眠らないため息 (幻冬舎文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344417731

感想・レビュー・書評

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  • 満たされない想いを心と身体にため込み……なアンソロジーでした。
    読んだことある作家さんと、読んだことなくても名前は見たことある作家さんと半々くらい。しんみり面白く読みました。
    須賀しのぶ「上海魚」、千早茜「赤い閨」が特に好き。次点が小手鞠るい「小説詐欺師」、蛭田亜紗子「掃除機ラヴ」、宮木あや子「針とトルソー」。
    千早さんは官能が主じゃないところで同じ場所に沈んでる繋がりが好き、須賀さんは丸山遊廓や上海の歴史や(広義の)風俗描写が好きで、この2作は官能で読んではいません。
    宮木さんは女子2人の「二度と会えなくても貴女のおかげで生きていける」感がとても良き、小手鞠さんは「アップルソング」や「炎の来歴」みたいな作品も書かれつつこういう作品も…という幅広さで時折読みたくなります。(そういえば須賀さんも「神の棘」や「紺碧の果を見よ」は少女小説感全く無い…神の棘はちょっと薔薇の薫り)
    蛭田さんは初めて読みました。対物性愛か。三島薔子(名前も完璧)、どことなく小池真理子「恋」の片瀬雛子を思い出しました。森、大丈夫かな。
    大沼紀子「蜘蛛と蝶」、中島桃果子「ソメイヨシノ」も嫌いではありません。ここに並べるとどうしても印象が薄いです。

  • 官能系あんま好きじゃないな。
    やっぱ千早茜さんの書く文章が読みやすくて好き
    タイトルの付け方も秀逸

  • 2018年、7冊目は主に隙間読書用にしていたモノ。7人の女流作家による恋愛官能アンソロジー。今回はザックリ内容と、一言コメントを添えて。

    大沼紀子『蜘蛛と蝶』婚約者にタトゥー除去を頼まれた女が、施術先で出会ったのは……。
    まさに、『蜘蛛と蝶』のタイトル通り。絡め方、展開、オチ、上手いなぁ。

    小手鞠るい『小説詐欺師』売れない女流作家の元に舞い込んだ出版話、持ってきたのは色男。
    2パターンのオチを予想していたが、両方盛り込んでくるとは思わなかった。

    須賀しのぶ『上海魚』幼き日、中国人に呪いをかけられた女は、上海で英国人の妾として暮らしていた。
    19世紀末の上海が舞台。中間に位置して、イイ感じに世界観を変化させる役割も。

    千早茜『赤い閨』宅配風俗嬢と客の不思議な関係。そして、彼女は……。
    まぁ、女性のしたたかさ、とでも言うんでしょうか。

    中島桃果子『ソメイヨシノ』男子生徒と関係を持った美術教師。現在の男は、行きつけ画材屋店員の兄。
    奇妙な三角、いや、四角関係(❔)。

    蛭田亜紗子『掃除機ラヴ』人生設計が狂い始めた30代OL。一目惚れしたのは北欧製の掃除機。
    お得意のフェチ・モノ。ユリ・フレーバー。

    宮木あや子『針とトルソー』高校卒業後、結婚を決められてしまった女子高生と、そのクラスメイトは天橋立へ卒業旅行に行く。
    『雨の塔』辺りに近い感触。お得意の(❔)ユリ・フレーバー。

    大ハズレはないし、方向性も様々、名前のあいうえお順だが、ラスト2つユリ系続いた以外は、並びも悪くない。R-18文学賞出身作家、二人を含むように女性向け官能。オッサン向けの官能ではない。全体評価は★★★☆☆、少し辛めです。

  • 蛭田亜紗子さん目当てで手に取ったのですが、ちょっと相変わらず理解不能で面白かった。掃除機にのみ欲望を抱く女性の話。。。タイトル掃除機ラブ。そのまんま笑。笑えるようなテーマなんだけど中身はわりと、や、本気で、しかもかなりエロくて気恥ずかしくなった。面白かったとは言えないけれど。
    逆に良かったのは千早茜さんの赤い闇。繊細で、でもちょっと怖くて、切なくて。
    あと大沼紀子さんの蜘蛛と蝶もグッときた。蝶のタトゥーが最後まで消え切らなかったのがよかった。

  • 大沼紀子先生→先生こういうのも書かれるんだな…なんか普通に痴情の縺れ…爽やかさあんまない…でも幼馴染の微妙な歪み具合エエゾ~~
    小手鞠るい先生→ああ~~唯川恵とかそっち系の…若いツバメ転がす強かで好色な美魔女オチ…
    須賀しのぶ先生→チャイナチャイナした雰囲気はすきだったな~~
    千早茜先生→怖かったな~~…デリヘル嬢…
    中島桃果子→ 先生といえばきょうだい近親相姦…生徒×女教師もありがたや…
    蛭田亜紗子先生→女による女のためのR-18文学賞取った人って百合好きだよな…百合ってかレズプレイ…何なんだろうな…でも掃除機とセクロスはびびるよ…
    宮木あや子先生→JK百合。先生もレズプレイ好きだよな…『花宵道中』のときも思ったけど…

  • 宮木あや子狙いで買ったけどやっぱり良かった。

  • そんなことをしても何も満たされない。どこにも行けない。そして、どこにも行けないことを知るのが、きっと、私は怖かった。

  • 大沼紀子 蜘蛛と蝶…本心は好きなのに無理して友だちということにしているみたい。
    小手鞠るい 小説詐欺師…一体どっちが詐欺師なのやら。
    須賀しのぶ 上海魚…昔の上海の息吹を感じた。
    千早茜 赤い閨…評価はこの作品。夜景と火事がアクセントになりデリヘルという闇の世界を照らしている。どんな過去があろうとも無かったことにできるのが女の強さであり怖さでもある。
    中島桃果子 ソメイヨシノ…これはいったいどこのハレンチ学園なのか。
    蛭田亜紗子 掃除機ラブ…使用目的を完全に逸脱しているけど、もし掃除機が男なら本望だろう。
    宮木あや子 針とトルソー…死後体内にガスが発生するので湖でも浮き上がると思う。

  • オムニバス 短編集
    人気の女子作家

  • ラストの宮木あや子作品目当てで読んでみた。
    他の作家さんの作品は全て初読。
    読んでて分かった……私やっぱ恋愛もの苦手だわorz
    恋愛の要素も官能描写も別に平気なんだけど、始終“それだけ”だと、物足りないというか。
    漫画だと平気なのに何でだろう。

    「小説詐欺師」
    男に騙されているかと思いきや、実は男を利用している、というラスト。
    しかし、ここまで2人の秘め事をそのまま小説化しているのに気付かない男も間抜けだ。

    「掃除機ラヴ」
    余りにも変態的な展開に唖然。
    これもう、エロいとかそういうレベルではない。

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著者プロフィール

1975年、岐阜県生まれ。2005年に「ゆくとし くるとし」で第9回坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、小説家としてデビュー。『真夜中のパン屋さん』で注目を集める。

「2019年 『路地裏のほたる食堂 3つの嘘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大沼紀子の作品

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