プラチナデータ (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344418844

感想・レビュー・書評

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  • 映画の『プラチナデータ』を鑑賞したことがあったので、おおまかなところは忘れてはいたものの、犯人だけはしっかりと覚えていました。
    しかしながら、警察を相手の逃亡劇はスリリングで面白かったです。
    視点が逃亡者である神楽と警察側である浅間と入れ替わっていくのも面白さを際立たせているように思いました。
    それにしても、スズランとリュウの恋のお話がもっと知りたいですね。
    なぜリュウがこんなにもスズランに対して思い入れがあるのか、そのエピソードだけでも教えてくれたらと思ってしまいました。

  • 勿論フィクションだけど、リアルっぽく聞こえる(読める)のが、流石。よくこんなストーリー思いつくなぁ。

  • ミステリーとして面白かったのと同時に社会風刺のようなものとしても楽しめた。犯罪防止という観点から人間をより正確に管理しようとしたときに、人間の不平等さが浮き彫りになるというのは痛烈な皮肉だ。
    神楽の容疑が晴れ父親やリュウの呪縛から解き放たれたことでハッピーエンドのように見えるが、プラチナデータが無くなったわけではないことからモヤモヤとした読後感を味わった。

  • 設定がイマイチですが、まぁまぁ面白く読めました。

    DNAを利用した捜査は現在でもあるけど(DNA型鑑定)、いろんな人がサンプルに触れれば、絶対取り違えとか出てくし、一人だけがその情報にアクセスできるなら、絶対不正はうまれるし、DNAの捜査だけで、調査が終わるとかはないよね。
    とか、結構ツッコミどころがいっぱい。

    でも、そんな設定以外のところで、最後まで読ませてしまうところが、東野圭吾の筆力かな。

  • 全ゲノムシークエンスをテーマにしていることは以前から知っていたので、仕事絡みのネタ用に読んどかないかんなあと思っていたもの。

    国民のゲノムデータを集めることによって、犯罪現場に残された微細な髪の毛等から2日程度で、どのような犯人であるかを推測できるようになった。データ解析に在籍する神楽は、ひょんなことからゲノムデータ検索システムを作り上げた天才蓼科兄妹を殺害した現場に残された毛髪から、容疑者として追われる立場となる。

    うーん、宮部みゆきもだったけど、東野圭吾もSF向いてないやろこれ。とにかく最初から最後まで散漫で、情報ばかり多くて追うべきものがボケボケのストーリーである。

    全ゲノムシークエンスのツッコミどころはおいておいて、電気ショックで性的快感を得られる違法な装置ハイデン、多重人格、街中の監視システム、隠されたプログラム、プラチナデータ…。なんていうか、2つくらい減らせなかったのか?特に多重人格の設定はいうほど活かせていないし、電気ショックとかアホみたいなメカニズムなのに秘密にするのもわからない。

    また、近未来の技術が進みまくったはずの世界において、警察はなんやかんやと泥臭い組織のままで、捜査の手法も相変わらずの行ったり来たりと職務質問。残存証拠に関してもひとひねり・ふたひねりあるかと思ったら「現場にあったから犯人」という単純具合で、味気ないことこの上ない。

    仕事上のネタにできそうな部分の全ゲノムシークエンスについては、ゲノムデータから顔の特徴などを推測するのは、まあ数十年は無理だし、たまにニュースになるのは「アート系」の人。科学的根拠なんかない。東野圭吾って、理系も工学系卒のはずだけど、そういうエセ科学を鵜呑みにするのかね。意味のあるネタにしたいのなら、エピゲノムについてや、ゲノムシークエンスの現場の取材も必要だろう。その辺の手を抜いたのが丸わかりなのは、読んでいていかんともしがたい。

    プログラム関係についても、先に読んだ「ビッグデータ・コネクト」程度にはそれらしく書いてほしかったな。PC起動で音楽が流れて、画面いっぱいに謎の模様が現れるって、1980年台の映画の設定やん。

    いつものように、最後はいろんな状況の板挟みからのカタルシスがあるのかと思いきや、何にもないし、何やこれ。

    最後に、「プラチナデータ」というのが全ゲノム配列で、大事なんだよーという話かと思いこんで読んでいたが、その実態のショボさにはびっくりした。そのための新しいプログラムを作るとかいう設定もどやねん。

    しかし、これをわざわざ映画(や漫画)にしようという暇人もいたんだねえ、という内容であった。

  • メルカリで東野圭吾の本を探してて、有名なやつだと思ってポチ。
    え、そういう展開?!とはらはらしながら読めて、あーそうなるのね!と。非現実的ではあるけれども、おもしろかった。

  • タイトルの通り「プラチナデータ」というものが鍵になってくる訳だが、情報管理とその裏側の設定にリアリティを感じとても面白かった。読み進めている途中で先が読めてしまったが、テンポが良くて最後まで一息に読むことが出来た。面白かった。

  • ビッグデータは持つものの権力を強くするため、それを正しく使えるしくみも同時に必要というよーなメッセージをスリリングに読める本。

  • 導入が気持ちよくないはいりかただったけど、面白くて一気に読みました。

  • 発達したDNA捜査により、検挙がアップしているなか、水面下の国家政策として集められている国民のDNAデータ「プラチナデータ」。まず題材が本当にありそうで、素晴らしくもあり、怖い話だなと思った。
    その中で殺害された研究者。そしてその「プラチナデータ」から犯人とされた神楽が真相をつきとめる話。
    後半まで楽しく読めた。でも、神楽が二重人格という設定が少しひっかかる。ちょうど最近見たドラマでも二重人格というのがあり、二重人格という設定なら、なんでもあり、という感じがしたから。ただ犯人は予想外だったので、そこは楽しめた。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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