冬の喝采 運命の箱根駅伝 上 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (411ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421172

感想・レビュー・書評

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  • 今だったら問題になりそうな監督。

  • ビジネス小説を書く黒木亮が箱根ランナーだったと知って借りた本。

    才能に恵まれて爽やかに走ると思っていたら、親友の死や、また故障で数年単位で走れなかったりと、想像以上に苦悩にあった。

    またトップランナーとは、こんな練習や考え方をしながら走っているという発見。

  • (下巻にまとめて記載)

  • 若かりし黒木亮が箱根を走る写真が表紙を飾っているようです。ターザン中村(監督)が、厳しい練習を課した時代、そして、瀬古が走った黄金時代の早稲田大学競争部の物語であります。この中で名前が出てくる友人(競争部OB)からの紹介で手に取りました。カエルの子は、カエルなのでしょうか、★四つであります。

  • 2023/01/15

  • 中村清監督、瀬古がいたころの早稲田で、箱根駅伝を2回走った著者の自伝的小説。
    北海道で育った少年が陸上競技に出会う。順調に記録を伸ばしていくが、高校時代からケガに悩まされる。早稲田大では、ケガが治った2年生から競走部に入り、中村監督のもと、徹底的に鍛えられる。箱根駅伝には2回出場。
    当時の大学体育会の雰囲気が伝わってくる。今ならもっと合理的な練習をするのだろうが、当時はしごきに近い、精神論的な練習が課されていたのだ。軍隊上がりの名将、中村清監督の強烈な個性。瀬古のすごさも印象に残る。
    体育会的なものに対しては今や嫌悪感が先に立つが、同じ目標に向かって鍛えあう仲間との絆など、部活っていいなと、昔を少し懐かしくも感じた。

  • 箱根駅伝に至るまで、著者の半生を綴った作品。若き日の挫折、出生の秘話、弛まぬ努力とその詳細な記録が生々と描かれた名著。右足首骨折し抜鍵手術で入院中に一気に読了。とても勇気と元気を貰った。

  • 人は出会いと運命にどう向き合うか

    所蔵情報
    https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=B17351

  • 我が家の正月の恒例行事である箱根駅伝のテレビ観戦。
    勿論、今年も観戦した。箱根駅伝の2日間が終わると
    「あぁ、正月休みももう終わるんだなぁ」と少々
    寂しくなる。

    その箱根駅伝出場者でもある著者が、自身の陸上競技人生
    を振り返って綴ったのが本書だ。「自伝的小説」と銘打って
    はいるが、限りなくノンフィクションのような気がする。

    だって、小説としてなら中長距離走のタイムを綿密に記して
    も、経験者でないとそのタイムがどれくらい凄いかって
    分からないと思うんだ。

    著者を取り巻く人々も実名で登場する。日本陸上界の星
    であった、あの瀬古利彦も。

    北海道の雪深い町で生まれた。勉強は出来たが、運動は
    苦手だった。運動会の徒競走では後ろから数えた方が
    早い順位だ。

    しかし、中学一年生の時に体験した長距離走で優勝し、
    その後、たまたま書店で手にした雑誌「陸上競技マガ
    ジン」で陸上競技の世界に魅せられた。

    地元の走友会の人たちと練習を重ね、大会に出場し、
    そこそこの成績を残す。進学した高校では陸上部に
    所属し、インターハイを目指すも原因不明の土踏まず
    の痛みの為に満足な練習も出来なくなる。

    治るめども立たない怪我への苛立ち、走ることへの
    欲求。当時の練習日誌の記述が著者の当時の苦しみを
    伝える。

    そうして、進学した早稲田大学で陸上同好会で徐々に
    走ることを始めた著者は、思い切って競走部の門を
    叩くことになる。

    名門と言われた早稲田も、当時はその名誉が地に堕ちて
    いた。強い早稲田の復活の為に、監督として招聘された
    のは敵も多い中村清。

    この人に関するエピソードはいくつか聞いたことがあるが、
    本当に強烈な個性の持ち主だ。あの瀬古でさえ、競技後に
    すぐに監督に挨拶にに来なかったからと罵倒するんだもの。

    怪我や体調不良に悩まされ、遂に退部を申し出た著者に
    対して「部を辞めるんだったら、お前の就職を徹底的に
    潰してやる!」って…。怖いよ~。

    一度は退部を口にしたものの、瀬古の説得もあって著者は
    再び陸上競技を続ける決意をする。だが、著者の目標は
    箱根駅伝ではなかった。

    北海道の大会へ出場すること。中学生の時だけの選手では
    なったことを証明することだった。

    次から次へと不運に襲われ、時には陸上競技から離れようと
    する。しかし、陸上競技から離れれば走りたいという欲求
    が頭をもたげて来る。

    走ることもそうだが、運動全般が苦手な私には走ることの
    魅力は理解出来ない。それでも何かに魅せられ、思うように
    ならないという著者の葛藤は理解できる気がする。

    さぁ、下巻はいよいよ箱根か。

  • 下巻で

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著者プロフィール

黒木 亮:1957年、北海道生まれ。カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。都市銀行、証券会社、総合商社を経て2000年、大型シンジケートローンを巡る攻防を描いた『トップ・レフト』でデビュー。著書に『巨大投資銀行』『エネルギー』『鉄のあけぼの』『法服の王国』『冬の喝采』『貸し込み』『カラ売り屋』など。英国在住。

「2021年 『カラ売り屋vs仮想通貨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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