スタートライン―始まりをめぐる19の物語 (幻冬舎文庫)

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  • 幻冬舎 (2010年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344414532

スタートライン―始まりをめぐる19の物語 (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 読みはじめるまえ、
    そのタイトルからもっとはっきりとなにかをはじめるシーンが
    描かれているのかと思っていた。
    エール的なものなんて、ものすごく想像した。
    いや、期待していた。
    けれど、そんなはっきりとわかるスタートラインなんて
    そうそうあるものではない。
    むしろやわらかなスタートラインだからこそ
    感嘆に似た読後感が味わえたのだと思う。

    どの作品が好きだというより
    とにかく強烈だったのが万城目氏の「魔コごろし」。
    「長となるべき最後の条件」は魔コをころすこと。
    海の底に棲むおぞましき魔コ、とか
    はじめて魔コの姿を見たときはおそろしくて思わず泣いた、とか
    ”ばば”がもの言わぬ魔コに腹を立て、小刀でその口を割いた、とか
    もう魔コってなに!怖すぎる・・・

    そんな魔コをころしにいくくだりはやっぱり最高。
    もう言葉がありません。

    魔コごろし。
    漢字にカタカナ、ひらがなの組み合わせが絶妙。
    これからわたしも魔コって呼ぼうかな。

  • 19人の人気作家による、始まりをめぐる物語。

    1篇がたった8ページという制約の下に書かれているので
    読み始めた途端に終わってしまって呆気にとられる感じはありますが
    短いだけに、それぞれの作家さんの「スタートライン」の捉え方に
    個性が際立って表れていて、意外な一面を発見したりして。

    離婚後に息子と住む3LDKのマンションを、ユニットバスのサイズ「1620」と呼び
    不安になる自分の精神状態を、息子が夢中になっている戦隊もの「マジレンジャー」の
    「マジブルー」と表現する母親のセンスが楽しい、三羽省吾『1620』

    田舎育ちで、これぞ東京!という、人波溢れるスクランブル交差点に来ると
    謎のトンネル効果が作用して、愛する彼とつないだ手を離し、
    知らない人の手を握ってしまう「わたし」の必死さがかわいい、
    中田永一『恋する交差点』

    眠りにつく前の小一時間を妄想の時間と決めて楽しみ、
    「とっぴんぱらりのぷう」と唱えて現実世界に戻ってくる小学6年生つばさの
    女性として変わりつつある自分のからだへの意識が独特でおもしろい
    朝倉かすみ『とっぴんぱらりのぷう』

    娘の息子のお嫁さんのお腹の中に、新しい命として宿ったキヨさんが
    仕事から飛んで帰ってきては、真っ先に「キヨ、キヨ」と自分を探し
    病弱な妻のために子どもそっちのけで栄養のある食べ物を用意してくれた
    優しい夫の記憶が薄れていくのを静かに受け入れる描写が美しい
    中島桃果子『はじまりのものがたり』

    という4作が印象的でした。
    これでまた、気になる作家さんが増えて、ほくほくする私でした♪

  • 19人の作家による始まりをめぐる19の物語。

    アンソロジーはあまり手にしないので、久しぶりのアンソロジー。
    1篇ずつが短くてあっという間に終わってしまうのですが、こういうところでないと出会えない作家さんも多くて、宝探しのような楽しさがありました。

    同じテーマでも捉え方や描き方はまちまちでおもしろい。
    印象に残っているのは、
    宮木 あや子さんの「会心幕張」
    万城目 学さんの「魔コごろし」
    小川 糸さんの「パパミルク」

    終わりがあって、始まりがあって、
    日常はこんな風に物語で溢れてるんだろうなぁと愛しい気持ちになりました。

  • ショートショート短編集でした。
    光原百合先生→さ、爽やか~~…。父娘ネタはずるい。
    三羽省吾先生→再婚に迷うシングルマザーと息子ちゃん。いい話だったな。
    金原ひとみ先生→なんかこう…男女の別れ話は読んでてしんどくなる…。
    恒川光太郎先生→これだけで面白い…すげえ…。
    三崎亜記先生→う~ん雰囲気小説。
    中田永一先生→ひらがなが多い(こなみ)
    伊藤たかみ先生→のんべんだらり感が嫌いじゃなかったな。
    島本理生先生→『一千一秒の日々』以来読みましたけど、やっぱり恋愛小説として好みだなあ…。
    橋本紡先生→切なくなった・・・お弁当は美味しい。
    宮木あや子先生→放送禁止用語の乱舞やがな。
    柴崎友香先生→お引っ越しはスタートラインのテーマだよな~~。
    津村記久子先生→う~んバンドマン…。
    中島たい子先生→くすり笑えてほろり切ない…。
    朝倉かすみ先生→こう来るか少女視点多いもんな先生。
    藤谷治先生→小説家、とは…。
    西加奈子先生→まさかの初読みがこれ。いやなんか疾走感のある川上弘美って感じだ・・・。
    中島桃果子先生→転成ネタすきだな先生。
    万城目学先生→オチクッソワロタ。
    小川糸先生→いやだから父娘ネタに弱いんだって…切ない…、いい話…。

  • 久しぶりに故郷に戻り『ベッチャー』を見る「帰省」/光原百合
    離婚した夫が望んだ大きな風呂で息子に恋愛相談をする「1620」/三羽省吾
    別れようとする彼を引きとめ喫茶店で向かい合う「柔らかな女の記憶」/金原ひとみ
    島にカヤックで来た女は椰子の実から生まれたと言う「海辺の別荘で」/恒川光太郎
    始めてきた街なのに自分がそこに住んでいたように感じる「街の記憶」/三崎亜記
    渋谷の交差点で手をつなぐと必ずトンネル効果が起こる「恋する交差点」/中田永一
    十年以上前に別れた彼女と男女の友情について語る「花嫁の悪い癖」/伊藤たかみ
    入籍した直後、一人で結婚をじわじわと実感する「ココア」/島本理生
    公園でお弁当を食べながら高校時代の彼を思い出す「風が持っていった」/橋本紡
    会社勤めの傍らのバンドのライブ後に可愛い子に声をかけられる「会心幕張」/宮木あや子
    彼氏と別れた友達の新しい部屋を探す「終わりと始まりのあいだの木曜日」/柴崎友香
    ロックフェスに向かう電車の中の女2人連れ「バンドTシャツと日差しと水分の日」/津村記久子
    夫の墓参り帰りに近くの喫茶店でおしるこを頼み夫を思い出す「おしるこ」/中島たい子
    81歳の自分から12歳の自分へのことづてを妄想する「とっぴんぱらりのぷう」/朝倉かすみ
    独身最後の一人旅で小説を書く決心をする「その男と私」/藤谷治
    泥棒を、警察を、立派なトロフィーで殴りつける「トロフィー」/西加奈子
    母だった私が娘の息子のお嫁さんのお腹に宿る「はじまりのものがたり」/中島桃果子
    二つの村の長になるために魔コを殺して食べなければならない「魔コごろし」/万城目学
    飲み屋を経営する父の再婚話に先を越される「パパミルク」/小川糸
    カバーデザイン:山本知香子

    今をときめく作家さんたちを詰め込んだ超短編集。
    しかし220ページに19作も収録しているから1話が本当に短くて
    せっかく豪華なメンバーなのに活かしきれていない気がします。もったいない。

    バツイチママと息子の会話が面白い「1620」
    短いストーリーの中で殺人を犯した椰子の実が登場する「海辺の別荘で」
    他の作品とつながりのある「街の記憶」
    めまぐるしく変化する感情をユーモラスに描いた「おしるこ」
    がよかったです。
    「魔コごろし」は途中で読めちゃったけど
    あまり万城目さんにこういう作品のイメージなかったから新鮮でした。

  • 偶然にもアンソロジーが続いてしまった。自分で選んでいて変だけど…(笑)
    超短編が19編といっぱいだったので、慌ただしい出張のお供にピッタリでした。
    一番のお気に入りは、中田永一さんの作品でした。
    2013/9/25読了

  • 1冊の本で19人の作家さんの作品が読めるなんて、とても贅沢な気分。
    「始まり」がテーマの短編集。

    お目当ては、万城目学さんの「魔コごろし」。
    最後まで「魔コって、どんな化け物…??」とワクワクしていたのに
    最後の1行で「そうきたか!!」と楽しませてもらいました。

  • 作家探しに短編集、と何度もチャレンジしているが、なかなか難しいものです。飛ばし読み。

  • 【お風呂のお供】
    短編→のぼせない
    アンソロジー→新しい作者開拓
    この組み合わせは、そんな本に出会うたびに繰り返しそうです。

  • 19人の作家の短編集。
    1620
    とっぴんぱらりのぷう
    はじまりのものがたり
    などなどがおもしろかったかなー

    人生 出会いと別れのくり返しだなぁ

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スタートライン―始まりをめぐる19の物語 (幻冬舎文庫)の作品紹介

彼の浮気に気づいた花嫁、急に大人になった少女、別れ話をされた女、妻を置いて旅に出た男…。何かが終わっても「始まり」は再びやってくる。「変わりたい」「やり直したい」と思った瞬間、それがあなたのスタートライン。恋の予感、家族の再生、衝撃の出会い、人生の再出発-。日常に訪れる小さな"始まり"の場面を掬った、希望に溢れる掌編集。

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