フットボールの犬 (幻冬舎文庫)

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著者 : 宇都宮徹壱
  • 幻冬舎 (2011年11月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344417649

フットボールの犬 (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 1999年から2009年までの10年、サッカーを求めて欧州を流離った記録。
    イタリア、オランダから、フェロー諸島、マルタなど、、規模を問わず。

    ここにはサッカーすべてへの「愛」がつまっています、
    すべてとは、、プレイだけではなく、選手だけではなく、

    サッカーをとりまく、文字通りの「すべて」。

    それだけに、政治的な背景や金銭、宗教等々、いろいろと生臭く感じる部分も多く、
    受け取る人によっては、「雑音」としか思えない部分もあると思います。

    個人的には相変わらずに面白く読めました。
    これは、人間と結びついたサッカーを追いかけているからと思います。

    久々の再読でしたが、染み入ってくるものがあるのは、、
    やはり人生の岐路を見つめようとしているからかも、知れません。

    文章でではなく、総体として忘れられない色を与えてくれる、そんな一冊。

  • 少し前に必要があってたくさん読んでいた犬の本のうちの1冊。

    ではない。いやそうかもしれない。

    J2や天皇杯などを精力的に追っかけるこの著者の取材姿勢がぼくは大変好きで(自分が弱小クラブのサポーターであるからかもしれないが)、ずっとこの人の文章をweb上などで読んできた。

    その氏の原点と言える東欧のサッカー事情をはじめとした、ヨーロッパの「あらゆるところ」のサッカーについて描かれた本。どんなところでもサッカーは存在しており、そして続いている、そういうヨーロッパの現状はいつか日本のスタンダードになると信じているから、わたしは地元のクラブを応援するのだ、とまた自分の話をしてしまっている。なにが言いたいんだか。

  • サッカーライターである宇都宮徹壱さんのヨーロッパ観戦記。

    日本にJが誕生したのが19年前、社会人リーグが誕生したのが47年前らしいので100年以上も続くヨーロッパのフットボールの歴史に比べたらちっぽけなものなんだなぁと感じた。先日、松田直樹氏の死去に日本中が(少なくとも俺は)震撼しましたが「それって誰?」という人もいるし、「そんなに騒ぐことか」と疑問に思う人も周りにはいた。そこで俺が感じたのは「そうだよな…まだカズも釜本も死んでないんだよな」という歴史の浅さだった。欧州の国々ではすでに英雄が死去し、朽ち果てたスタジアムがある。そんな国々に比べたら日本はまだまだサッカー後進国であるし、人々の生活に根付いていないのも当然のこと。

    宗教やテロリズム、民族意識に疎い(良く言えば縁遠い)日本のサッカーが短期間に進歩を続けるのは間違いなく尽力する関係者各位の功績である。「100年構想」を掲げる一方、クラブライセンス制度を厳格化したJの未来を想像せずにはいられない一冊だった。

  • ユーゴ空爆が決定した直後のユーゴ代表戦取材から、デンマーク領フェロー諸島、バルト3国のフットボール事情まで、幅広くも細かいところを突いてくるヨーロピアン・フットボールのレポート。

    「政治とスポーツは分けるべき」という言葉があるけれど、それを字面どおりに実行することはとても難しいのが、このレポートを読んでよくわかります。政治上はまったく問題が生じてないはずなのに、占領・分断の歴史や宗教対立が根深くて、スタジアムにブーイングの嵐が吹き荒れる対戦は多い。日本ではとりあえず、アウェイのサポーターがびくびくしながらスタジアムを出入りすることはない(と思う)し、その土地の背負った背景を気にしなくても、「ゲームのスタイルが好き」という理由でチームを応援することができる。そういうふうに、ある意味気楽だから、この本は楽しめるのかも。世界的には、「どうしてそんなことも考えずにゲームを見に行けるの!」という非難が飛んでくるのがスタンダードなわけですから(もちろん、非常にクリーンな観戦カルチャーの国もあります、念のため)。

    アフリカ系ポーランド人として生きる道を選んだ選手や、オランダ・アヤックスの育成方針といった「国籍を越える」問題、旧東独の選手のプレイに対する誇りなど、ニッチなフットボール事情にいろいろ考えることも多かったのですが、個人的に嫌な気分にさせられたのは、シチリアの「沈黙の掟」。スタジアムで本来問題になるべきは勝敗のみだと思うんだけど、そこで起こった不祥事(死者あり)は次元が違うので、騒ぎを沈黙で消しても、何の解決にもならないと思う。この「掟」は歴史的には、自己防衛と誇りの問題だったろうとは思うけど、結局のところ、復讐への恐れと保身のためだと思う。何でもオープンにするのがいいとは言わないものの、隠すだけでは何も前に進まないと思うのは浅はかなんだろうか…とぬるいフットボール好きの私としては、ページをめくる手を止めてぼんやり思ったりしました。

    10年近く前から書き起こされたレポートなので、当時のスター、または伸び盛りの若手スター候補だった選手たちの名に懐かしさを覚えます。現在ではとうに引退していたり、ピークを過ぎていたりするのは仕方ないことながらも、ちょっと寂しさもあるよね・・・と読了。レポートに必要な要素はすべて盛り込まれているので、飽きずに楽しく読めるんですけど、「―犬」というタイトルに屈折したプライドが見えるような気もするし、ナルシストな空気が鼻についたりするんですよね。もう少しそのあたりが乾いた感じに仕上がっていたほうが、私は好きかも。で、この☆の数です。

  • サッカーの本流ではなく、支流にスポットをあてるニッチな写真家、宇都宮氏が今回取り上げているのは、ヨーロッパ。
    当然取り上げられるのは、セリエAでもリーガ・エスパニョーラでもプレミアリーグでもなく、サッカーに精通している人でも、その国の代表選手の名を数名知っている程度の国々ばかり。
    けれど、ヨーロッパサッカーの本流になれない国ですら、生活の中にサッカーが根付いている姿に、ヨーロッパサッカーの強さの一因を垣間見たように思います。

  • ・フットボールを主軸に日本では語られないヨーロッパを紹介。
    ・人と歴史と文化と色々なものが入り交じる風景で、フットボールはどのような存在なのかがわかる。
    ・サッカーを知らなくても、も紀行やノンフィクション好きなら楽しく読める。

  • 以前に単行本版を読んでた。
    http://booklog.jp/users/everydaysunday/archives/1/4809408337

    ---
    米原万里の本を読んで、なんとなく東欧(特にユーゴ)のあたりを読み返したくなったので、文庫版を購入。

    ・ボスマン判決(p127)
      *1995年12月に欧州司法裁判所で出された判決で、ヨーロッパ連合(EU)に加盟する国(2004年5月1日現在で25カ国)の国籍を持つプロサッカー選手が以前所属したクラブとの契約を完了した場合、EU域内の他クラブチームへの移籍を自由化(つまり契約が完了した後はクラブが選手の所有権を主張できない)したもの。また、EU域内のクラブチームは、EU加盟国籍を持つ選手を外国籍扱いにできないとした。(wikipedia)

  • “フットボールに歴史があるうように、歴史にはフットボールがある。だから、歴史抜きでフットボールを語るわけにはいかない”ー本書、解説より抜粋ー
    まさに、その通りだ。そして、それを知るためにはうってつけの本。
    著者が、本場イタリアから辺境のフェロー諸島まで、欧州16ヶ国を10年の間に、実際に巡って綴った一冊。
    フットボールが好きなら、読んで損はない。
    ただし、フットボール以外の話にこそが醍醐味であるのが、この本であることを了承したうえで。

  • 宇都宮さんも最近毀誉褒貶の多い方だが、野望に燃えていた時代のルポは素晴らしい。
    なんといっても、他の人が行かない、体験できないところでのサッカーレポートは貴重。
    この本でなければ知りえない情報も多いので、サッカーファンなら読んでおくべきかと。

  • サッカーのアウエー試合を応援に行く飛行機の中で読みました。
    読み進むうちに引き込まれて、ヨーロッパの知らない国、どちらかというとマイナーな国々の古びたスタジアムの光景が目に浮かんできて、イメージが頭の中いっぱいに浮かんできました。北アイルランドのスタジアム、東欧のスタジアム、引退したGK。

    アイルランドのエピソードはサッカーと宗教や政治がいやおうにも切り離せないものだと思い知らされます。

    クロアチアの章ではいきなりモドリッチとクラニチャルのエピソードが出てきました。(これどこかで読んだことがあった・・・)

    サッカー好きなので、試合の中身の話ももちろん好きですが、宇都宮さんのこの作品は試合ではなく、サッカーをとりまく様々な背景をご本人の視点と感覚で描いたもの。ゲームの世界では絶対味わえない血や肉を感じさせてくれるすぐれたサッカー紀行でした。現場主義の私はこういう作品、好きです。

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