- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344421882
感想・レビュー・書評
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椎名くんみたいな人って本当にいるんだよな、、、
誰から見ても輝いてて人気者で憧れの対象なんだけど、なんとなく人間味がなくて実際なに考えてるのか1番分からなくて危うくてすこし怖い感じがすごいうまーく表現されてた
そういう人って奥の奥が分からないから、この物語にも椎名くん目線のストーリーが無くて納得した
とか言いつつ、生まれ変わったら椎名くんみたいな分類の男の子になって小中高で無双したい詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
地方で楽しんでる人は、いつもクラスの真ん中に陣取り、リア充だったひと。友達にも恋人にも恵まれ、地元に満足しているひとにとっては、東京は観光地でしかない。あとがきが、ぶっ刺さったな。
私は間違いなく、リア充ではないし、ここではないどこか、に一生憧れてて、常にふらふらしちゃってるので、そうか生まれた環境が退屈でない人もいるのねと思った。
4話目の「君がどこにも行けないのは車持ってないから」っていうフレーズよかったな。わたしも、車を持ったり、家具を買い揃えてひとりぐらしたりしよう。誰にも頼らずに、迎えも待たずに、自分の行きたいとこに軽やかに行こ。 -
東京で一人暮らしを始めて、やっと自分がものすごく狭い場所で苦しんでいたことに気付いた。その時の気持ちを思い出した。
それと同時に、東京の喧騒の中で自分の薄っぺらさを誤魔化していた恥ずかしさも。
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あ~、思春期こじらせちゃってる痛さとか、世間知らずの生意気さ、若者特有の根拠のない自信とかがビンビン刺さる。
昔の自分を思い出して赤面するような。
タイトルが秀逸だなぁ。
どこにいたって退屈で、他人を当てにするだけの痛さ。 -
田舎と言うほどでもない地方都市で、冴えない日々を送る女子たちの話。
ここではないどこかでもっと楽しいことが待っているはずという期待を抱く彼女たち。
東京の人はませてると聞かされたものだけど、案外地方の方がどんな出来事も均質化されていて一線を踏み越えるのに抵抗がない危うさを持っているのかも。
自分も地元を脱出したかった組で、紆余曲折を経ていまは海外暮らしで、個人的には自分の人生大成功だと思っているのだけれど、多感な時期を過ごし田舎を出た直後ごろまでの、刺激がない日々ゆえ妄想にコントロールが効かなかった時期は、思い出すと痛々しくやり直したいと思う。
そんな後悔を浄化してくれる本だった。 -
自分の地元も田舎とも都会とも言えないようなところだったから、東京のような都会に憧れることはしょっちゅうあった。東京だけじゃなくて、それが海外だったり洋楽などの音楽だったりもしたわけだが、自分の居場所、自分のいるべき場所がここではない感じがしているという小説内の登場人物の描写に強く共感した。
今では私は地元を離れたわけだが、それがいい結果となっているのかどうかはまだ分からない。地元にUターンして就職することを考えると少し恐ろしい気もする。
しかしこの小説を読んで境遇は違えど、同じような気持ちを抱いている人々を見て救われたような感じがした。 -
結局は自分の人生自分で何とかするしかないんだよ、行動起こさなきゃ、〇〇歳らしさに自分を当てはめる必要は無いんだよ、と思わされた。
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すんなり馴染める小説にあまり巡り合えないけど、これは良かった。短編集だから一編読んで一息つけるのが良い。ひとつひとつの短編が有機的に繋がって読めるのも良かった。地方都市に住む女子の鬱屈にリアリティを感じる。
えっ?と思うようなところでLGBTネタ入れてきてその描写に唸ったし、喘ぎ方講座のビー・シャイ!モア・センシティブ!に笑った。男子高校生に負けないくらいバカな女子高生もおもしろかった。
幸か不幸か、生まれも育ちも住んでるのも東京だけど、地方都市に生まれ育ったらどうだったんだろう?自分の性格を考えると、鬱屈しつつも東京に出るエネルギーはなかったんじゃないかなと思う。東京に住んでいてうんざりする気持ちもあるけど、うっかり昔の誰かとすれ違ってしまう確率が低い、薄情な東京も悪くないと思えた。誰でもない自分でいられるのは大都市の特権だろう。とはいえ、東京は夢も金もないロンリーなおっさんの居場所じゃない。じゃあどこに居場所はあるのか?知るかボケ。
居場所があるのではない。居場所にするのである。なんてな。 -
つらすぎたのだけど一気に読んでしまった。わたしと氏は同郷。ゆえになおさらしんどい。この、田舎ではすごい速さで年を取っていく感覚、どんなに抗っても収まるところに収まってしまうことへの諦めまみれの絶望、かつては確かに尖っていたはずの何者かであった自分とあの子、気付けばただの、何者でもないただの凡人になっていたことへの、これまた諦めまみれの悲しみ、わかる。それよ。そうなのよ。田舎というのはそうなのよ。
同郷であることも少なからず影響してると思うんだけど以前から親和性高いなと思いつつちゃんと小説読んでなかったんだけどもう瀕死になった。くだけた文章なのに上手い 。椎名の使い方が好みすぎる。他も買ってこよう。 -
軽々しくて、ちょっとだけ胸糞が悪くなる話たちだった、良い意味でも。良い意味で胸糞が悪くなるってなんだ!?って思うだろうけど、まあそういう感じ。この作家の作品はしばらく読まないかもなー。