スコッチ・ゲーム (幻冬舎文庫 に 8-5)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344412637

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  • 高校三年の冬。
    高瀬千帆は、千鳥足で寮に帰る道を歩いていた。
    夜道の暗い道を歩いてると寮のほうに赤色灯が・・・。
    寮の周りの人だかりを掻き分ける千帆には、ルームメイトの恵の事が脳裏に浮かび上がる。
    警察の静止を振り切り駆けつけると、部屋には赤い海が広がっていた・・・。
    恵は死んだのだった。
    ルームメイトであり同姓の恋人であった恵。
    最近では、恵と教師の噂を聞いて、恵を拒絶するような冷たい態度を取っていた千帆。
    恵は、彼を殺して自分も死ぬと言っていた。
    そんな恵が滅多刺しにされて殺された・・・。
    千帆は、犯人を突き止めようと行動する。
    容疑者は、恵と噂があった教師だったが「酒ビンを持って河原へ向かう男を尾行した」と奇妙なアリバイを主張していた。
    そんな中、また寮の隣の部屋の女子高生が同じような手口で寮の部屋で・・・。
    その時も容疑者の教師は同じアリバイを主張した。
    そしてまた・・・。
    事件の真相がわからないまま遠くの大学に進学を決めた千帆は、この事件を心に残し旅立った・・・。

    二年後、千帆は大学で知り合った友達と飲んでいた。
    飲んでいる中、千帆は、この事件の一部分を解いてもらおうと話し出す。
    酔いつぶれて寝ていたような匠千暁は、その部分を看破する。
    匠千暁が千帆の郷里に着いた時。
    千暁は、事件を鮮やかに解き明かす。

    西澤保彦の匠千暁シリーズ第5弾の本格長編ミステリーです。
    前半は、千帆の複雑な感情や事件の事など刑事と千帆のやり取りも魅力的です。
    後半は、回答編です。
    匠千暁が話を聞きものの見事に事件を看破する、このロジックがめちゃくちゃ面白いです。
    論理のなかで千暁が真相を突き詰めるのは、やはり面白い。
    本格ミステリーが好きな人にはお勧めですね。

著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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