- Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344420182
作品紹介・あらすじ
失意の正太は台湾へ。心に虚無を抱えながらも、日々懸命に働く。そんな正太の前に、海を渡った瑠〓(い)が幼子を連れて現れた。再会を果たし活力を得た正太は菓子屋「七富士軒」を創業し、商いの世界で熾烈な競争を繰り広げる。やがて頭角を現した正太は、ある想いを実現するために動き出すが-。日本人のものづくりへの情熱を謳いあげた感動巨編。
感想・レビュー・書評
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北方謙三先生、素晴らしい作品をありがとうございます。
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ニイタカドロップなどで知られた新高製菓創業者・森平太郎の立志伝である。森平太郎は著者の曽祖父。著者は自分のルーツを書いてみたいという事で2007年から日経新聞で連載された作品。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file1/naiyou3101.html
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潔い生きざまが読んでいて爽快だった。
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涙が止まらない...
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一冊置いての下巻。北方作品らしい泥臭く汗臭く漢、女、家族と仲間を描いた作品。故郷佐賀を入れてくる辺りが今までと違うかな。十代から作者の作品に親しんだ身としてはいささかクドさも感じたが、同じくらい安心感も感じた。今時では無いのであろうが僕は楽しめた。
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九州 佐賀の賭場を稼業とする家に婿入りし、その後台湾へ渡り菓子屋として成功した男の物語。
ものづくり、への拘りが丹念に描かれてあり、時代背景も明治から大正、昭和にかけて段々きな臭くなっていく様子が読んでいて面白い。
また九州の女性とはこうも強く女性らしいのか、とかなり親近感を持ちながら読んだ。 -
上巻に記載
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2人の信頼関係がすてきー!
こんだけ信頼し合ってても、、
男はしょうもないことすんだな。(笑) -
物語として、心打たれるのはもちろんだが、商売人としての才覚に学び多き書。
顧客が望むものを把握し、提供する仕組みを作る。神は細部に宿る。次の次まで考え尽くして手を打つ。数々の内容は、どこまでが事実だったのだろう。 -
さすがの北方君。上巻から一気読みだね。読んでいて心揺さぶられる愉しさを久しぶりに味おうたわ。歴史物もええけど、こんなんもっと書いてや。
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著者:北方謙三(1947-、唐津市、小説家)
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20170203
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巻末の解説読んで、そうなの?と驚く。爽やかな読後感。
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下巻は一気に読んでしまった。
桑山さん、ありがとうございます。 -
男の子が,生まれた.(冒頭の一文)
九州佐賀を舞台にした,一人の男の人生の物語.
正確には主人公とその周りのみんなの人生の物語か.
北方小説の真骨頂,男の生き様が明治初期の舞台で拡がっている.
クライマックスのシーンには思わず,こちらも感極まる. -
下巻も一気に読めた。
ビジネスの立ち上げから大きく成長する過程がとても面白く書かれている。
特に主人公の努力や献身などの心構えが実際のビジネスでもとても大切なことを教えてくれる。普通のビジネス書よりよっぽど役に立つ本だった。また読みたい。 -
侠気と商才を兼ね備えた正太という不思議なバランスの主人公のサクセスストーリー。
個人的には瑠偉に浮気がばれたシーンの日本刀持って正太の浴衣を着せた丸太を一刀両断にしている件が、それまでの二人の信頼関係などが見え隠れして好き。今までにないオリジナルだけど地に足の着いたキャラクターが魅力的に描かれていてお勧め。 -
最初は、方言(佐賀弁)がきつくて読みづらかったが、それも味ということで、読んでいる数日間は、脳内が佐賀弁に。(中上健次の小説を思い出した)
戦中の台湾が舞台の小説は初めて。北方謙三ものとしても、お菓子作りの話なんて。新鮮。
しかし、これ以上ない男の世界、生き方を描いてくれます。
続編が見たいような。でも、解説に書いてあるように、このあとの話しは企業が成功していく話で普通の小説になってしまうだろう。
ラストがいいですね。 -
浅田次郎的
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小添正太とその妻藤瑠偉との話。どうもこの曾祖父が作者北方謙三の関係らしい。船頭と賭博の元締めの三男であった正太が藤瑠偉のところに婿に行ってから賭場をきちんとまとめ上げ、そのあげくにけんか騒ぎで九州追放になり台湾に渡ってから七富士軒というキャラメル、饅頭、ようかんなどを売り成功していく話。夫婦でしっかり会社を切り盛りし、補うところは補い共に支え合っていくところなんかは本当にほほえましく、共感できる。 やはり正太の最後の目的は九州追放の取りやめを仲裁をした親分に認めて貰うことであった。それで自分の家の温泉に家族皆で入ることを希望に商売にばく進する。最終的には許しを得て九周差がで一番星というキャラメルを駅前の露天で夫婦そろって販売するところで終わる。九州では結構有名な製菓会社の一代記だそうだが残念だが自分はそのキャラメルは知らない。一度今度食べてみたいと思う。
いい話であった。よって座布団五枚とする。
後日記入。 その製菓会社は戦後なくなったようだ。 だから自分は知らない様です。 ボンタンアメの会社かと思ったけど違うようだ。 -
面白かった。
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ラストシーンが秀逸で読後感がとても良かった。是非、続きを書いて欲しくなる一作。
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最後を帰りの電車の中で読み、不覚にも涙を流してしまった。今まで読んだ小説の中で一番星です。
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五回ほどぞわっときた。三回ほど泣いた。一回だけ笑った。
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妻の瑠瑋の支えで台湾で菓子店・七富士軒を創業した正太は、並々ならぬ努力で熾烈な闘いを勝ち抜いて行く…終盤は読んでて泣けてきた。
北方謙三というと数々のハードボイルド小説と歴史小説のイメージなのだが、この作品は大河小説、経済小説のような趣きであり、非常に珍しい作品ではないだろうか。本屋大賞にも輝いた百田尚樹の『海賊とよばれた男』を彷彿させる素晴らしい作品である。
解説によると北方謙三の曾祖父に当たる新高製菓の創業者・森平太郎をモデルにした小説とのこと。北方謙三もメジャーになるまで、かなり努力されたと聞くが、この辺りは曾祖父の生き様と重なるのではないだろうか。