カリコリせんとや生まれけむ (幻冬舎文庫)

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著者 : 会田誠
  • 幻冬舎 (2012年10月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344419209

カリコリせんとや生まれけむ (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「会田誠」、名前は知っていたし、いつか美術館で展示作品を見た記憶もある。が、一瞥してさっと通り過ぎる程度だった。
    本書を手に取ったきっかけもものすごく微妙で、何の目的もなくふらりと書店に立ち寄って、文庫本を物色していたらふと目に留まり、ああ、そういえばいつかのブルータスに載っていたな、という軽い気持ちで手に取ったのだった。でページを開いたのだが、立ち読みするうちにやめられなくなって購入。
    美術界のことは何も知らないけれども、美術界も世間一般と同じような本質を欠いた流動的メカニズムで動いているらしく、会田氏がそんな潮流に逆らって生きているというのがひしひしと伝わってくる内容で、
    これは別に芸術にかかわらず、一人の(狂った)人間(すべての人間は多かれ少なかれそれぞれ違った狂い方をしている、狂っていない人間なんていない)として「誠実に」生きるにはどうすべきか、一般常識という狂気と付き合うにはどうすればよいか、どうしなくてもよいか、ということが書かれている。そのアイロニカルなスタイルに共感しもするが、何より、子育てに苦戦する妻が代筆したエッセイが掲載されているところなど、そのいい加減さには笑ってしまったが内容はシリアスで、意図したにせよしなかったにせよ、夫のアイロニーだけでは達成できなかった(今後も獲得できない)「誠実さ」を妻の言葉が補っている。
    その点、とても豊かなエッセイに仕上がっている。

  • 活力がわいてくる。

  • 彼の批評性が面白い。星の子理論。

  • 現代美術家・会田誠さんのエッセイ。
    作品は以前から見たことがあって、なんとなく社会批判的・エロ&ロリ、写実主義、というイメージがあったけれど、その頭の中がどうなってるのか垣間見れる面白い本だった。
    日々の生活で起こる出来事や、家族や若い美術大学生とのやりとりを、常に“天然の批評性”的視点から観察・分析して、それに対して芸術というアクションを起こす。その視点の明晰さと、写実的な表現のクオリティの高さが、常に現代アート界の第一線を走り続けている理由なのだと感じた。

    会田誠は徹底的に対象と向き合い、トライアンドエラーで写実性を獲得していく。絵だけではなく料理でも。現場感覚、皮膚感覚からアートが生まれてくるように感じた。本のタイトル「カリコリ」も、対象(この場合は妻)との関係性の中で、視覚ではなく触覚や聴覚をつかったコミュニケーションを表す。

    同年代のアーティスト村上隆と比べてみると対象的で面白いと思った。村上隆はコンセプトを駆使し、表現のテイストを限定し、アートをマネジメントするという明確な意思をもって活動している。
    どちらも面白いんだけど、海外的・お金的な意味では村上隆のほうが成功していると言えるのかなぁ…

  • 美術家の会田誠さんのエッセイ集。
    個性が大事とかいいつつ、皆と一緒じゃないのはダメな人間、という矛盾がまかり通っている中で、息子さんが学校で暴れているのは、一つの個性としてとらえれば「星の子」なのかも、と。奥様は大変だろうけどね。その奥様に執筆が間に合わないから振ってしまうとか、大人になって上手くシフトチェンジできたら、それはやっぱり個性になるのではないでしょうか。
    ちなみにタイトルの「カリコリ」は奥様に頭を掻いてもらう、会田さんの好きなことらしい。

  • 会田誠展に行って感激し、エッセイ第二弾を1日で読み終え、どうも会田誠の毒が抜けきらないので、エッセイ第一弾を読み直し。
    いま読むとまた新たな発見が。

    そのひとつが「chim↑pom」。
    エッセイ第二弾でも少し触れられていたので気になってググったところ、以前ある美術館の企画展で見た、「カラスを呼び寄せるパフォーマンス」をしていた芸術家集団だということが判明。
    あーあれね。。
    (あのパフォーマンスについて私は批判的。)
    そして第一弾に書いてあったのが
    「chim↑pomの『ピカッ』について」。
    以前、広島の空に飛行機で「ピカッ」という文字を書くというゲリラパフォーマンスをやりかなりバッシングを受け、その数日後、中国人アーティストが黒い花火を打ち上げ、これも賛否両論あったものの大きな問題にはならなかったらしい、という話題について。
    この中国人アーティストの個展も、最近横浜に見に行ったばかり。
    なんだかいろいろつながってる!!

    このエッセイの中で一番好きなのは、奥さま・奥田裕子さんの代筆かな〜。夫婦仲が大変良いこちがうかがえて、微笑ましい。あと、「星の子」のところも代好きです。寅次郎君は幸せだなあ。素敵がご家族。

  • 現代美術作家の会田誠さんのエッセイです。一応真面目な現代美術論もあるのですが、まったく肩も凝らずに読めるというお得な本です。

  • 痛快エッセイ。
    子どもの育児について著者の妻の話が面白い。
    子どもが幼稚園のとき。
    息子が友達に一言
    「みんなは将来のこととかちゃんと考えてんのかよ!」
    と叫んだ。園児一同「ポカーン」。
    先生がなんとかフォローを入れようと
    えっとね、でもこの間〇〇くんは大きくなったら
    サッカー選手とかアイドルになりたいって言ってたじゃない。」
    と言うと、息子虎次郎は、一瞥して
    「ハァー?アイドル~?ケッ、あんなの宝くじに当たるような確率じゃなえか」
    なんというマセタ幼稚園児。

    その他、面白ネタ満載の本。

  • 芸術家、会田誠さんのエッセイをまとめた本です。
    ちょっとばかりひねくれて生きている人は「あああ、そうそう」と思いながら読めるはず。
    心の中でもやもやといつも考えていることを
    上手に言葉に置き換えてもらったような気がする。
    普通は思っても口にしないところを言ってしまうところが芸術家さんならではかと思った。

    けれど、ただの言いたい放題であればそこまでイイとは思わなかった。
    それでも自分なりの真面目さで生きていることが分かるところがこの本のいいところだと思う。
    (なんだか表現が上からになったけど、決して他意はないごめんなさい。。)

  • 会田誠さんの『あぜ道』が美術の資料集に載っていたのは中学生の頃だったと思う。
    朝の10分間読書という教育的読書が毎日行われていて、本を持ってこなかった生徒は教科書か資料集あたりをだらだらと10分間眺めて過ごさなければならなかった。そんな無意味な時間に出会ったのが『あぜ道』だった。その絵は圧倒的な印象を残した。

    ふたたび会田さんを意識したのは大学生のとき。『青春と変態』という高校生のトイレ覗き小説を読んだときに、会田さんについて調べ、数々のエロ、グロなどのタブー作品を知った。やはりそれらは強烈な印象を残していった。

    このエッセイは会田さんのそういった”現代美術のカリスマ”的な部分よりも、家庭でのスタンスや彼の育っていく過程などの人間的な部分が知れた。
    挿絵のように載っている会田さんの作品はやはり強烈で圧倒的。
    http://matome.naver.jp/odai/2135711998470645901

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カリコリせんとや生まれけむ (幻冬舎文庫)の作品紹介

村上隆、奈良美智と並ぶ天才美術家、会田誠。物議ばかりを醸してきた彼の頭の中身はどうなっている?カリコリっていったい何?アートの最前線から、制作の現場、子育て、2ちゃんねる、中国、マルクス、料理などをテーマに、作品同様の社会通念に対する強烈なアンチテーゼが万華鏡のように語られ、まさに読み始めたら止まらない面白さ。

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