漁港の肉子ちゃん (幻冬舎文庫)

  • 4040人登録
  • 4.07評価
    • (440)
    • (538)
    • (272)
    • (30)
    • (8)
  • 478レビュー
著者 : 西加奈子
  • 幻冬舎 (2014年4月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421844

漁港の肉子ちゃん (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 最後がもう、大号泣です…!
    今まで読んだ西さんの作品の中で一番好きです。

    太っていて不細工で、底抜けに明るい肉子ちゃん。キクりんは最近そんなお母さんが少し恥ずかしい。キクりんの成長、漁港に生きる肉子ちゃん母娘とそこに生きる人々の息づかいを活き活きと描いた一冊。

    焼肉屋のサッサンがかっこいい。キクりんとの病室でのシーンが最高にぐっときました。
    キクりんのことが大好きな肉子ちゃん、家族のように思ってくれるサッサン。
    ちゃんとした大人なんて一人もいない、肉子ちゃんを見ても、ほんとうのお母さんを思っても、憧れのマキさんだって、町の大人たちみんなだって、どこかしら歪で…、それでも生きている。生きてていいんだ。望まれて生まれたわけではないと、ずっと思ってきたキクりんは、サッサンから叱られ、肉子ちゃんの大きな愛に触れ、涙を流します。

    うまく感想が書けませんが、本の帯に「ラスト100ページ、感じてください」と書かれてあるのがその通りだと思いました。
    笑えて、泣けて、勇気をもらえました。

  • もう冒頭から引き込まれた。西さんはやっぱり凄い。
    出てくるキャラクターは、やっぱり愛おしくて、切なくて、ふざけてて…西さんワールド全開。
    温かい涙が溢れる作品だった。肉子ちゃんのような不器用だけど固まった心を解してくれるような人が、キクりんの側にいて良かった。というか、キクりんがあーなったのは、肉子ちゃんのせい?おかげ?だと思うけど(笑)
    温かくて哀しいのに感動して、読み終わった後前向きになれる作品。さすが西さん。
    やっぱりこの作品も大好きでした。読んで損なし。

  • ★4.0
    娘・キクりんにとっては、太っていて不細工で声が大きい母親・肉子ちゃんが恥ずかしい。序盤は、そんな肉子ちゃんの男性遍歴と転居の理由に眉を顰めたものの、気付けば肉子ちゃんの大らかさとふくよかさに包み込まれていた。確かに、肉子ちゃんは非常識で少し馬鹿かもしれない。が、それを補って余りある長所がたくさんある。そして、サッサンを始めとする港町に暮らす人たちも、個性的で優しくて温かい。それにしても、小学生で「悪童日記」を読むキクりんが渋すぎる。肉子ちゃんとキクりんがいつまでも仲良く幸せでありますように。

  • 三大最高西加奈子のひとつ
    つい喋り方が心に残ってしまう
    頭の中で漢字とか分解しちゃうようになる

  • キクりんの学校での悩みとか、ふとした孤独感とか、共感できる所がたくさんあって、最後にサッサンの大人の優しさや肉子ちゃんの肉子ちゃんらしいところに包まれて救われてめっちゃくちゃ泣きました…。大阪人なので肉子ちゃんの「おっけーやでっ!」とか「めっちゃ海やなぁっ!」とか、言うわ〜言うてまうわ〜と思って面白かったです(笑)解説の日野さんが「西さんに自分が生まれ育った街を見てほしかったのだと思う」と書かれてて、恋人でもない人にそこまで思わせる西さんってとても素敵な人なんだろうと感じました。

  • おもしろかったです。

  • 流れ着いた北の港町。焼肉屋で働いている肉子ちゃんは、太っていて不細工でとても明るい。小学五年の娘・キクりん(肉子ちゃんに似ずとても美少女)は、そんなお母さんが最近少し恥ずかしい。
    港町に生きる肉子ちゃん母娘と、二人を取り巻く町の人々の、温かくてちょっぴり切ない物語。

    読み始めたばかりの頃は、これはかるくコメディーなのか?と思ったのだけど、読み進めていくと、とても濃密な人間ドラマなのだということがわかる。
    ストーリーテラーは肉子ちゃんの娘キクりん。通う小学校での出来事(派閥があったり仲間はずれが起きたり)はピリッと痛いリアルで、肉子ちゃんや町の人たちとの日々はほのぼのしている。
    肉子ちゃんは鈍感で人の心を察するタイプではないけれど、まっすぐでバカ正直で何事にもとても一生懸命で憎めない。太っていて不細工でがさつだけど、不思議とみんなを惹き付ける。

    肉子ちゃんみたいに損得勘定なしで思うままに生きることって、みんな心のどこかで憧れてはいるけれど簡単にはできない。
    「ありのまま」ってフレーズも随分流行ったけれど、実際は、常識だとか人の目を全然気にしないで思いのままに生きている人ってめったにいない。
    肉子ちゃんは無理をして信念を貫いているわけではなくて、自然に生きている結果そうなっている、という感じで、とても強くて美しい人だと感じた。自分の人生の落とし前は自分できっちりつけていて、誰のせいにもしない潔さが。

    肉子ちゃんの人生を知るにつけ涙が溢れ、彼女のキクりんへの揺るぎない愛情を感じて、家族って他人同士が努力をして築いていくものなのだということを改めて知った。
    あとがきを読んで、物語はさらに深度を増した。
    生まれるべくして生まれた、というのはきっとこういうこと。

    キクりんの学校の生徒で、二宮、桜井、松本という3人組が出てくる度に、大野と相葉はどこ行った?と思ったのでした。笑

  •  ユーモアにだまされてはいけない。ことによると、これはとてもすごい小説なのではないか。
     このひとの書いた本を読むのは初めて。読み始めてすぐ、ものすごく多彩な「ことば」のパレットを持っているひとだということに気づく。さらに読み進めてゆくうち、他愛のない「ことば」がひとつひとつ「糸」で宇宙とつながっているように感じられてくる。 
     不細工で、美しい、肉子ちゃんっ!

  • 肉子ちゃんの話だと思って読み始めたならば、さにあらず。

    焼肉屋のおやじさんがとても良い、ああいう人でいたい。

  • 以前の話。
    レジでふと、熟女風俗嬢に『私さっき泣いてもて今日は仕事したくないねん…』と話しかけられたことがある。相槌を打つと、人差し指も火傷して痛い、火で焼いてもたねん、と話す熟女。絆創膏あげますよ、と私が言葉を返すと『そんなん、お姉さんが怒られるやん… 悪いなあ、悪いなあ…』とも。私は別に誰にも怒られないしなーと思って絆創膏をあげた。
    『悪いなあ…… ありがとう……』と受け取る熟女風俗嬢の手に触れたときのなんとも言葉にうまく表現できない感じ、決して哀れみとか軽蔑とかじゃなくて、どちらかと言えば温かい、少しばかりか元気をもらえたような、デジャブのような、なんだろうなんだろうと考えてみたら、ああそういえば前に読んだ西 加奈子の小説だ、肉子ちゃんだ、と。
    そのときにこの小説の良さを改めて感じた。

全478件中 1 - 10件を表示

西加奈子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
西 加奈子
三浦 しをん
西 加奈子
有効な右矢印 無効な右矢印

漁港の肉子ちゃん (幻冬舎文庫)を本棚に登録しているひと

漁港の肉子ちゃん (幻冬舎文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

漁港の肉子ちゃん (幻冬舎文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

漁港の肉子ちゃん (幻冬舎文庫)の作品紹介

男にだまされた母・肉子ちゃんと一緒に、流れ着いた北の町。肉子ちゃんは漁港の焼肉屋で働いている。太っていて不細工で、明るい-キクりんは、そんなお母さんが最近少し恥ずかしい。ちゃんとした大人なんて一人もいない。それでもみんな生きている。港町に生きる肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描き、そっと勇気をくれる傑作。

漁港の肉子ちゃん (幻冬舎文庫)の単行本

ツイートする