- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344416178
感想・レビュー・書評
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恋愛にまつわる37のショートストーリーに短歌を添えた作品。
恋愛のちょっとした場面を上手に切り取った作品でした。私は【ただいま】で描かれていた、近すぎていて大切なモノが見えなくなっていた…という話しと、【地下鉄にのって】で描かれていた、結婚はゴールではない…というくだりが好きでした。ショートストーリーなのでさくさく読めますが、深さもあり楽しめました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
特に好きな短編は【酢豚】【ただいま】【憧れ】です!どの短歌も好きだけど、1番好きな短歌を紹介します!
話したいことがたくさん残ってる
中華料理で何が好きとか
短編【酢豚】に添えられた短歌です。
この小説はショートストーリーがあって、それに添えられる短歌という構成なのですが、逆読みしても楽しそう!と思いました。まず短歌を読んでその背景を想像して、ショートストーリーを読む!2度楽しめる小説集です!!!
本編はもちろん、加藤千恵さんのあとがきも好きでした。
まっすぐに歩いてきたはずだったのに、振り返って確認すると、直線だと思っていた道は、ゆるやかなカーブだった。(あとがきより)
元々単行本発売時は「ゆるいカーブ」というタイトルだったそう。納得しました。正直、ゆるいカーブの方が好きだけど、振り返ってみると「真夜中の果物」もしっくり来ます。
ゆるいカーブって表現好きすぎます!
まだまだ加藤千恵さんの本が読みたくなりました! -
好きな歌人、加藤千恵さんの恋愛小説。37のショートストリーの後には短歌が一つ。でも、内容を知りすぎてしまって丸裸に、短歌の余韻が無くて、なぜか演歌の歌みたいに聞こえてしまう。同じ歌でも、「桜前線開架宣言」でその歌そのものを味わった時と印象が違うのは・・怖いですね。
短歌の深淵があらわになってますな。 -
恋愛のワンシーンと、最後に短歌が添えられるショートストーリー集
著者の小説デビュー作「ゆるいカーブ」に加筆、改題して文庫化された作品
全37篇の掌編を収録
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久しぶりに再会した元彼と飲むビールの味、男友達と初めて寝てしまった夜の記憶、不倫相手が帰っていった早朝の電車の音…。まっすぐ進まない恋をしている人にだけ見える景色がある。せつない記憶を切り取った三十七のショートストーリーに短歌を添えて贈る、『ハニービターハニー』の原点。甘くて苦い恋を描く、人気歌人の処女小説集
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フルーツを恋愛に例えているのかな?
時には甘く、時には酸っぱく
香りも甘美ではあるが儚い感じが
私の好きなストーリーは「カシスオレンジ」
好きだった気持ち
現在とのギャップ
そして、以前好きだったという気持ちに思いを馳せるのがよい
短歌だけで選ぶなら「傷」が一番自分に近い経験でしょうか
ショートストーリーのシチュエーションはまったく関係ないけどね
私の場合は物理的な傷ではなく心理的な傷
傷つけられたと思っているけど、実際には相手も傷ついていたり
男女の別れなんてそんなもんですよねー
シチュエーション的に好きなのは「憧れ」
女性同士の集まりと関係性
柚木麻子さんの小説「あまからカルテット」のような雰囲気を感じる
「二冊」なんかも好き
同じ本が二冊あるシチューエーション
元彼の置いていったボロボロの「キッチン」
ってか、「キッチン」をそこまで読み込む男って……
「CO2」もなかなかよい
恋愛における、付き合う相手からの影響と、別れた後の切り替えが面白い
収録作は以下の通り
よく晴れた日に
まるわかり
二冊
酢豚
ただいま
一目惚れ
三年半ぶり
桜の季節
綺麗なだけ
からっぽの部屋
コーヒー
沈黙
距離感
非・寿
地下鉄に乗って
行ったことのないベトナム
恋よりも
テレビ
男友だち
二人の男
憧れ
電車の音
彼女からの電話
話さなかったこと
カシスオレンジ
あたしの好きな男
駆け落ち
傷
手紙
薄明かり
想像力が足りない
Co2
遠い夜
しらっちと桐子とわたし
クリスマス
キムチ鍋
路上教習 -
せつない記憶を切り取った37のショートストーリーに短歌を添えた一冊。
特別な日とかじゃなくて日常を切り取ったみたいなそんな日、女の子なら 絶対 誰かには 共感できるんじゃないかな~と思う。なんか切なったり、共感したり、この最後の短歌がすごい、たった数行の言葉のチョイスが最高すぎる!色々あったけど「ただいま」が特に好きでした!
あと「話したいことがたくさん残ってる、中華料理で何が好きとか」この言葉も好きなんよなあ -
失恋後に読むと刺さる。「二冊」の文章が好き
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学生に薦められて、しかも貸してもらって読んだー。よかった!ほんとに短いけど、ぶつ切りにはなってないし、リアルだけど安っぽくはなってない。
大作とか呼ばれるものではないんだけど、こういう気持ちを拾い上げるのが上手いのは間違いなくひとつの才能だよねえ。薦めてくれた子は「テレビ」、わたしは「桜の季節」を自分に重ねて読んじゃった。登場人物の名前変えたら本気で自分の話だと思えちゃうくらい。
始まりから運命的なわけじゃない、けれどどうしようもなく、心はうごく。中途半端だったり、しょうもなかったりしても。 -
何だろう、このフンワリとした温かさ(*'ω'*)
切ないのに心がジワリと温かくなるのは、主人公達の前向きな心のおかげかな?
彼女たちは、これからもゆるいカーブを曲がりながらも前へ前へと進んで色んな景色を見つけていくんやろうなぁ(*ノωノ)
☆よく晴れた日に
☆まるわかり
☆二冊
☆酢豚
☆ただいま
☆一目惚れ
☆三年半ぶり
☆桜の季節
☆綺麗なだけ
☆からっぽの部屋
☆コーヒー
☆沈黙
☆距離感
☆非・寿
☆地下鉄に乗って
☆行ったことのないベトナム
☆恋よりも
☆テレビ
☆男友だち
☆二人の男
☆憧れ
☆電車の音
☆彼女からの電話
☆話さなかったこと
☆カシスオレンジ
☆あたしの好きな男
☆駆け落ち
☆傷
☆手紙
☆薄明かり
☆想像力が足りない
☆Co2
☆遠い夜
☆しらっちと桐子とわたし
☆クリスマス
☆キムチ鍋
☆路上教習 -
短編集。
いつものように短歌が添えられています。
加藤さんの書く人物や情景は、
気取ってなくて本当に友達の話を聞いているかのよう。感情移入もしやすい。
選んだようで選んでない。
どっちのほうにも進める。
物語のラストが本当の終わりじゃなくて
彼女たちの日常は続いていくって感じられます。
通勤時間にさらっと読めました。