第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)

  • 5073人登録
  • 4.12評価
    • (711)
    • (822)
    • (377)
    • (40)
    • (9)
  • 936レビュー
著者 : 又吉直樹
  • 幻冬舎 (2011年11月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344417694

第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 「容姿にも体力にも自身がない奴がモテるための最後の手段を教えます。本を読むことです。騙されたと思ってやってごらんなさい」
    高校生の頃、英語担当のおじいちゃん先生がこう言いました。単純な僕は、勧められたディケンズの『クリスマス・カロル』を皮切りに本を読むようになりました。その後、少しはモテるようになった...気がします。

    おそらく今、日本で『モテる男、裏ランキング』を採ったらかなり上位に食い込むであろう男、ピース又吉がナビゲートするブックガイド。
    ネタバレせずに本を読みたくさせるその文才に驚きます。
    面白可笑しく、時に切なく。特に、古井由吉の『杳子』の紹介では不覚にも涙をこぼしてしまいました。もしこれが実話ならば名エッセイスト、虚構であったとしても短編小説の名手です。

    映画や音楽に比べて、ともすれば偉そうになりがちな文芸の世界。それを偉ぶらず謙虚な姿勢で、まさに『第2図書係補佐』というスタンスで案内してくれる又吉氏は最高にカッコイイ。

    そういえば、おじいちゃん先生はこうも言っていました。
    「でも、本で得た知識はけっしてひけらかしてはいけません。そういう奴が一番嫌われます」

  • 数年前のキングオブコント決勝でピースが演じたコント、「ハンサム男爵と化け物」。

    なんとも言えず頼りなくて、全身から「生まれてきてすみません」オーラを放っていた
    化け物役の又吉さんに、娘と一緒に大笑いしたのですが、あの「すみません」オーラが
    図書係なのに「第2」で、しかも「補佐」というタイトルにも漂っているのが素敵♪

    いつもブクログのレビューを書きながら
    あ~あ、もしかしたら、まだこの本を読んでない人も読むかもしれないのに
    また結末が予想できるような書き方をしちゃった。。。
    と、罪の意識に打ちひしがれるのですが

    あらすじや細部に一切触れず、自分の思い出話や失敗談を綴ることで
    その本の印象を鮮やかに描き出す、又吉さんの手腕の見事なこと!
    なんとまあ、うらやましい♪

    私とは読書傾向がかなり違うのだけれど、魅力的なエッセイにつられて
    ついつい読んでみたくなってしまいます。

    教科書の後ろの便覧から読書の幅を拡げたという
    ユニークな文学青年、又吉さん。
    エッセイとしても、ブックガイドとしても存分に楽しめる、
    さすがたくさんのブクログ仲間さんが「おすすめ!」と断言する本でした。

  •  ピース又吉さんといえば、本。相当な読書家として知られる又吉さんが、生活の傍らにある本と、自分の回想をつらねた作品。
     書評かなと思って読んでみたけど、ただの書評ではありませんでした。さすが、そこはお笑い芸人さん。自分の過去の出来事、吉本の芸人さんとのできごとなどを、本を絡めて描いている作品でした。
     パンサー向井とのやり取りとか、もう大爆笑。「ドラゴンボールで言うところの天津飯の横で浮いてる餃子(チャオズ)レベルや」というせりふを、
    向井は全力で「「テンシンハンの横で浮いてるギョウザリョウリや」とよむ。やー笑った。

     しかし、笑だけではすまないのがこの作品。本読みの又吉さんの、本を読む描写は、本当に共感。もってくれもっとくれと指はページをめくる。私も一緒だ。
     日常を生きていて、こんなにドキドキしたりワクワクしたり、泣いたり笑ったりしないもの。生きているだけではそうそう簡単に得られない情動を、本はいとも簡単に私に与える。私が欲しいといえば、欲しいだけ、本は私に与えてくれる。

     「読書という趣味を見つけたことにより、僕の人生から退屈という概念が消えました」
     ああ、又吉さん。本当にそのとおり。本が好きな限り、私にも退屈、ヒマなんてものは存在しない。
     作家の皆様、書店員の皆様、本当にありがとうございます!!!

  • 面白かったぁ!
    職場でお昼休みに読んでいて、久しぶりに笑ってしまった。
    あぁ…あやしい人だ。

    又吉さんを全く知らなかったら、この本から私はいったいどんな人を想像しただろう?
    ものすごく魅力的な人だと興奮していたような気がしている。
    ちょっと惜しかったなと思うのは失礼なことだろうか。
    もちろん又吉さんがとても魅力的な人なのは間違いないのたけど。

    本を読んでいる時、突然過去の自分が思い出されたり、逆にやたら感動した時に以前に読んだ本の一場面や一節が浮かんできたりする瞬間がある。
    この本には又吉さんのそんな瞬間が書かれている。
    あの本とこの記憶が結びつくのかぁ…ととても興味深かった。
    すごく個人的な感覚なんだな…と改めて思う。
    本当に面白い。

    そして、何よりも文章がすごく心地良い。
    痛かったり恥ずかしかったりする記憶も、「痛かった」「恥ずかしかった」と力まず言ってしまえば、もう痛くないし恥ずかしくない。
    それがこの本の心地よさの理由じゃないかな。

  • 普段は眼鏡をかけず、裸眼でいますが若干乱視です。「ピース」のことはしばらくの間、犬吉さんと綾部さんのコンビだと思い込んでいました。犬吉、変わった苗字だなぁ…とよくよく見直したら又吉さんでした。

    そんな又吉さんの、本への想いがたくさん詰まった本紹介エッセイ。
    国文学専攻だったので純文学は講義で仕方なく読まされたものの、いまいち合わずにしまい込んでいたのですが、この機に読み直そうかな。

    その風貌から殺し屋だの死神だの、陰気なキャラ付けをされる又吉さんですが、エピソードがいちいちシュールで不器用で励ましたくなりました。寝屋川出身だし。頑張れ、マッタン!

    尾崎放哉全句集、昔日の客、杏子、炎上する君、万延元年のフットボール、赤目四十八瀧心中未遂、サッカーという名の神様、何もかも憂鬱な夜に、世界音痴、エロ事師たち、親友交歓、月の砂漠をさばさばと、高円寺純情商店街、巷説百物語、告白、江戸川乱歩傑作選、蛍川・泥の川、中陰の花、香水、イチシエーション・ラブ、山月記、コインロッカー・ベイビーズ、銃、あらゆる場所に花束が…、人間コク宝、アラビアの夜の種族、世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド、銀河鉄道の夜、逃亡くそたわけ、四十日と四十夜のメルヘン、人間失格、異邦の騎士、リンダリンダラバーソール、変身、笙野頼子三冠小説集、ジョン・レノン対火星人、夜は短し歩けよ乙女、袋小路の男、パンク侍 斬られて候、異邦人、深い河、キッチン、わたしたちに許された特別な時間の終わり、友達、渋谷ルシファー、宇田川心中。

    中村文則さんとの対談も収録されています。

  • 面白かった~。
    真夜中に吹き出しながら読んだり、「あ、この本読みたい!」と感じたり読んで良かったと思いました。

    人柄っていうのかな・・・本当に本、読書が好きなんだなぁ~と愛情がじんじんと伝わってきました♪

    レビューは優しい思いやりにあふれていてますます又吉さんが好きになった。

    真夜中に京極さんのレビューにさしかかりちょっとビビりながら読んだら金縛り→巨大●●ちゃんが本棚に…で、1分くらい布団の中で悶えてしました~。腹筋が攣る。
    久しぶりに笑った気がした。かなり救われた。

    ある意味本当に怖いけど、こんな金縛りなら私も金縛り中に好奇心に負けて目を開けて見れば良かったかな、と思ったりしました。

    私も同じく、暗黒をノートに書きなぐっていたし今だって決して明るい人間とは言えない。又吉さんは本に救われたと書いていた、私もたくさんの本に癒されて救われてきた。今は又吉さんの、この本に救われているような気がする。。。心の支えかも。これはお気に入り本棚に仲間入りの一冊です♪


    ・何もかも憂鬱な夜に
    ・ヴィヨンの妻
    ・巷説百物語
    ・リンダリンダラバーソウル
    ・宇田川心中

    ↑読んでみたい。

  • ずっと読みたかった本。
    でも近所の図書館になくって、買いました。古本屋で。
    又吉さん、ごめんなさい。
    でもきっと古本屋好きの又吉さんなら許してくれるでしょう。
    どの本も、又吉さんの人生や環境なんかをもじって紹介されてて、
    凄く面白かった。
    読みたい本も増えました。

  • 『まさかジープで来るとは』のタイトルが結構好きだったけど、読んだことはなかった、ピース又吉さんのご本。

    ぱっと開いて目次に並べられた本のタイトルを見て、「ああ、この人は本を読むのに慣れているかただ」というのが第一印象。通ぶってるわけでもないし、「お笑い芸人さんに、易しい本からムズカシー本まで、新旧とり混ぜて読んでもらいました」と、企画で押しつけられた、作りものくささがにおうわけでもない。本屋さんの棚やワゴンの、その本にすっと手を伸ばし、ためつすがめつ選んだときの感触が、なぜか目に見えるような気がするラインナップ。

    本編を開いて、次に思ったのは、「原作の空気を文章に落とし込むのが、ものすごく上手い!」ということ。作品の筋に文中で触れている章はあまりなくて、他のかたの感想・レビューにもあるとおり、ご自分の周りのことを書かれている章がほとんど。でも、文章は流れるごとく巧みだし、何よりも、『夫婦善哉』の章では、知人の男女の間にまごうかたなき『夫婦善哉』の空気が流れ、『山月記』の章では、李徴の思い上がりが暴走していくテンションで、ご自身のサッカー経験が語られるの(ほんとだよ)!これだけの空気を短い文章でかもし出せるってことは、それだけ自然に、読んだ本にシンクロでき、しかも自然に書けるということなのかもしれないし、その本の中のキーワードに合わせて、的確にコントロールした文章を書けるということなのかもしれない。どっちかは又吉さんにお聞きしないとわからない(お聞きしてもわからないかもしれない)けど、これは相当に、すごいことなのではないだろうか。

    『体育会TV』などを観ていて、フィジカルの強いお笑い芸人さんは、その凄さがぱっと見でわかるんだけど、「本が好きです、よく読んでます」というのは、ほとんど画面からはわからない。せいぜいコント・漫才のネタの語彙から推しはかられる程度で、テレビ的アピールポイントにはなりにくい…損な趣味・経験なのかもしれないね、読書(涙)。でも、この本はこのお値段で、拾いものといっては失礼だけど、読んで絶対損はしないと思うの!

  • なぜか職務質問をよく受けたという又吉さん。そんな彼が体験した悲しくて切ない(だけどどこか面白い)エピソードを、本の紹介を交えながら綴っていく。
    気になったのは、「何もかも憂鬱な夜に」「親友交歓」「月の砂漠をさばさばと」「山月記」「銃」「夫婦善哉」ちょっとずつ読んでいこう。
    巻末には又吉さんと中村文則さんの対談も収録されている。お笑いと本の関係について語っていて、お笑いを見ない私も少しは見てみようと思った。
    又吉直樹に凄く興味と好感を持った。

  • 「第2図書係補佐」
    又吉直樹と本。


    又吉直樹。私は彼のファンだ。芸人の中で5指に入るほど好きだ。単純に話して見たいと思う。


    彼はとんでもない読書家だ。以前、彼が神保町での古本探しが好きだと言っていたのを番組で見たが、凄まじい本への愛情だった。因みに、彼を見習って私も神保町に繰り出しましたが、呆気なく挫折。普通の買い物になってしまった。そんなとんでもない読書家・又吉直樹が本を出すのだ。見たくない筈が無い。


    本書では、自分の生活の傍らに常に本という存在があることを書こうと思ったらしい。だから彼が書いているのは、書評では無い。しかし、書評としても十分だと思います。作家の中でも、このような構成の書評を書く人がいるけど、彼等の書評に混じってもどれがお笑い芸人又吉直樹が書いたものか分からない可能性が高い。


    それだけ構成が上手いし(素人の私が言うのもなんですが)、使っている言葉も秀逸で、何より本が彼の生活に本当に常にあったんだなと思わせるエピソードが良いです。


    ちょっと可哀想なエピソードがたくさん出てくるのは意外で、又吉少年が気の毒でしたが、その他のエピソードは、印象に残るものが多かったです。太宰治が昔住んでいた住所のアパートに知らず知らず住んでいた事は知っていたけど、彼の祖母が住む沖縄の家が飲料水CMに使われているとは知りませんでした。


    メロスに扮した男性タレントが学校に遅刻しそうになり慌てて走る設定と言う事だから、多分手越祐也が出演していたマッチのCMでしょうか。家の表札が又吉から太宰に変わっていて、CM作成側も又吉の実家とは知らずに、その家をチョイスしたと言うから、奇妙な偶然だ。


    「螢川・泥の河」に添えられるエピソードも面白いです。小説の一節ではないかと言うくらいの意外性。無口で大柄の父親の同級生が突然家にやってきて同棲を始めるだけでも突拍子もない話だけど、そこに謎の言葉「ワッサイビーン!」とヌンチャクと言う組み合わせまで盛り込まれたんじゃあ興味も惹かれます。これが実話なんてねw


    他にも「コインロッカー・ベイビーズ」には笑いが、「山月記」には、若き又吉直樹のサッカー人生が、「カフカ」には日常に潜む違和感が詰め込まれています。


    でも、一番好きなのは「この家に入ってくる虫は父ちゃんの分身や」と又吉少年に言いながら、次の日、ゴキブリを潰していた祖母のエピソードかな。


    どれもとてもよく出来ている。本をたくさん読めば出来るもんではないだろう。やるな、又吉直樹。

全936件中 1 - 10件を表示

又吉直樹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)に関連するまとめ

第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)の作品紹介

お笑い界きっての本読み、ピース又吉が尾崎放哉、太宰治、江戸川乱歩などの作品紹介を通して自身を綴る、胸を揺さぶられるパーソナル・エッセイ集。巻末には芥川賞作家・中村文則氏との対談も収載。

ツイートする