死刑基準 (幻冬舎文庫 か 33-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 108
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (417ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344415737

作品紹介・あらすじ

弁護士・大伴の妻が自宅で強姦され刃物によって殺害された。やがて逮捕された男は強姦は認めたものの殺人は頑強に否認する。しかし検察は「死刑」を求刑。虚言か冤罪か。大伴の親友でありながら被告の弁護についた新人弁護士・水戸が法廷で見た真実とは…。我々は何を根拠に命を裁けばいいのか?現役弁護士が放つ衝撃のリーガル・サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 死刑は廃止か、存置か、というタイトル。死刑判決の是非を問うような内容もある。しかし、それより真犯人は誰なのか?まさかのどんでん返し、優れたリーガルミステリーである。410ページ、あっという間に読破。面白かった。

  • すっごく難しい問題。
    読む前は、絶対に死刑はあるべきだと思ってた。
    でも、この本を読んで…どうしたら良いのかと本気で悩んだ。
    絶対に冤罪のない世界を作ってくれるなら死刑はいるけど、今のくずみたいな警察や検察や政府の中での死刑制度は怖すぎる。
    ずっと悩みながら読んだ本だった。

  • 弁護士の妻が殺された事件の裁判のお話
    語りはその弁護士の友人、水戸さん
    犯人はすぐ捕まったが殺人は否認
    そのために裁判は長引いていた
    裁判の経過も楽しめましたし
    事件の結末にもおどろきました

  • 2019.11.24-271

  • 弁護士でもある著者。経営コンサルタントの書くビジネスストーリーよりは「小説」になっているけれども、それでも展開の安易さというかシロウト臭さはぬぐえず。

    自分も裁判は経験があるので(民事だけど)ところどころ「あるある」と実感できる箇所はある。弁護士を立てて何度か訴訟相手とやりとりしているうちに、いつの間にか事案は自分の手を離れて弁護士同士が対決しているような構図になる。「訴訟に勝つ」ために当事者が本意ではないことを主張することを弁護士は屁とも思わない。自分の裁判なのに、なんだか弁論大会の観客になったような気分であった。特に死刑がかかっていたり、あるいは国を相手取った訴訟になると弁護士が妙な思想を持っていて、それをアピールするために裁判が利用されることすらある。他人の人生を何だと思ってるのか。とても尊敬に値するものでないというのが私の弁護士観である。

    どうでもいいが著者もまた弁護士会から懲戒を受けた「前科」アリ。最後まで真犯人は分からない展開ではあるが、「弁護士(著者)は誰が嫌いだろう?」と考えつつ読むとある程度の予想はつく。

  • 加茂さんは職業作家ではない。
    だからなのか、ストーリーの進め方や構成がいま一つに感じてしまった。
    法廷の場面はそれなりに緊迫感があって、面白かった。
    ミステリーとして書かれているので仕方がないかもしれないけれど、もう少し「死刑制度」に踏み込んだ内容を想像していたので、その点はちょっと残念だったかも。
    事件そのものが猟奇的で十分に目を引くものだったけれど、その後の展開が・・・。
    「これって物語に必要??」と感じる記述も多く、もっと絞り込んだほうが内容的にも読みやすかったように思った。
    結末には「なるほど」と思うところもあり、動機がややありきたりだったけれど面白かった。
    純粋に人を愛しただけの人間が道化師の役回りをさせられていたところは、生理的にちょっとイヤだったかも。

  • 読み物として、面白かったです。

  • 死刑制度や被害者遺族の問題が取り扱われており、非常に重厚なお話です。
    ストーリーとしては、少々「現実的」過ぎたかな、と感じました。話の実現性という問題ではなく、読者を引き込む程の独創性、つまり登場人物や設定にあまり魅力を持てませんでした。ただ、「現実的」な物語ですので、ドキュメンタリーのように感情移入は出来ました。
    ドラマ化もされたようですので、先にそちらを視聴してから読んでみても良いと思われます。

  • WOWOWのドラマで観ました。死刑制度は存続させるべきか、なくすべきか考えさせられました。

  • 死刑擁護論か、死刑廃止論か、重たいテーマだけど、情報量が多すぎて、ストーリーに集中できなかった。

  • 弁護士の妻が強姦され残虐な殺され方をした。容疑者の動機はその息子を殺害された裁判で犯人が死刑になるのを妨げた弁護士に対する逆恨みだったのか?死刑廃止論だった弁護士が一転して死刑擁護論に。

    死刑は「是」か「非」か。「是」であったとしても、その判断基準は?答えの出ない問題ですね。

    司法の良心的なシーンがあちこちちりばめられてはいるけど都合が良すぎないかとか、推理小説としての犯人探しもいまひとつ没頭できなかったし、結末も意外というほどではなかったなど、どれもこれも中途半端であったなぁ・・・の感。


    (2011/4/4)

  • 110108 なんか登場人物や設定に魅力が無い

  • 気が滅入る・・・

  • タイムリーと言う以外で評価されるか

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著者プロフィール

●著者紹介
加茂隆康(かも・たかやす)弁護士・作家。2008年リーガル・サスペンス『死刑基準』(幻冬舎文庫)で作家デビュー。他に『審理炎上』(幻冬舎文庫)、エッセイ集『弁護士カモ君のちょっと休廷』(角川書店)、同『弁護士カモ君の事件グルメ』(ぎょうせい)、新書は『交通事故賠償』(中公新書)、『交通事故紛争』(文春新書)、『自動車保険金は出ないのがフツー』(幻冬舎新書)などある。デビュー作『死刑基準』は、2011年、WOWOWでドラマ化され、東映ビデオよりDVDとしてリリースされた。『審理炎上』は、ブックファーストの2016年「絶対読得宣言!」のイチオシ本「PUSH!1st.」に選定された。東京・汐留で加茂隆康法律事務所を経営。交通事故の専門家として、テレビ、ラジオの報道番組にたびたび出演、新聞でのコメントも多い。一方、刑事事件にも情熱を注ぎ、これまでに、強盗殺人や放火の事件など、100件近い弁護を手がける。


「2022年 『密告の件、Mへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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