もしもし下北沢 (幻冬舎文庫)

  • 1259人登録
  • 3.62評価
    • (71)
    • (130)
    • (120)
    • (36)
    • (6)
  • 128レビュー
  • 幻冬舎 (2012年8月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344419094

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
よしもと ばなな
村上 春樹
三浦 しをん
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印

もしもし下北沢 (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

  • 絶望から希望へ。みんなが見ないようにして簡単にしてるものでも、感じまくってしまうよっちゃん。人生における大きな黒い存在を否定せず、共存していることをはっきり示し、希望を見せてくれた作品だった。自分の小さく凝り固まった見方じゃなく全く違う視点をもらった。

  • 2016.09.19
    父親と愛人が一緒に自殺をはかり、残された主人公と母親。
    特にストーリー自体面白さを感じたわけではないけれど、傷ついた後の日々をゆっくりゆっくり過ごしていく毎日が描かれていた。
    何か辛いことや悲しいことが起きた時、もがいてともがいても、時が早く過ぎるわけでもない。
    その時間はその時間として、ダメな自分や感情も受け入れなきゃいけないんだよね、と。

    特にすごい吉本ばななさんのファンだったわけではないけれど、やっぱりたまに優しい文章を読みたくなった時には、こういう作品もいいものだな。

  • 今は今。
    先のことなんて誰にもわからない。
    その時のことはその時考えればいい。


    20代始めのいま、読めてよかった本。
    最近考えていることが多々きれいに言語化されていて、納得するというか、安心するというか。

    『うすうすわかっていることをだれかがはっきりと言葉にしてくれると、心はこんなにやすらぐんだ。』

    まさに、そんな感じでした。

  • 読んだ時の私のメンタル的なものもあるんだろうけど、なんか、こうだこうだ、と心情を表現している文章が過多すぎて、かえって共感できなかったというか。。。まぁ、設定も特殊だから、そうそう共感できない気もするけど。ガチガチな気がして、もう少し読み手側に感じる余裕を持たせて欲しかった。

  • P251
    「よっちゃんはなんでも言葉で考えるからだよ。ぐるぐるぐるぐる回っても、答えが出ないことがいっぱいあるでしょう。でもよっちゃんにとって、それこそが時間をやり過ごすやり方なんだと思うから、幼いとかよくないとか思ったことはない。でも、なんでもない空間をただじーっと、なにも考えないで見てるような、ぐっとこらえ抜くようなやり方もある。おふくろさんは、そっちのタイプの人なんじゃないかなあ。」

    ーーー

    おそらく初めて読んだよしもとばななさんの小説。
    丁寧な心情描写で作られている。
    (途中少々しつこく感じたが…)

  • 今読めて良かった本。

    父親が見知らぬ女性と心中してしまった娘とその母が、下北沢という街で心の傷を癒していく物語。

    小説ほどではないものの似たような事件で傷ついた私と母は話したものだ。

    「お父さんが死ぬ前に知れて良かった。
    もしあの時気づけなければ、お父さんはこのことを墓場まで持っていっただろう。
    そして亡きお父さんに、私たちは問い詰めることも責めることもできずに苦しんだだろう」

    この小説は、そんな未来をそのまま表している。

    現実の父は死んではいないけど、それでも主人公の心の動きは、私のそれと大きく共通していて、小説のなかで主人公が心を癒したり何かに気付いたりするたびに私の心も癒されていった。

    「言葉で考えすぎる」と人から指摘される主人公の性格は、私とよく似ている。

    また、面白かったのが、実際の下北沢をモデルにしているところだ。小説に登場するお店の名前を調べると、どうもそのほとんどが実在しているようだった。
    初版が平成24年ということもあり、情報もさほど古くないだろう。亀のいる日本茶喫茶やタイ料理店、今度行ってみようと思う。

    物語の顛末が、ノルウェイの森を彷彿とさせる終わりかたで、それはちょっと笑ってしまったけど。ええ!?そこいく!?みたいな。笑

  • 読んでいる時に、どう表すのかわからない普段の気持ちをかわりに言ってくれる小説というものの良さを感じました。人の気持ちの描写がすごく濃いです。

  • いまの私にとってはこの上ない癒しの物語。新幹線の中で、たまに唇を震わせながら読みました。大好きなよしもとばななさんらしい、丁寧な言葉の選び方と、胸が痛むほど「本当のこと」を率直に書いてくれている安心感。これからも大切にしたい一冊。

  • 癒しの小説。最後の方の展開がなぜそうなのか納得出来なかった。

  • 結構重かったです。
    主人公が父を失った悲しみは身近な存在を亡くしたことがある人にはよくわかると思います。
    悲しみにどう折り合いをつけて前へ進むのかが一番の見所ですかね。
    それにしてもがっちり合いそうで微妙に合わない吉本ばななさん。
    私とは相性が悪いんでしょうか。

  • いろいろな感情を抱えながらも、時間は流れていく
    どんなに楽しいこと、幸せであるというときですら
    ふとした瞬間に淋しさは心の隙間に押し寄せてくる。

    淋しさの感情は
    無色透明ではない、複雑な感情が入った水が容器の中で
    すこしずつ沈澱していく。心残りとなった澱は何かの拍子にまた拡散していくようなもの。

    下北沢、という街の中で、ゆっくりと進む「再生?」の物語。

  • 自分の今の生活とこの物語との相性が良かった。
    下北沢が身近な分、わざとらしくて嫌だなとこれまで敬遠していたけれど、読むべきときは今だったのだなと思う。

  • 自分と境遇が似ていたため重ね合わせて読んでしまった。言葉の選び方が綺麗。
    地元なので知ってる場所が描かれているのが面白かった

  • 読んでる間ずっと切なくて目がジンワリしっぱなしで、哀しくて、でもあたたかい気持ちになって、とにかく好き本です。

  • 文庫にて再読。装丁も美しい。
    「生活」の匂いがする物語がすきだ。

  • ばななさんの言葉の選び方や文章は大好きですが、最後のオチが好まなかったので、ちょっと残念。

  • 大事な人をなくしてしまったり、心に大きな穴が空いている人の気持ちがこんなにもわかるものなのか、こんなにも書き表せるものなのかと驚いた。

    おかげで、終始涙をにじませながら読む羽目になった。
    よっちゃんが少しずつ前を向いて行く様子は、その辺の安っぽい癒しを謳った小説とはわけが違って、とてもリアルだった。
    何度も何度も絶望を感じながらも気がついたら歩みを進めていたような自然なものだった。

    とにかく今の自分にはまりすぎてしまって感情移入が凄まじかったというのもあるのだが、悲しみや苦痛から抜け出せない人に読んで欲しい。
    自分だけではないんだと勇気をもらえる。
    ずっと手元に置いておいて定期的に読みたい一冊。

  • 生きている上で感じる感覚が、これでもか、というほど丹念に書き込まれた小説。
    娘が母親のなかに「ひとりの女性」を発見するあたりに、特に胸をつかれた。
    「女子の遺伝子」に著者が書いていたように、彼女の本は実用書なのだと思う。すごく迷って沈み込んでいるときに、またこの本を読みたいと思う。

  • 時間を重ねて重ねて解決することもある

    がむしゃらに、ひたむきに。

    ただ前向きに。

  • とても良かった。
    よっちゃんのお母さんがとてもカッコ良く素敵だった。
    よっちゃんが感じる色々な感情や思いに共感したり、納得としたりこちらも色んなことを感じ考えた。

  • あったかい。
    終盤わけもなく涙がでる感じ。

    おかあさーん!って気持ちになる笑
    自分が母になって、また読んでみたくもある。

    私はつくづく、「暗い、辛い、でも空は青く、緑はきれいだ」的な話が好きだなあと改めて。

    読了するまでインターバルとっちゃったけど、
    いつ、どのページを開いても、
    ああ、私ばななさんの小説読んでるなあ!って思えるところが好き。

    スピルチュアルがいきすぎてないというか、
    そういうものに疎い私にもわかるくらい、
    他の作品と比べてリアルな世界の話だったなあという印象。

    以下引用

    ------------------------------------

     自分の中での小さなつまずきをそのままにしておくと、それがかなり早い時期に自分にはっきりと返ってくることを、私は学び始めていた。食は人間の本能に関係がああるから、いっそう露骨にいろんなことが出てしまうのだ。はじめは自分の胸だけにしまっておいても、なにか別の形で必ず表に出てしまう。まじめに、地味に、個性や思い入れをなくして、ていねいにやること以外にはなにもできることはないのだ。

    ------------------------------------

     みじめだ、そう思った。少しも立ち直れず、ずるずると生きている。夜は明けないし、後悔は取り戻せず、言いたかった言葉は言えない。もう二年ちかくたっているのに、一歩も進んでいない、もしかして一生進まないのかもしれない。
     それでも私は明日の朝になれば、パンをこね、お湯をわかし、サラダの野菜をちぎり、掃除をしているだろう。体が自動的に動いてくれるし、いらっしゃいませと笑顔になるだろう。それだけができることなのだ。

    ------------------------------------

    「あんたが口に出してそう言うってことは、本気だっていうことよね。たしかに、あのサラダは命のサラダだったな。死んでくらいたいくらいみじめで行き場がなくて胸がどろどろもやもやしていた私だったけど、あのサラダは私を否定しなかったんだ。あの中にまだ自分のかわいい、小さな命があるのを見つけたの。」

    ------------------------------------

    「僕はなにもできない。平凡な人間だ。でも僕の目が見てきたものは、語り尽くせないくらいたくさんなんだ。」

    ------------------------------------

     なんで生きていると、体だけは勝手に立ち直っていくのだろう。
     いや、だからこそすばらしいのだ。体が助けてくれるから。

    ------------------------------------

     都会にいるとわからなくなることのひとつに、個人の力の大きさというものがある。
     たとえば、大きなビルの中の大きな書店だって、名物店員はいるだろうし、その人が別の支店に異動したら、やはりみんな淋しいだろう。でもお母さんがいつか言っていたように、テンポよくすぐに新しい人がやってきて、書店は変わらずに営まれていくだろう。都会の人はそういうことにこそ安心するのだと思う。自分がいなくなっても世界は変わらないし、会社はつぶれないし、街は動いているって。
     でも、それではどこか満足できないのも、人間というものだ。

    ------------------------------------

     夜の道が涙でにじんでいた。もう失うのがこわいから、なにもかもそのままにしていたかったから、続けていた恋だったんだ、そう思った。淋しい、新谷くんがいないと淋しい、だから好きになったんだ。でも愛してない、そこそこしか好きになれない。ずっと知っ... 続きを読む

全128件中 1 - 25件を表示

もしもし下北沢 (幻冬舎文庫)を本棚に登録しているひと

もしもし下北沢 (幻冬舎文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

もしもし下北沢 (幻冬舎文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

もしもし下北沢 (幻冬舎文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

もしもし下北沢 (幻冬舎文庫)の作品紹介

父を喪い1年後、よしえは下北沢に引っ越し、ビストロ修行に励んでいた。
父のにおいはもうかげないし、言いたかった言葉は届かない。
泣いても叫んでも時は進んでいく。

だが、母が淹れる濃くて熱々のコーヒーにほっとし、父の友人の言葉で体と心がゆるむ瞬間も、確かにある――。
殺伐とした日々の深い癒しと救済を描いた、愛に溢れる傑作長編。

もしもし下北沢 (幻冬舎文庫)に関連するサイト

もしもし下北沢 (幻冬舎文庫)のオンデマンド (ペーパーバック)

もしもし下北沢 (幻冬舎文庫)の単行本

もしもし下北沢 (幻冬舎文庫)のKindle版

ツイートする