探偵ザンティピーの休暇 (幻冬舎文庫 し 27-2)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344415492

感想・レビュー・書評

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  • 大好きな小路幸也さんの本当言うことで、古本屋さんで手にした本。
    本棚にはシリーズで3作ほど並んでいたのですが、まずは一冊を。

    マンハッタンに住む私立探偵のザンディピー。
    北海道に嫁いだ妹のサンディーからの手紙で訪日。
    妹が発見した人骨。
    妹の幸せな結婚生活のため、その謎を解くザンディピー。

    前半はなかなか話が進まず、頑張って読むという感じ。
    後半、ザンディピーが本領発揮の頃、ようやく面白さを感じたのだが…
    う~ん、何故、探偵はマンハッタンに住む設定ではならなかったのか…
    と、思ってしまった。

  • ザンティピーシリーズ?で、既刊のものがあるようだが、こちらを先に読んでしまった。それでも話は全然わかるので大丈夫だった。口調を考えるとどうしても金髪を想像するのは難しい。そこだけが難点?だが、愛すべきキャラで楽しかった。既刊の作品も読みたいと思った。

  • 小路さんのこういう感じ、好きだなぁ。
    根はみんないい人で、子どもは子どもらしくて。
    あったかくなれる。

    化石にはあんまり興味ないんだけど、
    御口さんでティラノザウルスがこっちみてたら
    ビックリするわね、
    それはちょっと見てみたい。

    さて、Mr.ザンティピーは
    次も日本にやってくるのかしら。
    続きも読んでみよう。

  • 魅力的なザンティピー。『仏心』の方がしっかりしたストーリーだったように思うけど、またシリーズとして続いてほしい。

  • ★この探偵ザンティピーさまに任せておけ。(p.225)
    ▶ザンティピーのキャラを描くための物語だったのでしょう。▶寅さんが探偵やったらというお話。▶マンハッタンで探偵やってるザンティピー。▶北海道留萌に嫁いだ妹サンディに呼ばれて来日。▶サンディが見つけた骨と禁忌の砂浜と岩。▶何かが隠されている。▶楽しかったので続編も読みましょう。

    ■ザンティピーについての簡単なメモ

    【休暇 一行目】人は誰でも秘密を抱えている。

    【足砂埋/アスナズメ】お盆の最終日、砂浜に足首まで埋め太陽が沈みはじめてから完全に消えるまでの間じっとしていたら一年間はうっかり名前を言ってはいけないアレの名前を口走っても大丈夫。
    【厚田/アツタ・ヨシオ】ジュンの担任教師。郷土史家。ナイショだけどミッキーのカレシ。たぶん研究者としてタブーを侵そうとしたりするのだろう、ゼンジローに嫌われているのでナイショらしい。
    【御口/オングチ】オンジョイワにいる名前を言ってはいけないもの。妖怪の類いと思われる。目が一つしかなくて口が大きい。オングチさんを怒らせると石女になるらしい。
    【オンジョイワ】御浜から十メートルほどの海中にある岩。謂れはあるが言ってはいけないことになっている。要するに名前を言ってはいけない何かがいるということのようだ。
    【小平/オビラ】ゆーらっくの湯がある。旭川まで一時間。
    【御浜/オンハマ】崖。ゆーらっくの湯の近く。神様がおわすところなので入ってはいけない。ゼンジローが管理者の頭。
    【カサジマ・ゼンジロー】→ゼンジロー
    【カサジマ・トキ】→トキ
    【カサジマ・ミキコ】→ミッキー
    【カサジマ・ミチコ】→ミチコ
    【カサジマ・ヨシイチ】→ヨシイチ
    【カサジマ・リュウイチ/笠島隆一】→リュウイチ
    【化石】山の方で採れる。《化石と聞いて心躍らない男はいないだろう。》休暇p.104
    【カンダ・トモオ/神田智夫】自動車修理工場をやってる。リュウイチの祖父の友人。
    【聞く】《人から話を聞き出すというのは実はかなりテクニックのいる作業なのだ。》休暇p.107。探偵にも郷土史家にも必要な技術。
    【コウダ】七十代後半の老婦人。
    【サンディ】アレクサンドラ。ザンティピーの妹。ザンティピーは両親とは折り合いが悪いが妹とは仲がいい。リュウイチと結婚してゆーらっくの湯の若女将になった。
    【ザンティピー・リーブズ】主人公。愛称はティップ。身長百九十センチほど。探偵。元警官。マンハッタン在住。言語取得能力が高く会話だけなら英語、フランス語、イタリア語、ロシア語、ドイツ語、スワヒリ語、中国語、日本語は使える。ただし日本語はビジネスでは使いにくいタイプ。読み書きは苦手。大学では生物学専攻で演劇部所属。たばこはウィンストン。自分でも認めるお節介な性格。
    【ジュン】ジュンイチ・ニシザワ。小平の少年。十一歳。大人しい性格。母子家庭。絵が上手い。野球が好きで中学校では野球部に入りたい。
    【ジョン】サンティピーやサンディが子どもの頃死んだ飼い犬。
    【善二郎/ゼンジロー】笠島善二郎。リュウイチやミッキーの祖父。トキの夫。八十一歳。
    【タフ】警官や探偵は《タフでなければできないだろうと人は言うが、そうではない。タフでいられることに慣れていくのだ。》休暇p.110
    【タロウ】ゆーらっくの湯の飼い犬。北海道犬。
    【ディヴィッド・ワットマン】ザンティピーの警察での先輩。常に冷静沈着で信頼おける。雄牛と呼ばれる。息子のダニエルも警官になると言っている。最近日本食に凝っている。
    【トキ】リュウイチやミッキーの祖母。ゼンジローの妻。八十五歳。
    【日本語】ザンティピーの日本語はおおむね「寅さん」。標準的な話し方もできるがこの方が気楽なのとこういうしゃべり方だとほとんどの日本人が好意的になりフランクになってくれる。
    【バートン】ザンティピーと同じビルの六階にオフィスを借りている怪しげな貿易商で呑み仲間。
    【ハシモト】七十代後半の老婦人。
    【ボーヨーダイ】おそらく望洋台。町を一望できる。
    【マコ】マコト。小平の少女。十二歳。片親がいない。
    【ミチコ】カサジマ・ミチコ。五十歳。リュウイチの母。ヨシイチの妻。ふくよかな優しい感じの人。
    【ミッキー】カサジマ・ミキコ(笠島実希子)。リュウイチの妹。スレンダーな肢体に長い黒髪、子犬のような丸い瞳。大学の国文学教室秘書。
    【ゆーらっくの湯】サンディが女将をしている温泉宿。北海道の「ルモエ/留萌」の「オビラ/小平」にある。銭湯と宿を合わせたようなタイプだが若向けにこじゃれた感じに改装している。部屋数は十五室ほど。地元の人もよく集まる場所となっている。
    【ヨシイチ】カサジマ・ヨシイチ。リュウイチの父。ミチコの夫。小学校からの同級生だった妻のミチコと同様優しい感じの人。
    【リュウイチ/隆一】カサジマ・リュウイチ。サンディの夫。ゆーらっくの湯の三代目。調理人として修行しており持ち場は厨房。ザンティピーと同じくらいの身長。涼やかな印象。
    【レジー・ジャクソン】ザンティピーがジュンのためにホームランボールにサインをしてもらったメジャーリーガー。アニメ「侍ジャイアンツ」にもモデルになった選手が出てるくらいのスターでした。えらい大物へつながるコネがあったんやなあと。ヤンキースには1970年代に在籍してたみたいなんでこの話もその頃かと。

  • ニューヨークで私立探偵を営むザンティピー。
    日本の北海道で旅館の若女将となった妹サンディから連絡が来る。
    妹が発見した人骨の謎を地元の小学生、義理の妹とその恋人の協力を得て解き明かす。
    ザンティピーの耳は素晴らしく2、3時間話をすれば知らない外国語も話せるようになるという特殊能力を持っていて日本語は読めないけれどペラペラ。おまけに寅さんが好きで日本語の口調は寅さんと一緒といった都合の良い設定。
    寅さんの様にお調子者ではないが、人情味があり探偵は他人の秘密を暴いて収入を得るのが仕事だけれど、必要以上に暴き立て広めることは無いというスタンスで事件を解決し治めるといったお話し。

  • 面白くさらっと読めてよかった。
    探偵もの、ハードボイルド気取りだけど気障すぎず。あと男はつらいよ、が好きだったのでその感じも良く。でもそこを押しすぎない、実はふつうにも話せるという、外国人過ぎない感じも良く。

    ちょっとした非日常感の出し方がうまい人。かといってあんまり奇をてらい過ぎない、丁寧な筆がいい。
    耳がいい、という能力にも何か起こりそうでわくわくした。伏線とそうでないものの組み合わせがいいよなぁと思う。事件もそこまでこわくなくて、さらっとつながって読みやすい。この著者は2作目だが、あったかい感じがして安心して読める人だなと思う。児童書向きというかティーンズ向きの作品も上手いんじゃないかなと感じた。(もしもう書いてたら忘れてください)

  • 小路幸也の探偵ザンティピーの休暇を読みました。

    ニューヨークで探偵をしているザンティピーのもとに北海道の旅館の経営者と結婚して女将になった妹のサンディから連絡が入ります。
    地元の人が近寄らない海岸の洞窟で人骨を見つけてしまったので調べて欲しいとのことでした。

    ザンティピーは休暇を取って妹に会いに行き、海岸の洞窟の秘密をさぐるのでした。

    謎もストーリーもいまいち面白く感じませんでした。残念。

  • ありそうで無かったストーリー。北海道が舞台の割にはらしくない感じ。軽~く読めたから良いかな。

  • 流石、バンドワゴンの作者が仕掛け話です。
    主人公がニューヨークの探偵なのに!
    しゃべるのは日本語。
    しかも、覚えたのはある日本映画。

    奇妙な言葉を操る探偵が、妹の嫁ぎ先で起きた謎解きに
    挑むお話でした。

    続編あるのかなぁ。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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