晴れた日は巨大仏を見に (幻冬舎文庫)

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著者 : 宮田珠己
  • 幻冬舎 (2009年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344413801

晴れた日は巨大仏を見に (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

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  • いやぁ、楽しい!
    数年前に本屋さんで巨大仏の写真集を見つけてから、巨大仏のことがずっと気になっていた。
    この本で取り上げられているのは40メートル以上の巨大仏。
    どうやらウルトラマンより大きいらしい。
    奈良の大仏は高さ15メートルとのこと。
    私が愛してやまない鎌倉の大仏は奈良の大仏よりも小さいはずだから、40メートルとはやはりかなりの大きさだ。
    そして、最初に訪れる牛久大仏は高さ120メートルとのこと。
    数字だけで圧倒されてしまう。

    巨大仏の旅は、著者の宮田珠己さんと編集者さんとの珍道中。
    同じものを見ていても、感動するポイントが違うのがなんとも楽しい。
    巨大仏の胎内のしょぼさに対するツッコミにニヤリとし、周辺施設の強引さに爆笑。
    愛のあるツッコミって心地よい。

    でもこの本の1番すごいところは、巨大仏に惹かれる理由についてきっちり考察しているところだと思う。
    少しオーバーなのではないか、と思うところもなくはなかったが、全体的には納得した。

    駅には必ず巨大仏が1体いるのが当たり前な世の中だったら、巨大仏にこんなに惹かれることはないかもしれない。
    巨大仏が街中で浮いていると感じるのは、普通の街並みの絵が頭にすり込まれているからなんだろう。
    でも、それでも、希少性とは別の魅力を巨大仏に感じるだろうか。
    そうなった時に感じる魅力こそ、巨大仏に惹かれる本当の理由なんじゃないかと思う。

    私の家から1番近い巨大仏は東京湾観音だと思われる。
    東京湾観音は巨大仏ファンの面々の評価も高かったので、かなり気になる。
    まだあるなら見に行きたいなぁ‥。

  • タマキングが全国の巨大仏を訪問するエッセイである。

    最初のうちは笑いながら読んでいた。エキセントリックな同行者である袖山さんと和久田さんへのツッコミや、訪問する場所のズレた感じが面白くて。しかしその笑いの中に「ほお」という感心のようなものがところどころ混じる。柄谷行人さんの『坂口安吾と中上健次』のような本の記述をもとにして、巨大仏の不可思議さについてタマキングが少しマジメに説明を加えていく。そして、最後のページにたどり着くに従って、よくわからないけどなんだかほとんど感動していた。たぶんこれからもタマキングの本を読んでいくだろうと思った。

    感動した理由は、巨大仏を見る側の心理についてのタマキングの考察だ。名所などを訪れる時、おそらく私もタマキング的な視点がかなり混じっているような気がする。そして、どうしてそのような視点を持ってしまうのか、ということまでタマキングが書いてくれているのだ。普段、おぼろげに感じていたことが言語化されている、という意外な驚きが、感動につながっている。穿った見方でしか風景を見られない私に「それでいいよ」って言ってくれている気がした。

    そして、この本のいいところは、そんな鋭い考察を含みながら、ユーモアの比率が高く読む側を飽きさせないことだ。とても配慮の行きとどいた本だと思う。10年先に再び読んでも、面白く読めるような気がする。

    と、カタイことを書いてしまったが、基本は笑える本である。肩の力を抜きたいときにどうぞ。

  • 巨大仏。
    初めて見た時はなにかよくないものだと感じたな。
    たぶん加賀大観音だと思うんだけど。
    見えてるけど見ないふりをしないといけないような感覚。
    触れちゃいけないような。
    でもこの本読む限りそんな大したもんじゃないみたいね。
    今度見かけても怖がらず「マヌ景」って思えそう。

  • 訳あって休暇を取り、半分ほど読み進めていた本書を読了。巨大仏のうち、関東に住む自分は牛久、東京湾、高崎に20数年前に近くまで行ったことがあり、著者の独特の視点を持ち合わせていたらマヌ景を味わえたのに、と悔やまれた。後半では、著者の巨大仏に対する思いと坂口安吾らの著作から得られる考察に、こんなに深いところで本書は上梓されたのだと感心させられた。解説では、著者が1作品を著すに当たり緻密な構想を練っていると書かれており、紀行文をアホな文章で綴るだけの人ではなかったのだと、ますます好きになった。

  • 面白かったぞ。とても真面目な本だ。
    著者の言う「マヌ景色」を面白いと感じることについての深い考察が、とてもおもしろい。「ぬっとある」唐突な感じがおもしろいのだけど、そこをじっくりと観察して考察していく。そうして「世界があること自体の怖さ」という概念に行き着くのがステキ。下手な論文よりまっとうな考察だと思う。

    それと、カングーという車がでてきて、シャープさのないちょっとどんくさい感じの車に惹かれるあたり、すごく共感した。自分もカングー乗ってたし。

    あ、仙台大観音は、しょっちゅう見てます。

    久々に共感した本だった。

  • 坂口安吾氏や岡本太郎氏を引用し、なんとか学術性を出そうと努力しているが、所詮は「ぬっとした」「マヌ景」の巡礼記である。
    さらに読むと自分の目で巨大仏を見に行きたくなるが、著者自身が「文庫本あとがき」に「すでに存在しないかも知れない」と書いている。
    何のために読むんだ?
    ただ、こんな無意味な本も(巨大仏も)あっていいじゃないか。
    いい国だな、日本って。

  • 宮田氏の本は読みやすい。さらっと楽しく読めてしまう。仏教徒ではないが、宮田氏の解説を読みながらこのおおきな仏像に思いを馳せ、見に行ってみたいなぁと思ってしまう。

  • 大仏といえば、奈良東大寺の大仏や鎌倉の大仏などが有名ですが、それ以外にも日本には数多く大きな仏像があるようです。それらはタイトルにあるように、大仏というより巨大仏と呼ぶ方が相応しいような建造物です。
    日本にいったいどれだけ巨大仏が存在するのか知りませんが、著者はその中から40メートルを超えるものにターゲットを絞って訪ねています。なぜ40メートル以上かというと、ウルトラマンの伸長を超えるものというのが基準になっているからです。
    それにしても巨大仏というのは存在自体が異様ですネ。ボクも淡路島で目にしたことがありますが、現れ方があまりに唐突で、車で走っていたとき、何の前触れもなくど~んという感じで突然風景の中に出現し、???となった経験があります。
    日本の巨大仏の共通点としては、なんでこんなところにこんなものが?という違和感。風景とマッチしないアンバランスな唐突感。その多くが資産家が個人で建立したもの。観光地として認知されていない。人が寄りつかない・・・などなど、どちらかというとネガティブな事柄が多いようです。
    それにしても何で巨大仏なんでしょう?そんな余裕があるなら、寄付したり、学校を建てたり、もっと役に立つお金の使い道がありそうなものですが。もしくは、それこそウルトラマンとかゴジラとか大魔神とかキングギドラとか、もっとみんなが喜びそうなカッチョイイものを等身大で建てるとかすれば、人が集まってくるのになぁと考えてしまいます。んが、その答えもこの本の中にありました。おぉ、そうだったのかッ!!と、ひざを打って納得できるような答えではありませんでしたが・・・。
    著者に同行するお二人の行動やものの考え方、捉え方も摩訶不思議で、やっぱり類は友を呼ぶんだなぁとゆる~い気分で読んでいたりなんかすると、ところどころにスルドイ風景論みたいなものが散りばめられていて、なかなか油断のならないエッセイでした。


    べそかきアルルカンの詩的日常
    http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
    べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
    http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

  • わかるんだけど、歳をとったという感じ。それはそれでいいのだけど。

  • (2016.5.30)
    (342P)

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