花祀り (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 233
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344419803

作品紹介・あらすじ

桂木美乃は、京都の老舗和菓子屋『松吉』で京菓子職人の修業をしていた。ある夜、主人の松ヶ崎に連れて行かれた一軒家。座敷では都中の旦那衆が待ちかねていた。「男を知らん女なんぞ、一流にはなれしまへん」。男たちの目に曝され羞恥で硬直する身体に、松ヶ崎の繊細な指が纏わりつく。京の粋を性を通して描ききった、第一回団鬼六賞大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 官能小説初めて読みます。
    美乃の裸体を観察するおじ様たちの合いの手に笑ってしまう。書かれるのが乱交SMとか排泄物等の特殊性癖なのでいまいち入り込めなかったかも。
    でも妙な説得力があって冷静に考えると突飛なシチュエーションなのにするりと読まされてしまう。最初の生娘から一気に落とされる精神的な描写が丁寧で艶感がすごくあった。しっとりねっとり。

  • 淫靡。いやらしい。コッテリの中にサッパリ感。大満足。

    気鋭の若手和菓子職人の女性が、とある生徒の結婚をきっかけに過去に『仕込まれた』京都の一軒家で…から始まる主に三部作な官能小説。

    濡れ場の描写も多いながら、どちらかというと精神的マゾヒズムを丁寧に描いていて、女性向けなイメージ。
    中身自体はそこまでねちこくなく、サラッと読める。
    また、和菓子、京都、格式…と言ったディテールで『エロスと言うより淫靡』な感じが伝わってくる。
    そして全体に漂う団鬼六、Vシネリスペクト感に素直に共感できる。
    ある意味『古き良きエロ』感なのかもしれない。

    という事で古き良きエロ感に浸りたい夜にオススメ!

  • うーん・・・期待した感じではなかったなぁ~。
    いかにもな官能小説って読んだことないからよくわからないけど、リアリティの無さが結構笑えるww

    期待した和菓子職人という設定とか、あんまり関係なかったような・・・(´ω`)
    途中で読み疲れて、飽きて、買い物行っちゃったしw
    結局、「花散らし」が一番すんなり読めたかもです。

    もっとこう・・・のめり込んで、エロティシズムに浸れるような小説はないものですかねぇ。。。って、逆に、それは官能小説に求めるものではないのかもww

    あ、表紙絵は好きです♪

  • 僕の好きな作家である花房さんの本なので読みたいと思いながらも、結構きつい表現や行為がでてくるとレビューにあったので読まずにいた作品
    しかし、友達に借りて、読むことになってしまった、、が
    こりゃほんとに良かった
    和菓子とおんなの味わいをうまくかけ合わせた表現は、本当に官能的であり、美しくもあった
    あと、花房さんの小説よむと京都いくときになんかエロチックな気持ちを抱いてしまうようになるので要注意。
    思いの外気持ち悪いと思う場所はなかったし、なによりも最後の団鬼六さんへの思いを綴った「あとがきにかえて」が本当に良かった。良かったしか表せないのはそれをうまく言葉で表現できないから
    でも、こんな僕が素晴らしいと思った作品を団鬼六は、「女体が描けてない」という、、恐ろしきや団鬼六、、

  • 和菓子と女体の対比やばい。でもやってる事はアブノーマルな感じでちょっと入ってこなかった。京都行きたくなった。

  • 一気に読みました。文章は読みやすくてイイのですが、読み終わったらお腹いっぱいな感じです。団鬼六賞受賞作品と言う事で手に取りましたが、違う作品も読んでみたい。由芽のその後が気になります。

  • 人間凄絶

  •  この作品が第一回団鬼六賞受賞なんですね、興味津々で読みはじめる。団鬼六っぽい、過激さや過剰さは花房観音の官能小説には不要、その辺りを書かせたらもっと上手な作家さんはいるのだから、

  • 藍川京の「華宴」を思わせる世界観。
    ですが私はやっぱり乱交モノは苦手みたいで、最後の「花散らし」という秀建の話はそれなりに読めたので、秀建が主人公のスピンオフ作品「好色入道」も機会があれば読みたいと思います。
    蛇足ですが「華宴」の方がまだ現実味がある感じがするし、性描写も様々で変化があり、和文化の交え方にも品があるように思いました。

  • 第一回団鬼六賞大賞受賞作。京都を舞台にした淫靡な世界が女性特有の柔らかい描写と視点で描かれている。

    • takaraushi62さん
      下記サイトで、「おんなの日本史修学旅行」を上梓された花房観音さん自身に関する分析を見つけて興味を惹かれ、検索してましたら貴レビューにヒットし...
      下記サイトで、「おんなの日本史修学旅行」を上梓された花房観音さん自身に関する分析を見つけて興味を惹かれ、検索してましたら貴レビューにヒットしました。
      この分析を、ご本人の作品に触れた方々が読まれたらどうお感じになるかに興味がございます。
      http://www.birthday-energy.co.jp/
      2013/09/03
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著者プロフィール

兵庫県豊岡市生まれ。
京都女子大学文学部中退後、映画会社や旅行会社などの勤務を経て、2010年に『花祀り』で団鬼六賞を受賞しデビュー。男女のありようを描く筆力の高さには女性ファンも多い。
著書に『寂花の雫』『花祀り』『萌えいづる』『女坂』『楽園』『好色入道』『偽りの森』『花びらめぐり』『うかれ女島』『どうしてあんな女に私が』『紫の女』など多数。
現在も京都でバスガイドを務める。

「2020年 『京都に女王と呼ばれた作家がいた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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