プリズム (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 6297
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421929

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  • 【あらすじ】
    世田谷に古い洋館を構える資産家の岩本家に聡子は足を踏み入れた。美しい夫人から依頼されたのは、小学校4年生になる息子・修一の家庭教師。修一と打ち解け順調に仕事を続けていた聡子だが、ある日、屋敷の庭を散策中に、離れに住んでいるという謎の青年が現れる。青年はときに攻撃的で荒々しい言葉を吐き、聡子に挑みかかってきたかと思えば、数日後の再会では、陽気で人当たりが良く聡子を口説いてからかったり、かと思うと、知的で紳士然とした穏やかな態度で聡子との会話を楽しんだり……。会うたびに変化する青年の態度に困惑するが、屋敷の人間は皆その青年については口を硬く閉ざすのであった。次第に打ち解けていく青年と聡子。やがて、彼に隠された哀しい秘密を知った聡子はいつしか彼に惹かれはじめている自分に気づき、結ばれざる運命に翻弄される。変幻自在の作品を生み出す著者が書き下ろした、哀しくミステリアスな恋愛の極致。


    『「将来は何になりたいの?」
     大人はよく子供に訊く。
    「大人には未来がない。でも子供にはある。子供を見ると、大人は無意識にそれを思い出すのかもしれないね。なりたいものになれなかったことを無意識に思い出しているのかもしれない」』


    【個人的な感想】
    感涙必至と書いてあって気になって読んだが、泣けはしなかった。解離性同一性障害を取り扱った本は初めて読んだ。

  • 最初の方に出てくる、主人公の旦那の多重人格者に対する見方に共感する
    だから、この作品のテーマには全然共感できない
    ーーーーー
    ある資産家の家に家庭教師として通う聡子。彼女の前に屋敷の離れに住む青年が現れる。ときに荒々しく怒鳴りつけ、ときに馴れ馴れしくキスを迫り、ときに紳 士的に振る舞う態度に困惑しながらも、聡子は彼に惹かれていく。しかしある時、彼は衝撃の告白をする。「僕は、実際には存在しない男なんです」。感涙必至 の、かつてない長編恋愛サスペンス。

  • 多重人格の物語だったが、私は以前多重人格の人と短い期間ではあったが、関わっていた時期があった。
    その人が本当に多重人格だったのか、演技のようなものだったのかは今となっては分からない。
    しかし、その人の多重人格の真偽は別として、多重人格の事を少し齧っていただけに話にグイグイと引き込まれた。

  • 取材を頑張ったのはわかる。
    でも内容が薄い。
    人格の中の女の子やおじさんなど一瞬だけ出てきただけで伏線なのかと思った。
    恋愛話も中途半端で全く感動もしない。
    複雑な設定で説明することが多いのはわかるが、その分、しっかりした内容にして欲しかった。
    小学生の修一は途中で出てこないし、タクヤを嫌いというが、理由はわからないまま。
    父親とかおじいさんとか綺麗な奥さんとかミステリーになるかと思ったのにつまらない恋愛話がオチ。
    ただ、読みやすいので星二つ。

  • 初めの方から、何が起こるか、次どうなるか、ワクワクしてスラスラ読み進めることができた。“多重人格がどういうものか”というのがとても興味深かった(あるいは著者がそう思わせてくれた)し、ストーリーや登場人物のセリフからも分かりやすく、スーッと頭に入ってきた。多重人格になる原因や、当事者の苦悩も生々しく描かれていて、少し苦しくなったけど、こういう精神疾患はわたしには常日頃から理解し難いものだったので、“理解した”には程遠いが、辛い気持ちが少し分かったかなあ、、。ちょっと反省した部分もある。診断や治療の難しさや疫学的な情報もあって勉強にもなった。、、という、“多重人格がどういうものか”から途中で恋愛色の濃いものになっていき、聡子とはあまり共感するものがなかったので、少し遠くから眺める感覚だった。登場人物の気持ちになるような入り方はしなかったけど、ストーリーは展開が早くてとてもおもしろかった。百田さんは初めて読んだが、また読んでみたい、あるいは映画やドラマだったらおもしろいだろうなあと思った。

  • 前半は、お屋敷の描写や登場人物が気になってわくわくしながら読めたが、個人的には後半はあんまり好きな展開でなく少し残念だった。

  • 百田尚樹って、この作品だけじゃないけど、作品を通して自分の思いを伝えるのが本当に上手い。

  • 強い光もプリズムで分散され、各々の色に散る。

    (以下抜粋)
    ○でも、不妊治療は私にとっても辛いことだった。治療や検査の痛みは耐えられる。でも治療のたびに、自分が女性として欠陥があると認識させらるのが何よりいやだった。(P.63)
    ○現代の精神医学では、ヒステリーという言葉は使いません。梅田さんは古い本を読まれたのですね(P.145)

  • 好きになってはいけない相手を好きになりそうになる自分を必死に抑えようとする聡子の気持ちが分かるような気がしてなんとも言えない気持ちになりました。会いたいけど会うと自分の気持ちが膨れ上がるのを恐れているところとか…
    そう言えば、最初に本の話をしたのも百田尚樹の『永遠の0』だったのを思い出して懐かしくなりました。

  • 人は誰でも多面性があるけれど、多重人格とは違う話で。優しい時とか機嫌の悪い時とか、そういう事では無くて、全く別の人、行動や感情を忘れてしまう、その中の1人を愛してしまうなんて、なんて切ない。

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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