- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344413337
作品紹介・あらすじ
14歳の少年はある日、部屋にカギを付け、引きこもりを始めた。不安、焦り、苛立ち……。様々な思いを抱えながら、「戦うべきリング」を求めて彷徨う苦悩を描いた衝撃の自伝的小説!
感想・レビュー・書評
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お笑い芸人『千原ジュニア』の自叙伝。
久しぶりに★★★★★を付ける。
自伝である故、どこまで脚色されドラマチックな演出になっているかは定かではないが、読者として非常に高いレベルの満足感を感じた。
今の彼の成功を知った上での読書である為、最初から安心感を抱いて読んでいた自分も、本書を読むのに適した精神状態だったかもしれない。
全編通して、簡単な言葉を並べて表現している。それゆえに、読者にとっては集中力と想像力を要するハードな読書となるに違いない。
内気な少年の冒険ファンタジーが始まりそうな雰囲気だ。しかし実際は闇が深く、言葉で書き表せないほどの感情があったに違いない。
赤で空、黒で太陽、青で鳥。壁にスプレーで描いた。
絵を描くことが好きな少年だった。
すごく詩的だが、ストレートな表現に涙が出そうになる。同じ言葉も最初と最後では響きが違うのだ。
起承転結というか、何と言うか、読み物としての構成も素晴らしい一冊だと思う。
彼は結果的に自分の戦う場所を見つけることが出来た。
祖母、そして兄の存在がどこまでも懐の大きなものであったに違いない。
ご両親の気持ちはすごく分かります。息子のことが心配なんだ。周りの目も気になる。仕方ない。
互いに真剣だからこそ、通じ合えないものもあったのかもしれない。
待つこと。それが本当に難しいことなんだよね。
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H31.2.10 読了。
14歳、思春期ど真ん中。自分はこの先、どんな職業に就き、どんな生き方をするのかなどなど、もやもや、イライラした複雑な気持ちの中で生きていた時代。自分は高校受験に向けて、世の中に流されてそんなことをきちんと考えずに生きていたなあと思い返しながら読みました。
千原ジュニアさんは、思春期の長いトンネルを兄の導きによって、出口から抜け出せて良かったなあと思いました。 -
この熱量は半端ないね!!
心に刃を突き立て、拳を血がでるくらい握り、奥歯がゴキッと折れるのをかまわず噛みしめるくらい自分と世間の常識に闘った記録と記憶!素晴らしい〜
ぜひ〜
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信じられないような話。
でも確かに言われてみれば、
そんな奴が居ても不思議じゃない話。
※
千原ジュニアが登校拒否だった14歳の時の心情を書いたもの。
『登校拒否』と聞くと、
やはり『イジメ』とか『勉強嫌い』とかが頭をよぎるけど、
ジュニアの場合はそうじゃなかった。
自分が『戦う場所』を探していた。
※
恥ずかしながら、
この歳で14歳のジュニア少年に凄く共感した。
と言うか、再認識させられた。
※
『やりたい事をやる』のが幸せなんじゃなく、
『戦いたいと思える場所がある』のが幸せなんだと感じた。
※
今からでも遅くない。
是非、手にとって読んでみればいい。
#14歳 #千原ジュニア #J -
まさかこれを読んで泣くとは思わなかった。読んでる間、ずっと胸が痛かった。自分の気持ちに正直に生きるって、本当に苦しいことなんだ。大人や世間に逆らわず生きて行くのはなんて楽なんだろう。私は今まで、ひきこもりなんて逃げてるのと一緒だって思ってたけど、違うんだ。闘っている人だっている。だけど、その違いを見極めるのは難しい…人を傷つける人は、書く道具でだって傷つけるんだという言葉が印象的。
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この14歳の成長はまさに人間的。
だれもがこの成長を持っていた。
いつのまにか忘れてしまったのだ。
大人とは子供ではないということ。
暴れろ!
嘆け!
そして、
悩め!
大人になるってこれほど
悲しいことなのだ。
美しいことなのだ。
心震わせることなのだ。
いつか忘れてしまうけれど。 -
引きこもっている子供の気持ち(もちろん全ての場合に当てはまるわけではないと思いますが)がとても伝わり、そしてその内面には1番近くにいる両親には恐らく何も伝わっていない。読みながらボロボロ涙が止まりませんでした。
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千原ジュニアの見方がかわった。
やりたいことを見つけたい人にぜひ読んでほしい作品。 -
14歳だ
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この不思議な世界を前に、どう自分を作って行けば良いのか不安でたまらなかったあの頃、それを瑞々しい記憶として呼び起こしてくれる本でした。尖ったナイフで世界のモヤモヤに立ち向かおうとして、一人ではどうにもならないと悲しくなり、膝を折ってしまった中学生の私。その自分を久しぶりに愛しく愛でたいと思える本です。
決して文章が上手いという訳ではないけれど、溢れ出る強い想いが、素晴らしい作品を作っています。 -
おもしろかった。でもジュニアはほぼ才能だよ
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お笑い芸人、千原ジュニアの自伝的小説。
ジュニアが中学時代引きこもっていたこと、
兄のせいじがジュニアをお笑いの世界に誘って
ジュニアの引きこもり生活を終わらせたこと、
……ぐらいの予備知識しか持たない状態で読んだ。
終盤までは読んでいてすごくつらかった。苦しくて胸がしめつけられた。
泣きそうになるのを堪えながら読み勧めた。
せいじからジュニアに電話がかかってきたシーンでは
堪えていたものが決壊、恥ずかしながら号泣。
なんで泣いているのか判らないぐらい号泣。
たぶんジュニアが「やっと救われた、道を見つけた」ことに感動したからだと思う。
引きこもりの問題児だった少年が、人気芸人のひとりになれた現実を思うと感無量。
何かしら屈折した青春時代を送った方ほど
感情移入しやすい作品ではないかと思う。
逆にそうではない方には理解しがたいかも。
そうでなくても、好き嫌いがハッキリ分かれそうな小説だと思った
(文体・内容ともに)。 -
不安、焦り、苛立ち……。
思春期の不安定な内面
すべてを告白する。
衝撃の自伝的小説
です。
14歳のときに読んでたら、変な影響を受けてたかもしれない。
千原ジュニアにはお笑いの才能があったからセーフ。
もし才能がなかったら、あっても気づけなかったらアウト。
と思いました。 -
何だろう、テレビで観る今のジュニアさんからは想像出来ないな。もちろん引きこもりだったというのは知ってはいたけど、いまいちこの本と今のジュニアさんが繋がってこないなぁと思いながらも、最終話でネタを作って披露して笑いを起こしたあたり(個人的には190p〜)で「あぁ、これはやはり千原ジュニアの書いた本だなぁ」って感じさせられた
俺もいつか今悩んでいたりする事を、笑いながら誰かに話せたり出来るかな
俺がたたかうリングはどこなんだろな
俺はどうなるんだろう
俺はどうするんだろうって読んだら、懐かしい青い気持ちがじわじわ蘇ってきたし、くる。あー、俺は俺をどうしようかなぁぁ…
そういう気持ちになりたい人にはオススメの本です!笑 -
久しぶりに読み返した
いじめられていた訳でも
勉強についていけなかった訳でもなかったが
学校に行かなかった中高当時の自分に
重ねて読んでしまった
鳥だってたまには歩きたいもんね
自分でも当時の自分が理解出来ていなかった
でもあの時歩いていた
飛んではいなかったけれど
止まってはいなかったのだ
と気付かされた
自分が長い間学校へ行かなかったということを
意識しなくなった今
むしろ数ヶ月も忘れているようになった今
ようやくあの時間の大切さを思い知らされた -
中学生の頃は引き篭もりだったらしい。
面白い。 -
ずっと気になってた本。
めぐみちゃんに借りた本。 -
自分を見つめ直せるいい作品。言葉の選び方が上手く、著者の気持ちがひしひしと伝わってくる。何度も読みたくなる、そんな作品です。
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伝え方が上手い。心にぐっとくる。自分のやるべきことを見失った時、再び手に取って読みたい本。私には何が出来るだろう。
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千原ジュニアの自伝的小説。あしたのジョーの主人公ジョーのボクシングのように何か打ち込むことができるものを探して部屋に閉じこもっている千原浩史。部屋に鍵をかけ、壁に穴をあけ、人と同じように学校へ行くことに意味を感じず、少年が悶々と過ごしていく14歳。
人生はひとつのレースであるがゴールするまでの手順は人それぞれである。千原浩史少年にとっての方法は大勢の人とは違った。人と違うことを好むが人と違うことを恐れもする。そんな誰しもが感じる思春期の現れ。画一的な教育から外れた子どもたちを排除するだけの大人ではいたくない。 -
ノーベル賞と変態レッテルは同偏差値。
問題はベクトルの考え方。 -
小説としては面白くない。
せいじはすごいいい兄貴じゃないか。 -
2012/8/12
図書館から -
著者は自分が戦うべき場所を探していた。自分が生きていくための武器を探していた。鍵をかけた部屋に籠って。14歳という少年期に限らず、自分が戦って行く場所を探すこと、自分が持てる武器を探すこと、すなわちそれが真剣に自分の人生を生きるってことなのではないか。彼はお笑いという戦う場所、自分の武器を見つけることができた。では僕の場所、武器はなんだろう。
そして、この世界に生きる人々が各々の場所で自分の武器で戦っているのだとしたら、戦うリングが違うという理由だけでその人を批判するのは甚だ間違いなことだと思った。 -
彼はたったの15歳で自分が戦うべきレースを見つけることができた。
彼の14歳。
部屋にカギをつけ、壁一面に絵を描き、タバコを吸う。
お母さんが作った精神安定剤入りのごはん、家の中に増やしていった穴。
きっとそのすべては間違いでもなく、無駄でもなかったにちがいない。
私の14歳。
思い出しただけでも、痛いな。 -
病気になりたての頃に、何かの暇つぶしに
浜松町の談で買った本。
その時にはあまりにリアル過ぎて、
読むの止めたんだよねぇ。。
でも今日再び読んで、2時間とかからず
読み終わりました。
詩的な所もありつつ、でも14歳って言う
誰もが揺れる?微妙な、感受性豊かな時期の
何か代表的な感じを描いてる感じ。
この本読む前から千原兄弟の下って
な~んか影があるけど、頭良さそうだし、
何か知んないけど面白いよなーと思ってたけど、
こんな歴史があったんだね。
14歳、今こうして自分が大人になると
子供って感じだけど、当時自分が14歳だった頃、
色んな事を考えて、色んな事に悩んで、
色んな事を我慢してた。
だから、こうやって実行に移せるジュニアはスゴイと思うし、
なるほどなー、って思った。
結構ますます好きになったかもしれん。 -
14歳の少年の家族のキャラがとても印象に残った。
ずっとお友達のおばあちゃん、落書きを笑うお父さん、いつも首をひねるお母さん、弟をおもしろがるお兄ちゃん、ちょっと兄と距離を置いている妹。
自分の部屋に閉じこもりながら、お父さん、お母さんに「もう少しだけ待ってください」と心でお願いする箇所。
親を悲しませるためにやってるんじゃなくて、でも何でこういう事をやっているのか自分でもどう説明していいか分からない。
遠い昔10代だった頃のカサカサした感情を思い出した。
この小説は自伝であり、この14歳の未来を現在進行形でみることができる。それも、この小説の面白さでもあると思う。 -
吉野などを舞台とした作品です。