収穫祭 上 (幻冬舎文庫 に 8-6)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 320
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  • Amazon.co.jp ・本 (598ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344415553

感想・レビュー・書評

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  • 1982年夏。嵐で橋が流れ孤立した首尾木村で大量殺人が発生。被害者十四名のうち十一人が喉を鎌で掻き切られていた。生き残りはブキ、カンチ、マユちゃんの中学生三人と教諭一人。多くの謎を残しつつも警察は犯行後に逃走し事故死した外国人を犯人と断定。九年後、ある記者が事件を再取材するや、またも猟奇殺人が起こる。凶器は、鎌だった。
    上巻では推理小説なのかと読んでいたところ、エログロかホラーかとジャンルがことごとく変わり、何なんだこれはと衝撃を受ける。そして中だるみかという時に事件が発生する。うまいと感じる。現時点ではタイトルの意味がおぼろげながらしかわからない。また、合っているのかどうかも不明だ。

  • 最初、何だかうだつのあがらない日常風景の描写に、いまひとつのめり込めない自分がいたけど、大雨が降って不穏な空気の村に帰ってきてみたら、ってところからの惨殺に次ぐ惨殺はかなりの緊張感。それだけでひとつの物語が出来上がるのに、まだ一章(とはいえ300ページ)。で、読んできた内容とは異なる解決が提示され、9年後の第二章へ。ここでもまた、簡単に真実が明かされる訳でなく、生き残ったうちの一人の目線で、何となく9年前の事件と関係あるようなないような日常が物語られる。そしてまた、この章の最後でも意外な結末が… ってか、重要人物かと思ってたのがあっけなく死んじゃったりで、いまだに物語の行く末が見えてこん。それこそ読む醍醐味だけど、気になって仕方ないのです。

  • 下巻を読む前にとりあえず上巻の感想。事件の凄惨さはあらすじで読む前からネタバレしているのだけど、それにしても相当インパクトのある事件。子供たちが次々に自分の家族の死体を発見していき、まだその場にいるかもしれない殺人鬼に怯える様子は緊迫感がある。と、あからさまに怪しい人物が登場し、事件編は終了。生き残った子供の一人、マユちゃんが大人になり、再び事件と向き合う話に切り替わる。ラストは何ともいえない驚き。彼女は今後どうなるのか、そして事件の真相はどのようなものなのか、まったく予想できないままに下巻に突入。

  • 5,6世帯しかない町外れの村?集落で大虐殺が起きる・・・この設定はありがち(というかある作品のオマージュ?)なのだけど,生き残ったのが中学3年の少年少女たち,収穫際の意味は最後にわかる。

    時間の経過で3部くらいに分けられるかな
    1部は事件発生
    2部は大人になった(20過ぎ)彼らの人生の前に再び事件の謎が迫る
    3部は更に10年が経ち・・・事件の謎解明

    1部で謎を解く条件は全て揃っていると言ってもいい,多分,地道に読み解けば犯人の目星はつけられる。
    2部での洞察とか新事実とかで決定的になるっていうのが本来の筋かも。
    でも謎解きがしたくて読むのではなく,物語として,情景が浮かぶままに読み進めたい私は,謎は謎のまま,先へ先へと読ませられてしまうのでした。そして最後は全てがすっきり。少なくとも私がひっかっかってたことはほぼ説明がつけられている。
    買ったその日に上下巻読んじゃったほど,面白かったです。
    でも死体描写や性表現が苦手な人は微妙になるかな・・・,という感じ。

  • 八つ墓村チックなのはいいんだけど長い。これまだやるの?感。あと女がすぐ寝る。すぐベッド行こうとするじゃん。描写をちょっとぼかそうとしてるのが途中から笑えてきた。

  • 記録

  • 村の住民を皆殺し、と言う津山事件を現代に移し替えたような事件から物語が始まる。
    伏線があちこちにあるのは分かるが、話がダラダラと長く飽きてくる。
    一方で意味のない殺人描写にポルノまがいのエロチックなシーンも描写が古臭くて退屈。
    ヒロインを含めどのキャラも精彩がないので、意外性のある展開のはずなのに、物語に乗り切れない。
    後半の展開に期待。

  • 3

  • これはいらないんじゃない?もっと簡潔にしたらいいのになぁ、、、と思った描写がいくつかありました
    ところどころの性描写は不快だった

  • 凄惨な事件から、まさかのハードボイルド展開…下巻に期待が高まる

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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