けむたい後輩 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 1867
感想 : 154
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344422889

感想・レビュー・書評

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  • 期待を上回る面白さと丁寧な解説がよかった!
    エピローグの急展開さにいい意味で栞子と共に置いてかれそうになった笑
    同情はするけど味方にはなれないキャラクターたち。そもそもどれも他人事ではないような胸にちくりとくる作品でした。

  • 美里が挫折を経験してから栞子に対して理解を示し始めたのが印象的。
    何か失敗をすることで自分とは違う価値観を許すというか認めるというか…そうやって大人になっていくんだなぁと。

    物語が進むにつれてなんとなくテッパンの流れに気がついてきて、爽快感を感じてしまった。

    自分に栞子な一面がないとは言い切れないから、首根っこ掴まれて終わった気持ち。

  • 栞子が自分は特別で、普通の人とは違う、という考えをずっと捨てられない所が徐々にかわいそうになっていきました…
    終わり方はスッキリしていて良かったです!

  • 大学で元詩人の先輩・栞子に出会い心酔していく真実子と、それを面白く思わない親友の美里
    女子大を舞台に三者三様のプライドとコンプレックスが描かれている

    栞子は一貫して悪役側だったけど気持ちはちょっとだけわかる
    この子は案外普通の子だと思う

    それに対して真実子が1番共感できなかったなあ
    エピローグでスカッとする構成なんだろうけど個人的には違和感が残った
    現実でこういう子は見たことないけど実際にいたら確かにけむたそう

    辻村さんは男女問わず若い人の心理描写が上手いなって思うけど、柚木さんは女子の心理描写に特化してるイメージがある

    ✏テレビで、やっと世界とつながってる人は多いんだよ。パソコンを立ち上げて、見たいものをチョイスするのは、自分の時間があって両手が使える人がやることだよ

  • 『けむたい後輩』柚木麻子さん

    男が中心の栞子と、栞子が中心の真実子、真美子が無意識にも中心になってしまう美里。
    みな自分の居場所を作る、守るために躍起になって生きている。互いにそれぞれの価値観とは相入れず、理解できずにそれぞれの主張がぶつかり合いつつも、成長していくストーリー。

    美里が一番清々しく、はっきりしてて気持ちのいい登場人物。頑張りが報われるような終わり方でよかった。
    頑張れば報われる。それと、頑張らなければ抜かされ、落ちていく。時間とともに成長するか堕落するか。維持は、少しでも向上する努力をしないと保てない。
    栞子さんが下がったのではなく、周りが上がっただけ。変わらぬ位置で、時と共に成長するためには自分の努力が必要だと思った。

    〈背表紙より〉
    14歳で作家デビューした過去があり、今もなお文学少女気取りの栞子は、世間知らずな真実子の憧れの先輩。二人の関係にやたらイラついてしまう美人で頑張り屋さんの美里は、栞子の恋人である大学教授に一目惚れされてしまう。名門女子大を舞台に、プライドを持て余した嫉妬心と優越心が行き着く先を描いた、胸に突き刺さる成長小説。

  • 最後の一章でスカッとした!

    マミコが先輩にガツンと言うところ!
    「タバコ吸うのやめてもらえますか?」
    も良くぞ言った!と感じた
    強く生きてくって大事だなと思った

    女友達は大切に。と改めて思って

    男にチヤホヤされるのは確かに嬉しいけど、自分を持ってないとタダの流されて人間になっちゃうんだな

  • 柚木麻子さんのBUTTERがすごく良かったので、別の作品も読んでみた。栞子の痛々しさが身につまされるというか、共感性羞恥を発動してしまうんだけどどこか憎めないし、栞子が演じている「カッコイイ女」もすごく分かる。割とほのぼのした感じで終わるのかと思ったらラストが衝撃だった。後味がよくわからない作品。

  • 最初はあまり好きじゃない物語かもしれない…と感じた。女子校、寮生活という自分には体験したことのない設定だったから?

    読み進めていくと、いい意味で裏切られた!
    栞子さんと真実子が対の存在になっているのかもしれないが、個人的には美里の存在が大きかった。
    栞子の、他人と違っていたいという気持ちと、そんなポーズをする人間に苛々が募る美里の気持ち、どちらも凄まじく共感した。
    真美子が一番フィクションじみた存在になっていくのが面白い。

  • 柚木さんの女性の心理描写がとても好きだ。
    栞子が痛々しくて目を逸らしたくなるけど、「私は他の人とは違う」なんて気持ちは自分にも少なからず心当たりがあった。
    栞子みたいにあそこまで自分を突き通せるのは、ある意味羨ましい。

  • 素直さは、尊く、そして時に暴力になる。みんな素直に生きたい。だけど、自分に負け言い訳をして生きている。そんなことをしてる間に素直な人はどんどん進んでいく。誰も栞にはなりたくないけどほとんどの人が栞なんだろうな。進めないことは、本当につらい。そして、楽でもある。自分は、どっちに行きたいのか?たまに読みたくなる物語。

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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