帝都東京華族少女 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 172
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421547

作品紹介・あらすじ

明治三十九年の東京。千武男爵家の令嬢・斗輝子は、住み込みの書生たちを弄ぶのが楽しみだが、なぜか帝大生の影森にだけは、馬鹿にされっぱなしだ。そんな二人が参加した夜会で、殺人事件が起きた。嫌疑がかけられたのは、斗輝子の祖父・総八郎。影森と斗輝子は、総八郎の疑いを晴らそうとするが-。異色コンビが活躍する爽快&傑作ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 木挽町のあだ討ち文庫待ち。図書館にある永井さん全部読みます、2冊目。
    明治39年春の帝都東京。男爵家の令嬢と謎を秘めた住み込み書生が、巻き込まれた殺人事件。
    それは、二人が参加した夜会でおきた伯爵毒殺事件。
    当時の華族界の様子、女性の地位など、華麗に取り込む。事件そのものより、そこに至ることになった伯爵への周囲の怨念、家族制度の亀裂を読めます。
    序の明治18年の出来事が最後に効いてくる。
    不満は、書生の謎の一部を誤魔化したかなと思ったこと。
    が、読んでから気がついたのだけど、マミさんが読んでた「華に影 令嬢は帝都に謎を追う」の、底本?タイトル変えての再出版かな。
    もしかして、加筆修正ありで、私の不満部分は解決されているのかもしれない。
    それにしても、もっと読まれても良いと思う良作だけど、がっかり感は残る。

    • 土瓶さん
      じゃあごめん。
      謝っとこう。☆2や。
      あのラストはなぁ……。
      じゃあごめん。
      謝っとこう。☆2や。
      あのラストはなぁ……。
      2024/01/22
    • おびのりさん
      あらまあ、小説完璧主義。
      でも、ふわふわは、だめでしょ。
      ゆるいのも嫌でしょ。
      ストーリー重視でしょ。
      困ったねえ。
      あらまあ、小説完璧主義。
      でも、ふわふわは、だめでしょ。
      ゆるいのも嫌でしょ。
      ストーリー重視でしょ。
      困ったねえ。
      2024/01/22
    • 土瓶さん
      好き嫌いが多いって損だよね(◞‸◟)
      まあ、適当に読むさ(^▽^;)
      好き嫌いが多いって損だよね(◞‸◟)
      まあ、適当に読むさ(^▽^;)
      2024/01/23
  • 明治三十九年の東京。千武男爵家の令嬢・斗輝子は、住み込みの書生たちを弄ぶのが楽しみだが、なぜか帝大生の影森にだけは、馬鹿にされっぱなしだ。そんな二人が参加した夜会で、殺人事件が起きた。嫌疑がかけられたのは、斗輝子の祖父・総八郎。影森と斗輝子は、総八郎の疑いを晴らそうとするが―。異色コンビが活躍する爽快&傑作ミステリ!

  • ただの恵まれた令嬢ではなく、華族社会の光と影がきちんと話に組み込まれている。
    女性は家の都合でいいように使われ、本人の意思が無視された時代。
    斗輝子のたくましさは、すがすがしい。
    影森にはいいようにあしらわれているのもおかしく、いいコンビ。
    背景は意外と複雑で、重みがある。
    いろいろやるせないものの、これからは前向きに進んでいけそうなラスト。
    テンポもよく、読後感もよかった。

  • 華族の世界の煌びやかでありながら息苦しい感じが描かれていると思う。斗輝子さんのキャラクターが好きなので続編とかあればいいな

  •  時代設定を上手く活かした話、勝ち気な貴族のお嬢様と謎めいた皮肉屋のイケメン書生という身分差ロマンスを期待してしまうメインキャラの配置がトキメキますが、あまりそちら方面のドキドキは感じられず、ちょっと残念。
     ミステリーとしては、謎解きの面白さではなく事件をめぐる人物や時代背景を楽しむ話と思って読み進めていましたが、最後のトリックでミステリーとしての完成度が増していますね。
     貴族の暮らしぶりや、家父長制に縛られた当時の考え方など細かな部分に時代らしさを出していて良かったですが、全体に詰めの甘さが散見されるのが惜しいところです。

  • 華族の家族の物語。

    文庫なので裏表紙に惹句が書いてあるけれどこれがひどい。本作の主題はねじ曲げているし、些末な出来事を物語の中心であるかの如くになっている。
    なんとしてもミステリー棚に入れたいという営業的目論見によって書かれたのでなければ、本作を読んでいないか、あるいは読解力に難のある人物の筆によるものだろう。
    これを真に受けたならおそらくは読まなかった。これほど内容を薄っぺらに感じさせる惹句はこれまで見たことが無い。著者はこれで良しとしたのかな?

    殺人事件は経過の一部に過ぎず、探偵役の謎解きなどはなくても成立する。華族という社会階層に起きた事件は、その当時の男性中心の社会制度や、帝国主義的時代背景も巧く使っていてとても面白い。ある些細な出来事から始まって多くの人々の意志や情念が絡み合い、数十年を経て殺人事件へと繋がってくる。その物語は、横溝正史っぽいミステリーか、歴史小説風にした方が良かったように思う。
    少なくとも、惹句にあるような「男爵家の令嬢と書生の異色コンビが活躍する爽快&傑作ミステリー」程度の底の浅い謎解きにするのは勿体ない。そんなものならテレビドラマで毎週たくさんやっているし、書籍にしても他にいくらでもある。

  • 惹句から連想するよりはずっと生真面目な時代ミステリ。ミステリ色は薄くて、嫌われ者の伯爵を殺した犯人はなんのひねりもない人物で、当然推理らしい推理もなくかなり早い段階で明らかになってしまう。それより事件の背後でうごめく政商の非情な工作や、家に縛られる女性の悲劇を描くことに主眼がある。とは言え、やけに説教臭いのには閉口する。

  • 明治時代の封建制度が前提となる物語。女性の権利なんて全くなく、政略結婚横行してるわ遺産相続の権利ないわで、嘘でしょ⁇の世界。それにしても終わり方…犯人はまぁ、あの人か…ってわかったけどそこからまさかの展開。個人的にはイヤミスっぽい。それに犯人を見つけるまでがわりと長いと感じました。明治時代のファッションや当時の召使いなんかはとても好きなんだけどなぁ…。おもしろい!ってわけでもおもしろくない!ってわけでもありませんでした。

  • 初読みの作家さんで惹句が「異色コンビが活躍する爽快&傑作ミステリ」と不安でしたが、お勧めされた方々が手放しで褒めていらっしゃったので読むことに~。

    鹿鳴館舞踏会で暴徒に襲われるシーンは、過去に読んだ小説に似ていて、今でもタイトルを思い出せません。惹句に書かれたような、単に男爵家の令嬢と書生が事件を解決するストーリーに終始しなかったので、削がれずに読了できました。
    新政府樹立に貢献した武士や商人らは爵位を与えられたんですね。(調べると高い方から公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵)
    明治維新によって日本が大きく変わったのは間違いないけれど、決してプラスの面ばかりではなかったようです。背景に血なまぐさい事件だけでなく、利権を伴うダーティでどろどろとした物が渦巻いていたのだと、今更ながら感じいります。
    ため息をつきたくなりますが、知識を得て自らの歴史観を見つめ直すのは大きな喜びです。
    ただ、ヒロインの千武斗輝子(ゆきたけときこ)は、同じく華族を背景にした物語『雪の階』で読んだ惟佐子の個性が強烈に残っていて、今ひとつでした。
    同著作者による「福を届けよ」を読む予定です。

  • 謎解きとしては物足りない部分も多いけど、事件解決がきれいごとではなく濁な部分があったのがよかった。
    お嬢様と書生の続きは書かないのだろうか。

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著者プロフィール

1977年神奈川県生まれ。慶應義塾大学文学部卒。新聞記者を経て、フリーランスライターとなり、新聞、雑誌などで幅広く活躍。2010年、「絡繰り心中」で第11回小学館文庫小説賞を受賞し、デビュー。2021年、『商う狼 江戸商人 杉本茂十郎』で第40回新田次郎文学賞、第10回本屋が選ぶ時代小説大賞、第3回細谷賞を受賞。他に『大奥づとめ』『福を届けよ 日本橋紙問屋商い心得』『帝都東京華族少女』『横濱王』『広岡浅子という生き方』などがある。

「2023年 『とわの文様』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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