前田建設ファンタジー営業部1 「マジンガーZ」地下格納庫編 (幻冬舎文庫)
- 幻冬舎 (2012年3月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344418325
作品紹介・あらすじ
21世紀の建設業界を力強くリードする会社を目指し、前田建設内に設置された「ファンタジー営業部」。かつてアニメに描かれた科学は今や空想ではない!実在の大手ゼネコンが、「マジンガーZ地下格納庫一式工事」に真剣に取り組みました。予算72億円、工期6年5ヵ月(ただし機械獣の襲撃期間を除く)で引き受けます。第36回星雲賞(ノンフィクション部門)受賞。
感想・レビュー・書評
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実在のゼネコン、前田建設による、アニメに出てくる設備を実際に施工したらどんな見積になるでしょう?という本。「空想科学読本」の類を読んだことがないのだが、ノリは似ているのかも? 実業務に即しているので、いろんな業種の仕事ぶりをわかりやすく知りたい自分にはありがたい本。
これは第1弾ということで「マジンガーZ」の地下格納庫の見積シミュレーション。マジンガーZを全く知らないのでその点であんまりニヤニヤするところがないのは残念なのだが。
必要要件はいろいろあるけれど、「マジーン、ゴーッ(掛け声?)から10秒以内で地上へ持ち上げる」といった無理難題に対していちいち真面目に検証していくのが面白い。現実的(技術的にも予算的にも)なアイデアが次々と出てくるところなど、技術屋さんのすごさを感じる。かっこいいね。
ふーんと思ったところは、土を掘るだけでなくて、その堀った土(「ズリ」と呼ぶらしい)をどこかへ持っていくところもきっちり予算と時間を見積もっておかないといけないという点。情報システムでもデータの有効期限(このデータは何年保持します)のような、作るだけでなくてその廃棄の仕方を設計するけれど、少し似ているのかもな、と思った。
ちなみに前田建設さんの見積では費用72億円、工期6年5カ月でできるらしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
実在する建設会社が超真面目に『マジンガーZ地下格納庫』を建てるためのプランを考えた本。
予算72億、工期6年5ヶ月(機械獣の襲撃時期除く)で引き受けてくれるらしいぞ!
しかも知らない間に映像化されてたぞ!!
各方面のプロフェッショナルが至って真剣に考えているわけだが、なぜか笑ってしまう。こういう本大好き。 -
完璧な広報、完全なSF。星雲賞を取るのも肯ける。発想も
素晴らしいし、それを真面目に考える技術屋も許す社風も
すごい。前田建設単体ではなく建設業界全体のPRになって
いるのも良いところだと思う。ただひとつ問題があると
すればマジンガーZが刺さらない世代があるということか。 -
WEBサイトは知ってたけど、本になってるとは!
これを真面目にやっちゃうなんて素晴らしい!! -
夢があって面白い!!
映画を観に行って、旦那と大いに受けました。
こういう、真面目な不真面目さ、というか、
技術力をこういう形で考えるのも楽しくてありだな、と思った。
「世界の平和のために」映画での合言葉だけど、目的は大事だな。 -
マジンガーZの格納庫といえばプールが割れて地下から迫り上がってくるマジンガーZに兜甲児塔乗のパイルダーとドッキング!
その割れるプールと迫り上がってくるエレベーターについてゼネコンの前田建設が本気になって考えた!?
土木・建築業会で働く人には是非読んで欲しいと思う。もっと画期的な未来を作るアイディアが生まれるかもしれない!
本書に記載されていたことでマジンガーZよりもガンダムの方が重いことに驚いた。
次巻の銀河鉄道も読んでみたいと思った! -
真面目にこういうことを考える余裕が企業には必要だし、こういうところからイノベーションが出てくるんだけど今はどこも余裕なさ過ぎだなあ。
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恥ずかしながら、
映画の予告を見て知った次第です。
こんなに面白いものがあったのに、
全く知りませんでした。
昔、空想科学なんとかという本を
読みふけっていましたが、
真面目な会社が、
それをやるとは。
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本当の建設会社が、本気で空想の世界の建物を現実の技術で作ろうとする、そのアイデアが秀逸。
しかも、どのように設計していくのかがわかるのがいい。 -
10
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こういう本、大好き。
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日経ビジネスオンラインでこのコンテンツのことを知り、あまりにおもしろそうだったので即決で購入したのですが、実際に期待に違わぬおもしろさでした。
あのマジンガーZのプールしたの格納庫を、現代日本の工学技術で実際に作ることができるのか、できるとして、その工期と費用はどのくらいになるのかを、詳細な施工アイデアとCADの図面を用いて大まじめに(もちろん「厳密に」とはいくわけはありませんが)検討し、官庁営繕の入札に使われるような「見積もり」まで作るというのは、もう感動と言うしかありません。
10年前のコンテンツだそうですが、今までこれを知らなかったのは不覚としか言いようがない。早速、2冊目も注文しました。 -
アニメに出てくる建築物を、現在の技術で本当に作れるものなのか。本物の建設会社が本気でシミュレーション!おもしろかったです。
各部署への試算発注だとか、なんなら社内だけでなく、関連会社にも。頼まれたほうも本気で考えてアイデア提案してくれたり、本気の遊びがすごくいいです。
他のシリーズも読んでみたい。 -
「ところで、さっきから思ってるんだけど、マジンガーZそのものは建設機械に使えないの?」
確かに…!
いや~面白い!しかし実際のアニメ制作の現場でもこんなに細かく格納庫の設定等考えてるのかすごく疑問! -
単行本で一度読んだことがあるんですが、文庫本で再読しても、面白かったです。
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大きな会社のいい大人たちが、いったい何をやってるのか!と笑えてしまうが、実例を取り入れながらの真剣な検討・考察をすることで、本当に実現を出来てしまいそうな事を感じてしまいます。
しかし、地球上に存在しない材質が出ると、支給品になってしまうところが、同等業種に居るものとして、クスッと笑ってしまいます。 -
現在(実際は10年前だけど)の建設業界の技術というものがおぼろげながらわかる。
専門家がこのような空想の仕事に対して、真剣にチャレンジしているところが非常に魅了を感じた。ただ、言葉が難しくて、門外漢からすると言葉だけを追っていくだけで精一杯でうまく面白さが伝わらなかったところが残念だった。 -
ほんとに感動した!企業ブランディングとしても目指すべき姿だと思う。ユーモアがあって真摯で真剣で、でも伝えたいことはキッチリ伝わる。こんなんやりたい!
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120323 購入 読了
想像の内容を実際の知識、技術を盛り込んで検討する。SFだわぁ。
真面目に馬鹿する企画って素敵よね。