低だし 救いがなさ過ぎる(泣)
ハコちゃんの人格形成に影響を与えたエピソードとしては、両親もヘビー過ぎた。
しかし ワトソン役とホームズ役を固定せず、タックとボアン先輩の推理を互いに行って行くのは楽しかったです。
タカチが鉄の女 だったイメージも徐々に崩れて行って 魅力的なキャラになって行くのも良かった。
(シリーズ)10作品……読んでみよう
イツ ニナルコトヤラ……… -
アメリカ留学を前日に控えた箱入り娘のハコちゃん、送別会から自宅に帰ると見知らぬ女性の死体が!? このままでは念願の海外留学がおじゃんになってしまう!! 禁断の死体遺棄計画は思いもよらない結末に。 匠千暁、最初の事件。
後に匠千暁シリーズとなる西澤保彦の看板作の第一長編ですね。タックやタカチの学生時代のお話、同じキャンパスグループ内の箱入り娘のハコちゃんのフロリダ留学前日家に帰ると見知らぬ死体が!そして禁断の死体遺棄、まさかの主人公たち普通に犯罪者である。しかし事件は想像を超える幻惑さを見せ、警察でも捜査は難航。ここに酔いどれ探偵・タックの降臨。
シリーズ恒例というか、西澤保彦ではよく出てくる酒を回しながらの推理合戦ものです。今回は結構事件の当事者ですから酒飲んでる場合じゃないかもしれないんですけどね。 -
ハコちゃんよ…。
クズすぎて読みながらイライラした。 -
おバカな大学生達が酒の勢い相まって犯罪に巻き込まれたり、
またその巻き込まれた犯罪について不謹慎な妄想を垂れ流したりする様は
ブラックユーモア全開でなかなか面白く読めたものの、
肝心のミステリー部分は素人目に見ても粗が目立つように思えた
クライマックスの急展開からの後味悪めなラストも、
それまでのノリと違い過ぎて個人的には少し戸惑ってしまった -
複雑な人間関係の上に成り立ったミステリー
序盤の登場人物の?と無理があるだろと思うような行動も、終盤真相が明らかになるにつれて、納得がいきます
心理描写が巧みで、この人ならこうするんだろうなというのも上手く印象付けられました。それが悲しい結末を生んでしまいましたが
どんでん返しに継ぐどんでん返し
最後は驚きの連続でした
”彼女”がそうなるに至った最大の要因であるのが両親であるのはわかりますけどあの奇行に丸々一生分使うのはどうなのって感じでした
変装もさすがに無理があるかなぁ
そうか、素人探偵モノというジャンルの楽しみ方があるんですね。面白いです。
私も、考古学に関しては素人探偵なんです...
そうか、素人探偵モノというジャンルの楽しみ方があるんですね。面白いです。
私も、考古学に関しては素人探偵なんですが、2日前のEテレ「誕生!大和王権」を観ていると、20年来の私の素人推理が最近段々と証明されているみたいでとても嬉しくなりました。でも決定的なのは、親魏倭王の金印泥封が見つからない限りはわからない。答えがわからないというのはホント楽しいです!
コメント頂けてとても嬉しいです。
レビューにはつい筆が滑って「所謂」と書いてしまいましたが、...
コメント頂けてとても嬉しいです。
レビューにはつい筆が滑って「所謂」と書いてしまいましたが、「素人探偵モノ」というのは私が勝手にそう呼んでいるだけで、もしかするとあまり一般的な呼び方ではないかも知れません。それはそうと、物的証拠に過度に囚われず、純粋に論理の世界で遊ぶ楽しみというのがこのジャンルの面白さではないか、というのが拙文の趣旨でした。
kuma0504さんの仰る、「考古学の素人探偵」というのは面白いですね。私は考古学に関して丸っきりの門外漢で、kuma0504さんのような凄腕の素人探偵には到底なれそうもありませんが、遠い昔に起こった出来事の真実を少しずつ解き明かしていくということには、ロマンを感じます。推理が証明されていく喜びも、それが他ならぬ自分が時間をかけて組み立ててきた推理ですので一入のことだろうと拝察します。
また、一般的に、自らの推理に至るまでの過程として気儘に自由に想像や空想をすることが許されているというのも、「素人」の特権の一つなのかなと考えたりもします。