最初の、ひとくち (幻冬舎文庫 ま 10-3)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344414396

感想・レビュー・書評

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  • 「生まれて初めて〇〇食べた!」
    益田ミリさんご自身の最初のひとくち経験をまとめて集めてエッセイにされています。カラムーチョやコーヒーなど、ちょっと背伸びした子供時代の話が可愛らしいです。
    家族で一緒に作って食べたフルーチェ、母に飲んではいけないと言われていた中で思いがけず友達から手渡されたコカコーラ、この本を読んだら私の思い出も蘇ってきました。

    そしてこの先、食べたことない料理と遭遇したら食わず嫌いするのは勿体無いか…と食いしん坊に拍車がかかりました。
    今後の未知との遭遇にワクワクしてしまいます。
    ああ、小腹が空いてきました(*´▽`*)

    2024.2

  • 益田ミリさんが色々な食べ物を最初に食べたときの状況や感じたことを文とイラストにまとめたもの。①おかし・おかし・おかし、②飲み物あれこれ、③一品なのに存在感、④ちょっと贅沢、⑤その時、その場所の味の5章に分かれている。

    ミリさんとは少し世代が異なるのだが、ミリさんの子供時代の70年代、中高生で過ごした80年代はじめはこんな感じなのか〜と読んでいてとても楽しかった。カラムーチョやとんがりコーン、午後の紅茶などなど、具体的な商品もたくさん出てきて、自分自身の思い出も相俟って子ども時代に戻ったような、穏やかで楽しくて懐かしい気持ちになった。

    ミリさんが夏休みに福井の山奥にある母方の実家に行ったとき、「わらぶき屋根の祖母の家。障子を開けると、美しい山々がパノラマになって見渡せた。濃い草の匂いと土の匂い。夏でも涼やかな風がいつも家の中を巡っていた」という環境の中、初めて食べたフルーチェのエピソードが特に好きだった。

    それから、店先に置いてあるアイスクリームの入った冷凍庫のケースに今と違ってばらばらに色んな種類のアイスが入っている。その中をごそごそ探していると、見かけないアイスが出てきたりすることがありちょっと楽しかった、という話には、自分も祖父母の家に遊びに行ったとき、近所のお店でそうしてたなぁととても共感した。

    はじめて何かを食べるというのは、子供の頃や若い頃が多く、味だけでなく、その時の思い出や気分と必ずセットになって記憶に残るのだなとつくづく感じた。

  • 最初のひとくちをこんなに鮮明な覚えててすごい。
    それくらいひとつひとつがミリさんにとって衝撃的だったんだろうな。
    「大人になってしまうと、ちょっとやそっとの新しい食べ物では驚かなくなってくるもの。」
    本当にそうだと思う。
    大人になった今でも初めて口にするものはまだまだ多い。
    私もこれから記録してみようかな。

  • 益田さんとは実は同い年。だから共感できる事が多い。
    ただ大阪あるあるはちょっとわからない事もあるが。
    それと、私よりはかなり流行に敏感だと思う。
    イラストも多いから、いつも楽しく読めます。

  • 誰もが知ってるあの味、その最初の出会いを中心にミリさんの出会いを綴ってくれる。

  • 数年前に読了したが久しぶりに読み返した。
     ミルクケーキ が気になりすぎて近所のスーパーに走った思い出。
    文字なのに頭の中でイメージが浮かぶのがすごい。
    明日駄菓子屋に行こうか

  • 今年は益田ミリさんに読書の楽しさを思い出させてもらい、最後を締め括った本も益田ミリさんの本でした!

    私も懐かしい味がある
    思い出すと子供の時の楽しかったことや、どこで食べたかわからないけど美味しいと思ったもの

    食べ物って記憶なんだなと思いました

    来年もたくさん読書をします!

  • 益田ミリさんの、食べ物との初めての出会いの思い出。自分にも、食べ物に関する思い出はたくさんあって、嬉しかった記憶も苦い記憶も、思い出すと「あぁ、あの頃こんなこと思ったっけなぁ」と懐かしく温かい気持ちになる大切なもの。文庫版あとがきがとてもぐっときて、それだけで星5つ!

  • 特別に高いものでもない。
    特別に作られた物でもない。
    どんな食べ物でも、はじめての一口がある。
    それを思い出とともに書いたエッセイ。

    幼い頃の記憶があまりない自分からすると、よく覚えてるなー。。。と、感心してしまう。
    ミリさん自身、覚えていた。というよりも、このエッセイを書くことで思い出した。が、正しいのかもしれないけれど。。
    最初のひとくちは、単なる「ひとくち」ではなく、いろんな人との思い出をたくさん含んでいるのだな。

    あとがきの一言にドキリとする。
    『わたしには子供がない。子供持たない人生というのは、最初のひとくちに触れる機会が少ないことでもあるんだなぁ。
     しかし、それでも、わたしの人生は、いくつもの最初のひとくちを経て、その輪っかを太くしつづけている。誰と比べることもないのだと思う。』(202頁)

    人と比べがちな自分。
    自分の年輪を重ねて太くしつづける「最初のひとくち」をもっと楽しんで生きたいな。。

  • どんな食べ物にも最初のひとくちがある。身近な食べ物や珍しい食べ物の最初のひとくちをまとめたエッセイ集。

    所々出てくるお母さんへの言葉がチクッと刺さる。最初のひとくちの瞬間に1番に立ち会ってくれて、自分よりも子供の最初のひとくちを優先させるお母さん。当たり前に受け取っていた愛情を、ちゃんと自覚して返さなければと思いました。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書に『欲しいものはなんですか?』『みちこさん英語をやりなおす』『そう書いてあった』『今日の人生』『しあわせしりとり』『すーちゃん』シリーズ、『マリコ、うまくいくよ』『僕の姉ちゃん』シリーズ、『スナック キズツキ』『ツユクサナツコの一生』『ヒトミさんの恋』『ランチの時間』等がある。

益田ミリの作品

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