無言の旅人 (幻冬舎文庫 せ 4-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 220
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344415515

感想・レビュー・書評

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  • 尊厳死をテーマにした、ずしりと思い作品。

    ある日事故に合い、意識不明となった男性の婚約者と
    その家族の気持ちがどちらも痛切に描かれています。
    家族やパートナーと共有して尊厳死について話し合うよいきっかけとなる一冊。

    私自身もまだ答えは出ないけど、頭の片隅で考えるテーマの1つとなりました。

    自分の大事な人に、読んでほしいです。

  • 尊厳死のあり方をあらためて考える良い小説だと思います。

  • 尊厳死の定義が曖昧な気がする。

  • 尊厳死。いろんな意味で考えさせられた。登場する女性たちにもそれぞれ共感できる部分があった。自分目線だけでなく、いろんな目線を知ることの大切さも感じられた。

  • 尊厳死がメインなのか、推理がメインなのか。テーマがおもすぎるのではないか?途中までその手の話かと思ったら、半分過ぎてがようやく推理が始まったという感じだった。視点がコロコロ変わるのもあって、読み疲れて斜めで終了。

  • 交通事故で意識不明になった三島耕一。尊厳死の要望書が用意してあった。結婚を目前にしていた公子や耕一の父、母、妹はそれぞれの立場で苦悩の日を送る。前半はその心の乱れが描かれ、やっと決断を下した後は一気にミステリーになっていく。

  • 尊厳死とはなにか、家族にどうやって納得してもらえるのか。深いテーマである。ミステリー仕立てにもしてある。

  • 尊厳死について考えさせられる小説です。

    私は、延命治療にしろ臓器提供にしろ、
    自分のことは家族がどう思おうと、
    自分の意思で決めるべきだと思っていました。

    1人の死を巡って、母親、父親、妹、婚約者、患者に関わる医師や看護師、
    違う立場に立つ1人1人が違う考えを持つ。
    医師の間でさえ考えが分かれる。
    それでも結論を一つに絞らなければならないということは
    とても辛いことだと思いました。

    考えて、悩んで、葛藤して、話し合って、泣いて、
    そうして結論を出して、残りの時間を大切に大切に過ごそうとした矢先に
    起きた悲しい事件には私も唖然となりました。

    いつ何が起こるかわからない。
    過去に病気に罹り、そう実感していた耕一さんが
    自分の考えが変わったことを話す前に事故に遭ってしまったことに
    やり切れなさを覚えます。それとも、事故にでも遭うかもしれないと
    思ったから、メールで途中まででも気持ちを書いていたのでしょうか。

    「誰かのために、意識がない状態で力尽きるまで生き続けた後、
    死ぬことも、同様に尊い死のあり方と言えるのではないでしょうか。」
    最後には、この言葉に共感できました。

  • bookcrossingで偶然手元に舞い込んできた本。

    尊厳死、という今まで考えたことのないテーマで、
    すごく考えさせられた。

    最近更新した免許には、脳死のときの意思表示欄があったけど、
    よくよく周りの人と話をして書かないといけないなぁと思った。
    実際自分がその状況に陥らないと考えにくいことかもしれないけど、
    渦中では冷静な判断は難しいに違いない。
    だから、普段のときに考えておくことが大事なんだろうと思った。

    家族、医療関係者、遺族・・・いろんな立場が率直に、嫌味なく描かれていて現実感があった。

    公子の「大事な人に大事なことを打ち明けてもらえていなかった、信頼されていなかった」という絶望感には大いに共感した。
    最後の章は救いがあってよかった。

  • 人物設定が不安定。シーンごとの語る言葉に人物の一貫性がない。そのため、小節ごとのつながりに親和性がない。読者としては物語の展開に意外性ではなく、不安を覚える。

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著者プロフィール

せんかわ・たまき
1968年東京都生まれ。大阪大学大学院医学系研究科修士課程修了。大手新聞社在籍中の2002年に書いた小説『感染』が第1回小学館文庫小説賞を受賞し、作家デビュー。その後執筆活動に専念し、医療問題を中心に社会性と娯楽性を兼ね備えた作品を発表する。著書には『転生』『繁殖』『誤飲』『疑医』『鬼嵐』などがある。本作は『幸福の劇薬』に続く「医者探偵・宇賀神晃」シリーズ第二弾!

「2020年 『偽装診療 医者探偵・宇賀神晃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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