隅田川のエジソン (幻冬舎文庫 さ 33-1)

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著者 : 坂口恭平
  • 幻冬舎 (2012年3月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344418257

隅田川のエジソン (幻冬舎文庫 さ 33-1)の感想・レビュー・書評

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  • なんとも前向きな物語、でした。
    主人公は路上生活者、いわゆるホームレスです。

    始まりは1990年代後半、舞台は題名にもある隅田川の沿岸、
    “テレカ”などの単語にどこか懐かしさを感じながら、、

    生きていくこととは「全てを捨てる」ところから、
    こういうブレなさ、前向きさもあるのだなと、、うーん「強い」。

    狩猟民族との観点はなるほどと、妙に納得です。
    日本の原風景は農耕ですから、新鮮さを感じたのかもですが。

    ただ、その狩猟する「獲物」も周囲とのつながりがあってこそで、
    その周囲を「自然」に限定されないのが、時代を映しているようでもあり。

     “自然の手伝いをして、その恵みを分けてもらう。”

    ちょうど同時期に読んでいた『奇跡のリンゴ』での、
    このフレーズが浮びました、まったくベクトルは逆なんですけどね。。

    小説といいつつも、主人公達の息づかいまで感じるとれるような内容で、
    これは実際に作者の方が、地に足のついた取材をされていたからなのかな、と。

    「生きていく」ということをつきつめると、、なんて考えてしまいました。

  •  隅田川の河川敷で暮らす実在の人物をモデルに描かれた小説。知恵を使って生きる路上生活者の力強さに圧倒される。また、自分の全く知らない東京が見えてくるというてんでも面白い。
     ただし、このように前向きに生きる路上生活者ばかりではないということは、当然忘れてはならないし、一部の人が路上生活を強いられる社会になぜなったのかという点については、別に考える必要がある。

  • 坂口恭平氏による、彼の本に出てくるホームレスの鈴木さんを主人公にした小説。

    ホームレスというと落ちるところまで落ちたという感じがするが、それでも、その人の工夫、感じ方次第で、ここまで豊かな生活を送れるというのは、前に読んだ坂口氏の本に続き、やはり驚き。
    一見、主人公のスーさんの知恵や工夫の素晴らしさ、コミュニケーション能力の高さが目に付き、この人どこに行っても優秀じゃん、という気持ちになってしまう。
    しかし、終盤でクロちゃんという、鈴木さんとは真逆の一見「無能」とも見える人物が、なんと台東区の色々な家でご飯を食べさせてもらっているなど、台東区を自分「家」のように使ってしまっているという驚きの事実が明かされる。
    それも一つの才能のありかただ、と言ってしまえばそれまでなのだが、我々個人個人が、それぞれのやりかた、考え方で、世界を変える余地がまだ残されているのでは?と思った。

    解説にもあったが、世界のルールを変えるために戦うというのは、相当な強い人間であっても、とても骨が折れる。
    そうではなく、スーさんやクロちゃんのように、自分独自の視点で世界を再発見することが、これからの時代には特に重要なのではないかと感じた。

  •  浅草の公園で寝ていたら、財布とバッグが盗まれた。
     男は無一文になった。

     隅田川沿いのホームレスたちのコミュニティに入り込み、いつの間にか路上生活が性に合っていた。
     都市に出かけて採集し、工夫して新しくものを作る。
     コンロを手に入れて暖かい食事を作るようになり、バッテリーを手に入れて家電製品を動かす。
     廃材を手に入れて家を作り、お金にするためにテレホンカードやアルミ缶を採集する。

     隅田川には人が集まった。
     ホームレスだけじゃなく、何か面白そうだと普通の人も立ち寄るようになっていた。
     そんな隅田川に現れたコミュニティにも終わる時が来る。
     男は最後に隅田川という自由から旅立ち、より大きな自由へと旅に出る。

     これは実在する、あるホームレスの話だ。
     クリエイティビティは最新技術の追求なのか。
     現代人が忘れた、生活そのものの求道者を描く。

  • 下町ロケット的な話かな?
    と思って手にした本作でしたが、
    全然違った!(笑)
    まさかの隅田川沿いに住むホームレスの話。
    お金を稼がなくても生きていく術を発明と例え、
    そのあまりの充実した暮らしぶりがすごい。
    主人公のすーさんには
    実在のモデルがいて、筆者自ら取材しているだけあって、話の細部が生々しく、リアルさが伝わる。

  • 会社の倒産後、全財産を盗まれてしまった硯木正一(すずりき・しょういち)は、隅田川沿いに小屋を建てて生活を始めます。彼は、クロやモチヅキさん、ハシモトといった、金もなければ地位もないけれども、底抜けに明るく毎日を生きている人びととの出会や、そこにあるもので工夫を重ねていく生活に、充実を覚えるようになります。

    「豊かさ」とは何かという根源的な問題を読み取ることはもちろん可能ですが、イデオロギー的な主張は抑制されており、登場人物たちの魅力がストーリーの駆動力となっていて、おもしろく読みました。

  • 坂口恭平が「都市型狩猟採集生活」で取り上げたような人々を小説にまとめた一冊。

    小説でもエッセイでも文体が変らないので、フィクションかどうかはわかりにくい部分も。綺麗に仕上げようとしすぎた感はあるのかもしれないですけど、単純に面白いは面白いです。でもこれならエッセイのが個人的には好き。

    読んで感じたんですが、坂口恭平はアドラーですね。

  • 「ゼロからはじめる都市型狩猟採集生活」→「TOKYO 0円ハウス0円生活」と読み進め、この考え方、生き方にハマって読んだ。隅田川沿いに住む「スーさん」が主役の自伝的小説となっている。ドロドロせずあっさり味な感じになっているのは、この生活自体がドロドロせずあっさり味なせいもあるかもしれない。

  • 隅田川に住むホームレスの工夫生活物語。色々と考えながら生活レベルを上げて行くのがオモロイ

  • 感動した。

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隅田川のエジソン (幻冬舎文庫 さ 33-1)の作品紹介

「東京は人間がいちばんあったけぇ場所じゃねえか?」。隅田川の河川敷で暮らす硯木正一はしみじみ思う。ホームレスと呼ばれるものの、家はある。しかも、三食、酒、タバコありの優雅な生活。バッテリーを使えばテレビも楽しめる。東京にはほしいものがなんでも落ちている-。実在の人物をモデルに描く、自らの知恵と体を使って生きる男の物語。

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