不思議プロダクション (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344422407

作品紹介・あらすじ

青森の弱小芸能事務所に所属するものまね芸人、シロクマ大福、25歳。将来への不安と迷いを抱える彼のもとには、仕事のオファーはないのに、なぜか不可思議な事件解決のオファーはひっきりなし。悪戦苦闘しながらも、個性豊かなメンバーと共に解決へ向けて立ち向かうのだが…。ちょっぴりおとぼけ、ちょっぴりファンタジーのエンタメミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • ★でも、どうしておれが(p.29)

    ■要点■
    (一)青森の芸能プロダクションがかかわるおかしなできごとに所属芸人のシロクマ大福たちが対します。
    (二)書名では「不思議」となっているがそこまで不思議ではないかもしれません。霊的なあれこれは出るけど。
    (三)けっしておもろないわけではないんですが妙に盛り上がらない感じもあります。もう少し悪乗りしてもよかったのかもしれません?

    ■一行目■
     シロクマ大福は、青森を活動の場とするものまね芸人である。

    ■簡単なメモ■
    【内容】・凄腕のものまね芸人、ニセモノ、予言。 ・女性店員、セクハラ、子どもの声、予知能力、燃える便器、赤い蔦の家。 ・ロックミュージシャン、謎の美少女、ストーカー、十字村、ひかり島。 ・就活、イタコおろし、少女家出、昆虫愛好家、夾竹桃、狙われた大福。

    【シロクマ大福】いまいちなものまね芸人。伏木プロダクション所属。青森で活動している。全国区になりたいと思ってはいるものの自信がない。二十五歳。白くて丸い。リアルタイムではないが「おニャン子クラブ」のファン。社長の命令でしかたなくさまざまなできごとにかかわってしまう。本名は北村大地。どんな衣装でも着た瞬間に似合ってしまうという特技がある。どうやらイタコとしての才能がマジにあるらしい。
    【伏木貴子】伏木プロダクション社長。五十歳の美魔女。元実力派女優。プロダクションは弱小だが所属タレントは百人を超える(ただし趣味レベル)。
    【ソフィアちゃん】身長百八十センチで女装している芸人。オネエではなく女性が好きすぎて女装している。三十歳になったので「ソフィアさん」という名に変えようかと思っている。ぶつくさ日常のグチを話すだけなのだが非常に受ける。芸能人の情報に詳しい。全国レベルの仕事もしている。さめているタイプ。
    【クロエ】伏木プロダクション所属の女性マジシャン。スピカ六階に占いの店を持っている。占い師としての服は黒ずくめだがプライベートでは派手な服。

    【赤い蔦の家】田沢夫婦? の家。普通の古い家だが蔦が血管のように見えて不気味。
    【石堂静子】クロエのとこに来た客。編物教室を開いている。弟の亮のことで悩んでいる。
    【イタコおろし】シロクマ大福の得意芸。津軽の伝統芸能らしい。ウクレレを弾きながら本物のイタコより少し可笑しいことを言うのだとか。
    【大人】伏木社長《大人はね、自分で自分を育てるの。育つ気がない人は、大人も子どもも変わりませんよ》p.151
    【オモチャのナイトー】クロエの店と同じスピカの六階にある。先代社長がスピカを建てた人。「毎日がクリスマスであり、誕生日である。社員全員、自分がサンタクロースなのだということを忘れてはいけない。と」
    【オリエンタルな淑女】クロエがそう名付けた、スピカの女性客。香水をつけた美女。
    【柏原】シゲタシゲルをガセと呼んだひとり。調剤薬局を経営している。
    【蟹川】青い森日日新聞社文化部の記者。大福とは古い付き合い。
    【加納商店株式会社】大福の両親が見つけてきた就職先。農産物の卸小売業。
    【カブトムシ芸】カブトムシの着ぐるみを来てカブトムシのものまねをするシロクマ大福の新ネタ。わりと受けた。
    【郷坂明美】りつ子の次男、真次の妻。
    【郷坂志保理】りつ子の孫。高校生。学校は野亜と同じところのようだ。
    【郷坂真次】りつ子の次男。三十三歳で急逝した。本当は昆虫学者になりたかった。
    【郷坂りつ子】菓匠・故郷堂の隠居。孫の志保理ともども大福のイタコおろし芸に仏頂面だった。
    【サギサギ詐欺】詐欺師から金を巻き上げる詐欺師。最近出没しているらしい。
    【シゲタシゲル】ものまね芸人。シロクマ大福よりかなり上手い。銀杏銀座商店街の紳士たちから「ガセ」と言われた。どうやらもうひとり(というか本当の)シゲタシゲルが存在するようだ。
    【篠井早菜/しのい・さな】オモチャのナイトーの新入社員。社長の内藤正樹がアプローチをかけているがセクハラとしか認識していないようだ。クロエの見るところモヤモヤしたものを背負っているらしい。なんか予知能力とか中身カラッポのオモチャの電話から声が聞こえたりとかするらしい。
    【渋川藍助】伏木貴子の元の俳優仲間。引退して芸能事務所テイク・ワンを立ち上げ成功している。
    【十字村】のどか。ノウゼンカツラが多い。須崎千英梨の出身地。
    【潤】ヒロトのバンド「デイジー」のベース。クルマに並々ならぬ愛情を注ぐ。
    【白井怜雄/しらい・れお】加納商店株式会社の面接を受けに来ていた青年。
    【四郎】居酒屋丸太の店主。大福の叔父の友だちの奥さんの従兄。
    【新時代倶楽部】社交クラブ。伏木社長が参加している。会員数は二十名程度。金満家や経営者が寄付金の額などを競う嫌みな集まりだと伏木社長は思っているが人脈欲しさに続けている。
    【菅田】加納商店株式会社の専務。あの人と同一人物。
    【須崎千英梨/すざき・ちえり】長い髪に白い肌、鳶色の瞳。ヒロトにノリ弁を差し入れたノリノリでない美少女。弁当とともに手紙が入っていて「ひかり島」という題名の詩が書かれていた。十字村出身。
    【スピカ】国道七号線沿いに古くからあるファッションビル。いちおう若向け。チープ、見た目が良ければ性能は気にしない、大人に認められなくても気にしない、幸せな気分になれるなどがコンセプト? 小さいステージがある。先代オーナーいわく「スピカは夢のくずかごであれ!」
    【田口】シゲタシゲルをガセと呼んだひとり。小学校の教員。
    【田沢暢男/たざわ・のぶお】赤い蔦の家の住人。美枝子がいらないと言ったオモチャ類を受け取った。ちょっとセクハラをやった。《すべて、オッケー、オッケー、オッケーだ!》p.132
    【田沢美枝子】赤い蔦の家の住人。雪田瑞恵の注文でオモチャのナイトーから早菜が届けたものをいらないと言った。
    【超能力】内藤正樹は「超能力は芸なのか?」貴子にと聞いた。
    【デイジー】ヒロトたちのバンド。みんなルックスがよいので伏木社長としてはアイドル的に売り出したい。日常のふとした瞬間を切り取った歌詞を重厚なサウンドに乗せるというのが芸風。
    【テント】スピカにあるクロエの店。円錐形のテントなのでクロエ自身がそう読んでいる。
    【どーこ】篠井早菜がときどき聞く得たいの知れない声。
    【内藤正樹】「オモチャのナイトー」の今の社長。ガタイがいい。新入社員の篠井早菜(しのい・さな)に惚れている。伏木貴子は「マァくん」と呼ぶ。
    【中林基樹】古村彰に殴られた男。二十五歳。
    【野亜】伏木貴子の娘。高校二年生。
    【長谷川竜一】松山たちがガセと呼んでいたシゲタシゲルのことらしい。
    【ひかり島】十字村沖に現れる謎の島。不吉らしく緊急避難放送を流すほど。
    【ヒロト】ロックミュージシャン。「デイジー」のボーカル。伏木プロダクションの秘蔵っ子。コンビニ弁当だけで生きていけるタイプ。
    【フェミおじさん】フェミニン系の女装してるおじさん。背が低く痩せている。
    【古村彰】二十七歳。ストーカー。元カノの新しい男を殴り逮捕された。スキンヘッドでけっこう美男子。
    【帆柱/ますと】十字村のイベントに来ていた子ども。シロクマ大福を「短プンちゃん/みちかぷんちゃん」と呼んで喜んだ。小太りのものすべてをさす津軽地方のスラング。
    【松山】銀杏銀座商店街のスーパーマーケット「スーパー・サンサン」を経営している。シゲタシゲルをガセと言ったひとり。
    【丸太】居酒屋。シロクマ大福のバイト先。四郎さんが店主。
    【武藤周一郎】昆虫好きのためのネットコミュニティ「夾竹桃雀を求める会」の主宰。三十代と思われる。
    【雪田宝飾】業界トップクラスのブランド。社長夫人が青森の商工会議所会長の姪。
    【横山】長谷川竜一たちが中学二年生だったときの担任だったようだ。

  • デパートのおもちゃ売り場の電話が鳴る話怖かった((( ;゚Д゚)))
    登場人物は面白い人ばっかだった。

  • 幻想シリーズが好きで、他の作品はどうなのかなと思い、読んでみました。やっぱりこのかたの作風なのか、ちょいホラーでちょいファンタジーでちょいゾクゾクっとします。 嫌いじゃないです☆ホラーは苦手だけど…って人にも読める作品だと思います。 主人公のモデルが内山くんしか思いつかないけど、わたしの中では浜田謙太さんでしたっけ⁇で、脳内再生されました。

  • オカルトかホラーかミステリか何がメインになるのか中途半端なのはまだ良いとして、設定が適当過ぎてがっかりでした。
    長谷川竜一がどうやってシゲタシゲルを海原稲荷の祭りへ派遣したのか(プロダクションからの連絡はどうやって阻止したのかも含めて)、とか地元で女装をして女子高生に絡む会社役員は発覚すれば会社で問題になるとは思わなかったのか、とか身長180超えのソフィアちゃんが肉の薄い頬のやせた男である郷坂真次のふりをしてその妻を騙せるのか等々、無理が多いと読んでいて感じました。
    中途半端なばかりで…どうにも納得が出来ませんでした。

  • 芸能プロダクションのみんなで力をあわせて事件解決!という話かと思いきや、しっかりとオカルトものだったり、民俗伝承が入ってきたりとで、飽きのこない連作短編集だった。
    大福さんのカブト虫ものまねが見てみたい!

  • 青森にある弱小芸能プロ「伏木プロダクション」
    サエない物まね芸人 シロクマ大福と、仲間の芸人たちに
    ふりかかる不思議の数々

    変身、未来予知、幻の島、降霊術

    ミステリというよりホラー色のほうが濃い感じ
    ラストは、どれも放りっぱなし感(笑)

    キャラは結構面白いのだけど、ツメが甘いなぁ

  • 幻想シリーズかと思って買ったら違うシリーズだった。でも系統は同じ。
    さらっとした語り口でホラーやら殺人やらを混ぜてくるので、怖がればいいのか笑えばいいのか、まさに不思議な感じ。作者がどんな感性を持っているのか、気になる。

  • 2016.10.06読了

  • ミステリーなんだけど、ちょっとほんわか系なミステリーだった。



    青森の弱小芸能事務所に所属するモノマネ芸人のシロクマ大福。いつかは、東京に出て全国区の芸人になりたいとは思ってるが、なかなか青森から出られない。
    そんなシロクマ大福には、仕事のオファーはないのに、なぜか不思議な事件解決のオファーはひっきりなし。風変わりな事務所の仲間と一緒に、今日もシロクマ大福は事件を解決する。



    いろんな不思議な事件があって、それにシロクマ大福が巻き込まれ、社長に事件を解決しろと言われる大福ちゃん。芸人としての仕事よりも居酒屋でのバイトのほうが実入りがいいかんじ。
    というか、大福ちゃんがバイトしてる居酒屋行ってみたいなーとか思ってしまった。


    2015.12.30 読了

  • (収録作品)ものまね/超能力/イリュージョン/降霊術

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著者プロフィール

1964年青森県生まれ。2006年『闇鏡』で第18回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。『幻想郵便局』がベストセラーとなり、以降、「幻想」シリーズで人気を博す。他の著書に『ある晴れた日に、墓じまい』『うさぎ通り丸亀不動産 あの部屋、ワケアリ物件でした!』『オリンピックがやってきた 猫とカラーテレビと卵焼き』「おもてなし時空」シリーズ、「仕掛け絵本の少女」シリーズなどがある。

「2023年 『キッチン・テルちゃん なまけもの繁盛記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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