もしもし下北沢 (幻冬舎文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344419094

感想・レビュー・書評

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  • よく分からなかった。ただ人の気持ちは様々であるということ。共感できないこともある。

  • 下北沢と言う街に、行きたくなった。住んでみたくなった。

  • 父親の心中から立ち直れない母と娘の再生の物語。下北沢という場所がいいし、住人達も生き生きと描かれている。心の揺れるさま、が丁寧に描かれてゆき、戸惑いもためらいもそっと心に添っていくような・・・
    しかし、恋愛に関しては首をかしげざるを得ない。
    また、現在の下北沢の街はこの小説のようではない、とあって残念でならない。

  • 最後がね~。それさえなければすごく癒される作品だと思いました。

  • なんともせつない下北沢ストーリー。
    題に惹かれて本屋でパラっとめくった瞬間に、レジまで持って行った。私がその場でこんなに早く買ってしまうのもめずらしいんです。
    そして読み始めて早々に感じた、“この本、好き。”の感覚。
    よっちゃんという主人公の女の子が、普通でない青春時代を過ごさざるを得ない状況の中で繰り広げる暮らし。
    こんな生活も、実は憧れちゃうのかも、って。
    一つの街に身体を預けるのも、その中に入ってみると、意外とできちゃうものなのかもしれない。
    私には経験したことのない営みへの興味。それもきっとこの一冊にのめり込むパワーになっているんだろうな。

    好きな本は?ってきかれたら、これ、って答えちゃうかもな。

  • 最初はエッセイかと思った。お父さんが亡くなるくだりからはじまるお話。しかも女性と心中したお父さん。現実とは思えないような現実の中で暮らして行くよっちゃん。家族、まち、生きていく中で関わるものたちって中々こんなに丁寧に見つめることってない。
    悲しくてもお腹は空くし、失った悲しみは消えなくてもいいんだ。

  • 相変わらずばななさんは人が死にます。
    そして残された人の心理描写が絶妙すぎて読み進められない・・・
    今の私にぴったりだけれど。
    もうちょっと時が経ってから読み直そう。


    ・・・追記・・・・

    9月29日読了。
    もう少し置いておこうと思ったけれど、やっぱり気になって。
    でも一気には読めなくて毎日ぼちぼち読みました。
    登場人物、場所、食べ物、すべて素敵。
    こう自分のボキャブラリーではなかなか言い表せられないんだけれど・・・
    人の何とも言えない気持ちだったり歯がゆい気持ちだったり
    そういったものを上手く表現してくれるばななさんの小説は好きです。

  • 人が深刻なダメージを受けてから立ち直るまで(立ち直る、と言っていいのかわかりませんが)。その過程の描き方にしっくりきました。

    今作もそうでしたが、よしもとばななさんの作品からは(僕が読んだことのある作品からは)、「ポジィティブ!前向きに!レッツゴー!ハッピー☆」といった妙な押し付けがましさ、暑苦しさを感じません。それが、僕がばななさんの作品を好んで読む理由の1つです。

    ただ、ばななさんの描く恋愛に関しては、読んでいてモヤモヤっと感じることがあるのです。この作品でもそうなってしまいました。うーん、モテない男の嫉妬でしょうか?それとも同族嫌悪?笑

  • 父が母以外の女性と心中。
    父のことで心を痛めながらも、下北沢でビストロ修行を積みながら
    よっちゃんはひたむきに生きていく。
    そこに母が転がり込んで来て、2人は父との辛い出来事と
    向き合いながら徐々に元気を取り戻す。
    下北沢の温かな町、温かな人たちが2人の心をほぐし、
    父の友人との淡い恋がよっちゃんを後押しする。

    自分が年を取りすぎたのであろう。
    あまり心に響かなかった。若い頃はあんなに共感し、
    興味深く読めた吉本ばななだったのになぁ。自分自信が残念。

  • 説明が多い読ませるタイプの小説って苦手なのだけれど、焦る気持ちを抑えながら大切に読んだ。
    相当なアクシデントがない限り、親は子どもより先に死んでしまうし、親は親であると同時に一人の人間であるというのを最近よく感じていたので、身にしみた。 子どもも一人の人間だ。当たり前だけど親子間にだって礼儀や境界線はある。でもそれらをとっぱらったつながりがあることが不思議だなぁと思う。

    下北は数えるほどしか行ったことないけれど、雑然としている中にあたたかみや不規則な規則性(笑)があったりして、ほんとうに好きな街だ。住宅街に自然にカフェがあって、テラスに犬を連れている人がいて、大型犬でも店の人も通る人も嫌な顔をしない感じがほっとするし、すごくおいしい店なのに店員さんが気さくでいい距離感で、ゆっくりできる雰囲気や内装だったりするのがすてきだ。そういうお店って実は結構貴重なのだ。

    昭和のノスタルジーあふれる『ジャズ喫茶マサコ』が閉店する前に1回だけ行けたことは宝だと思う。店内の照明や匂いや雰囲気だけで、ちょっとタイムスリップしてしまった感じだけど好きだなと思えたことが嬉しかったし、ジャズも好きになった。ちょっとだけ昭和生まれを誇らしく思った。

    好きな街に住めること、住んだ街を好きになれるっていいなぁ。地元も下北みたいになればいいのに。ちょっと下北沢に行きたくなる小説でした。

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著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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