夢を売る男 (幻冬舎文庫)

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著者 : 百田尚樹
  • 幻冬舎 (2015年4月3日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344423190

夢を売る男 (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

  • 面白くないわけではない。
    百田さんが自虐的に書いているところは、なるほどと思った。
    自分のスタイルを悪いとは思っていないから書ける文だなと。
    現在の出版業界の厳しさや作家を取り巻く状況がよく伝わってきた。
    なのに百田さんが物語を通して伝えたかったことはよくわからないという・・・。
    ここそこに書くことを生業としている人たちへの思いがにじみ出ていて、読んでいて居心地の悪さを感じたりもした。

    インターネットの普及が自己顕示欲の強い作家志望を生んでいる。
    これには納得する部分もあった。
    誰かに伝えたいと思ってブログをやっているわけではないけれど、結果として外に発信していることは間違いない。
    偉そうに批評するほどの読む力があるわけでもないのに、つい感想というには踏み込みすぎたことを書いているような気もする。
    たっぷりとブラックな部分が散りばめられている物語だった。
    読書家を自認し本の感想ブログを上から目線で書いているのに書籍は購入しない主婦には笑った。
    けれど読みたい本をすべて購入するほどの資金力があるわけもない。
    結果的に図書館や再販書店を利用することが多くなる。
    だから出版業界がますます苦しくなるんだよ!と言われそうだけれど、それが現実でもある。
    最後に登場する駆け出し編集者とのエピソードは、牛河原という人物への肯定のように思えて複雑な思いがした。
    丸栄社から出版した人の多くは満足していることだろう。
    誰も損はしていないのかもしれない。
    でも、それは出版を委ねた人たちが真実を知らないからだ。
    最低限のルールさえ守っていれば「有り」なのだという牛河原の商業主義に名を借りた傲慢さが気になった。

    「永遠の0」や他の百田さんの物語も読んでいる。
    美味いラーメン屋だと思って入ったらカレー屋だった!!を実感した物語だった。

  • 三流インチキ(!)出版社に勤める編集長が、自身の本を出版したがる人々に夢を売るお話。

    よい塩梅でシニカル。この位が個人的には好き。

    というか、ビジネスを行う上である程度阿漕なのは
    普通のことだと思うので、
    顧客と業者の両方が利益を感じられている
    作中の状況は至極普通だと思ってしまった。

    作中で良いように扱われる作家たちのように、
    いつか自分の本を出してみたいなー。
    高いと感じるマージンを払わされても
    自己承認欲求が満たされるのであれば
    実現してみたい。

  • いろんな理由で本を出版したい人達が出てきたけど、みんな決して安くないお金を払っているのに手放しで幸せになっているのが少し不思議でした。牛河原さんの営業トークが上手すぎる(笑)面白かったです。

  • おもしろくて1日で読んでしまった。百田さんはこんなものも書くのね、という感想。自費出版のからくりなどわかって興味深かった。主人公牛河原氏の発言に、けっこううなずいてしまう。

  • H29.01.29 読了。

    前に読んだ百田さんの文庫本のあとがきで、クドカンがこの作品のことを面白いと書いてあったので読んでみた。

    まず思ったのが、百田さんの作品って読みやすい。良い例えがわからないが、小説というよりかは、漫画を読んでいる気分。
    すらすら読んでいけるんよね。

    そして、ストーリーが分かりやすい。
    子どもでも、大人でも読める。

    はじめはちょっと嫌な人だな、と思う牛河原編集部長。
    ずっと鼻くそほじってて汚いし。
    しかし、実は熱い人なのかなって感じで、章が進むにつれ、良い人に感じた。
    まさしく、夢を売る男。

    脚本家さんってだけあって、文章が頭で映像化しやすくて、楽しんで読めた。
    また他の作品も読んでみたい。

    先に映画版を観た「永遠の0」「海賊とよばれた男」もいつか読んでみたい。

  • いつも扱う題材が面白く、描く視点に愛情を感じる作家だと思います。この本は出版業界を舞台にしていますが、作家としてこの業界を描くことはある意味でギャンブルのようなところがあるのかも知れません。しかしそのギャンブルを楽しんでしまうところがこの作家の魅力の一つなのではないでしょうか。主人公の牛河原のキャラクターは、出版業界への皮肉と愛情に溢れていてとても魅力的でした。

  • 結構なダークヒーローかと思わせつつ人情味の溢れる牛ちゃんですね。さらっと読める作品です。

  • 2016.12.24
    百田尚樹は安倍晋三と本を出したときから読むのをやめていた。
    たまたま貸してくれた友達がいたので、読んだ。
    やっぱ読みやすいし、面白く読める。
    自分は本を読まないのに自分の本を読んでほしいと思っている。
    日本語ができるから誰でも本が書けると思っている。
    日本人はブログの発信がすご〜く多い。
    など
    牛河原は確かに夢を売っているのかもしれない…

  • 「口が達者な主人公が人を騙してお金を稼ぎまくる、不愉快な種類の話かな・・・?」と思って読み始めたのだが、読み進めるうちになぜか小説が書きたくなる。書いて牛河原に褒められたい。そして売れるかもしれないという夢と希望に胸を膨らませながら本を出版したい自分がいた。

    気がつくと牛河原の語る価値観や物語に引き込まれている感じ。

    いやいや牛河原もかなり悪どい事しているからね、と脳内を整頓しながら読み進める。なのに最後に牛河原の「編集者としての矜持」で、すっかり良い奴が良い事した良い話の読後感。図らずも心がホッコリ。

  • 自費出版ビジネスにしろジョイントプレスにしろ、顧客を得るやり口に憤りを感じた。牛河原の、割り切って堂々としている姿勢は、丸栄社の社員としては間違っていないのかもしれないけど、ただ口先だけの、丸栄社にとって都合のいい編集者なのではないのだろうか。それにしても、百田さんの文章はまさに牛河原のいういい文章だと思う。

  • 自己顕示欲のあまりに本を出したい、何かを成したいと言う現代人に本の出版を持ちかける出版社の編集長の物語。
    夢は売れども、自身の矜持は譲らず。主人公牛河原はどこか憎めないところがある。

  • 百田尚樹さんの本を久しぶりに読む。
    舞台は現在、出版社の悪徳編集者、という体であったものの
    読み進めて行くといい意味で期待を裏切られ、そのまま終了。
    相変わらず文体は素晴らしく読みやすい。
    飛行機の中で一気に読める内容。

    現在の出版業界と照らし合わせているのか、
    幻冬舎のような熱烈編集者をモチーフにしているのか
    定かではないが、面白かった。

    この人自体は賛否両論有るようですが、本はいい。
    また次回作も是非読みたい。

  • 面白かった!
    小説家、出版業界を揶揄するストーリ。
    こうした、批判的な話よりも永遠の0のような作品が読みたいです!!

    本書では、自費出版ビジネスをとてもよく理解できます。夢を売る男として、ジョイントプレスという名の元、主人公が、口八丁、手八丁で、高額な費用で自費出版させる物語。
    本を出したいと願ういろんな人がだまされて契約していきます。しかし、本人はだまされたと思っていない。(それが詐欺っぽいところですが)
    そうして自費出版のビジネスモデルを理解してきたところで、さらに悪徳の出版社の登場。
    解説を読むとこれらの出版社はなんと実在していたとのことで、おもわず、ぐぐって調べてみました。
    ここまであこぎかどうかは別として、ちゃんとビジネスやっているようです(笑)

    こうした自費出版ビジネスはさておき、小説家について、さらには今の出版業界のおかれている状況について、あちこちで百田さんの思いが書かれています。
    その思いは批判なのかそれともエールととらえるべきなのか..

    ということで、とても楽しく、あっという間に読みきってしまいました。
    とりあえず、本書と通じて、自費出版詐欺にはあわないようになったと思います(笑)

  • 2016年10月26日
    自費出版を素人作家に勧める詐欺まがいの物語。だが出版とは何か、本とは何かということを考えさせられる面白い内容。

  • 4
    自費出版的な商売をする出版社の話。敏腕編集者の牛河原の出版に対する発想が面白い。おだててすかして、本を出版させて、200万くらい著者に出させる。その手法はなかなか周到で面白い。最後は、編集者が本当に良いもの意地でも出せという編集者の鑑のようなことを言う牛河原がいい。
    出版業界の話が少し分かって面白い。小説や出版社の新たなイメージがつく。

  • 自費出版という自慰行為

  • ネット時代の反動による印刷物・書籍離れ。その荒波にさらされた現在の出版業界が舞台。売れないから余計に売れる本を探して乱発・出版される書籍。かたや瞬時にして書店から撤去・返品される書籍の数々。続々と乱立される文学賞の数々、その目的とは?一方で、出版社生き作戦の一手法としてとられる自費出版の現状等々、リアルな世界が取り上げられている小説。作家としてだけで食っていけている小説家、印税だけで生計を立てている作家が、果たして日本にどれだけいるのか?

  • 20160731出版業界わかる

  • Asian Reading アジアの活読
    『夢を売る男』百田尚樹 幻冬舎文庫
    読ませることにかけては流石の百田さん。大衆心理を良く掴んでいます。筆者はp222に登場、直に消える作家だ、と。その後のページに良い文章の基準とは、を主人公 丸栄社 No3 編集部長の牛河原に語らせています。読みやすくてわかりやすい文章。但し、文章は感動や面白さを伝える道具にすぎず読者をそうさせれたらそれが素晴らしい文章なんだと。

  • この本を読んで作家になりたいと思う事が恥ずかしい事だと思わされました。

    夢の印税生活と作家というステータスに、才能と努力も文章力も無い自分が憧れてはいけないものだという事と、自分はやはり読み手の側で一生を終えるべきだと思いました。



    それはさて置き、作中に登場する自意識過剰な作家擬きの人達が、余りにも滑稽で次のページ、次のページと捲りたくなる本でした。章末の牛河原さんと荒木さんの談話が解説のようで解りやすかった!

    若干、純文学や売れない作家への批判に鋭いものがありますが、それが真実ならば仕方がないとも思います。


    主人公の牛河原編集長から言わせれば、この本は売れる作家の作品です!




    作家志望の人はまずこの本を読んでみましょう!

  • 読み始めたときは、なんだか面白くなさそうと思って、途中で読むのをやめようかと思った。
    読み進めれば進めるほど面白くなった。

  • 読み応えがあった本である。

    なぜなら、昔、本にしたいと思ったことがある。
    新聞の広告欄にも、余りたいした金額で無いのに、自分の本が作れると、、、書かれていたからである。

    まさに、この本の中の様な事があったのか???と、思わうと、自己本位のうぬぼれ(私の様な者)が、簡単に引っかかるのかと、、、想像してしまった。

    次から次に、出版社も、手を変え品を変えての商法!
    本の中の丸栄社は、文芸社。狼煙社は、新風舎の事だろうと思われる。

    いやはや、現代人の欲望が、このような商法に引っかかりやすいのだろう。

    最後の年金暮らしのおばあちゃんの原稿の本に、我社が全額負担で出版する!と、言った編集長の言葉で、締めくくられて、ホッとした。

    私は、結局、小説を書かなかったから、本も出さなかったけど、、、、被害にも合わなかったけど、、、、又欲望が出たら、このような、商法に引っかかるかも、、、、と、、、、思う小説出会った。

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