身代わり (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.29
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本棚登録 : 345
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344419315

感想・レビュー・書評

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  • 正直、☆は2.5。 作中に犯人の影なり、思考なりが、ないまま事件の真相も酒の席での多分こんなところでしょう。では、読んでて、辛い。 まだ、2作目だからか、そんなにキャラに魅力も感じないし。 もうちょっと読んでみようかな?程度。

  • 「依存」で精神的に不安定な状態に陥ってしまった匠を支えるため、高瀬は匠と共にしばらく姿を消す。
    その間、祐輔の飲み会に久しぶりに顔を見せた曾根崎が帰り道で刺殺されてしまう。
    彼は何故殺されなければならなかったのか?
    彼は何故自宅とは遠く離れた場所にいたのか?
    どうしても納得できなかった祐輔は、事件を調べ始めある結論に達するのだが・・・。
    犯人の冷徹な思考回路が怖い。
    自分の利しか考えない計算高さと、ためらいなく実行してしまう心が怖い。
    意外な動機と犯人。
    タイトル「身代わり」が、読んだ後にはより一層深い意味を持って感じられる。

    匠と高瀬の間に流れる空気が好きだ。
    辛いことがあっても、苦しくて生きる意味を見失ってしまいそうでも、寄り添ってくれる人がいるだけでどんなに救われることか。
    大切な存在は、誰にでもきっといるはずだ。

  • ミステリとしては、それはない、という展開とオチ。ただしこのシリーズの肝はそこじゃなく、主人公四人、特にタックとタカチの想像を絶する関係性。確か何年も前に前作『依存』でそこに深く感動したはずなのに、如何せん時間があきすぎててその時の感情を忘れてる。そこが致命的。それ抜きにしちゃうと、物語としては微妙。ただ、すべてを自分の手の上で操りたい女子高生、っていうキャラはちょっとだけよかった。『依存』もう一回読んでから読み直そ。

  • トリックには途中で気づきましたが、これは推理を楽しむものじゃないんですね。
    大学生のキャラと彼らが推理していく様子を読んで楽しむものなんですね。
    シリーズのようなので、他も読んでみたいです。

  • 久々のタックシリーズ。といっても、タックは最後に少し出るだけで、ほとんどボアン先輩がメイン。
    それでも、タカチにウサコが揃うのは嬉しいもの。
    内容は一転、二転転がるけど、違和感なく入りました。ビール片手にボアン先輩と一緒に推理してる気になります。
    この前作の依存を読んでないのがちょっと後悔しました。

  • 引きこもりから立ち直ったように見えた後輩が、一緒に飲んだその日に女性を襲って死んでしまった。それと同じ頃合いに、女子高生が警察官と一緒に殺される事件も発生。その二つの事件がどうつながって行くのか。。。

    シリーズ物のちょうど中間の話だったようで、主要の人物たちの背景が分かり難かったのが残念。大学生たちによる、酒飲みのグダグダ話を楽しめれば面白く読める作品なのかなと思う。

  • 『依存』の続き。
    今までの安規シリーズに比べるといまいち…?

    ミステリー的には、珍しく典型的なトリック。
    ミステリー好きなら途中で気づく可能性高し。

    とはいえ、西澤作品のすごさは、
    謎解きのおもしろさだけじゃなく、
    心情描写の精緻さや
    キャラクター同士の掛け合いのおもしろさなど、
    超いろいろあるので、
    ふだんならそれでも全然いいのだけど。

    でも今回のはなぁ…。
    つまんなくはないんだけど…。

    まず、タックが療養中→復帰の過程をたどるので、
    いつもの4人組が飲みながらあーでもないこーでもないと議論を交わし合う過程はほぼなく…
    みんなが揃うのは最後の数ページくらいなのが残念。

    てか、7章必要?!
    できれば「夏の名残を慈しむ会」でいつもみたいな議論を繰り広げて、解決に向かってほしかった…!!
    なんでボンちゃんだけ連れて行っちゃうかなぁ。。。

    そして今回は心理描写もいまいち甘い感じが…。
    あたしは西澤保彦の、
    人のエゴとかプライドとか、そういう誰もが持ってるドロドロした感情の表現が秀逸すぎると思っているのだけれど、
    今回はそういう部分の描写が…なくはないんだけど、
    すごく、なんとういうか、中途半端な感じがする。

    結局、最後まで残った犯人の動機はわからなかったし。

    それに、ソネヒロは最期、反撃を受けて一拍おいてから死ぬわけだけど、
    その一拍がなんだったのか、結局よくわからないし。
    あれは事故なの?! 自殺なの?!
    自分の思惑とはまったく異なる展開を向かえて、
    何を思って死んでいったんだろう…とかが気になっちゃうわけです。

    というわけで、なんとなく全体的に、不完全燃焼。
    もっと長かったら、もっと細部まで書き込めて、
    いつもみたいに面白くなったんじゃないかなーと思うんだけど、
    なんだろ…枚数指定でもあったんだろうか。。。


    あと本編とは関係ないし、これはまったく西澤保彦に帰属される問題ではないけど…解説が下手すぎる。

    解説は、書き手が違うので当然、本編とは独立してるわけだけど、
    優れた解説っていうのは、本編が不完全燃焼気味であっても、その印象を一気に覆すこともある。

    …が、これはないわ。
    まず日本語が下手。
    そして前半の、シリーズ等の説明は、他の解説や西澤保彦のあとがき等をなぞってるだけで、解説者自身の視点とか、目新しい点が何もない。
    で、一番肝心な後半、本書の解説は、説明がマジで下手すぎる。
    日本語が下手なのと相まって、ところどころまったく意味がわからない。
    うちの学生かよ?!

    解説って意外と大事だよね、という話。

  • このシリーズ結構好きで、ようやく見つけました。
    そうか、「依存」の後の話なんですね。
    中身は、まぁ、普通で4人のやり取りをもっと見たいですね。
    次にさらに期待。

  • タック&タカチシリーズで、タックが三回生8月~9月(『依存』のあと)の頃を描いています。

    終わり方がアレレな感じで残念でした。ボアン先輩が頑張っています。

  • 登場人物に魅力というか、自分も学生時代はこんな風にみんなでワイワイと酒飲みながらダベってたかった。

    そんな感情的になりながら読んでました。

    最後は・・・うーんでしたが・・・

著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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