あの女 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 116
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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344423374

感想・レビュー・書評

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  • タワーマンションの最上階に暮らす売れっ子作家・珠美は人生の絶頂。一方、売れない作家桜子は安マンションで珠美を妬む日々。あの女さえいなければ―。ところが、珠美がマンションから転落。女たちの運命が逆転した…が、それは悲劇の始まりに過ぎなかった。
    売れっ子作家珠実と売れない作家桜子の女性作家同士の「嫉妬」「怨み」「確執」「虚栄」を軸に、三芳珠実の転落事故の真相を描く、寝たきりになった珠実と売れっ子作家になった桜子の目線から交錯する物語は、思い込みや妄想や「阿部定」と偽り客をとっていた娼婦の田中加代など歪なキャラクターが絡み、どんな手段をとっても這い上がり有名になりたい作家の業を浮き彫りにします。珠実が自主映画を製作したり、売れっ子になるまでのヒリヒリするような焦燥感は、真梨幸子の体験を元にしていて、リアルです。

  • 女の妬み、嫉みを女性作家ならではの視点で描かれていた 流石です

    途中、仏教の話が出てきましたが 妙に納得しました 

    飽きることなくスラスラ読めて満足です
    結末がわかった状態で、また時間が経ったら読んでみたい

  • 2人の女性作家
    三芳珠美と根岸桜子
    いがみ合い
    珠美がマンションから転落して植物状態になる
    誰が突き落としたのかという謎は最後に解決する

    夢の話と現実がぐちゃぐちゃになって、今誰の目線で語られているのか見失いがちでしたけど、面白く読めました

    タイトルのあの女って誰のことでしょうね

  • 真梨先生の作品はほとんど読んでいるが、今回は帯が強烈で思わず新品を購入。

    「見なくていいのにブログやインスタグラムを見てしまう。先に結婚されると傷つく。先に出産されると焦る。年賀状の住所で生活レベルを測る。お互い彼氏と歩いている時に偶然会ったら一瞬にして顔を見比べてしまう・・・・・。」

    うわぁ、強烈な文章だなぁと思った。


    話しのテンポも良いし、女流作家の嫉妬心の描写も軽快でぐいぐい引き込まれるのは流石。

    色々な小説を読んでいると、夢の話が多い作品は、何だ夢か。これも夢かと少々がっかりすることもある。

    結末は想定外の犯人が浮上して、しっかりミステリだなぁと思った。

    ミステリやっぱり好きだなぁ。
    こういう女性のドロドロ系の作品、好きだなぁ~(笑)

  • 売れっ子作家・珠美 vs. OL作家桜子…とでも書いておこう。
    嫉妬・妬み・僻み…帯にも書いてあったそのままだが、共感しすぎて怖い。
    分かる、分かる…て私、大丈夫???

    イヤミスはあまり好きでなく、手を出せないでいたが、いや〜…こりゃ面白い。ハマりそうです。

  • 真梨幸子さんの作品の中でも特に好きだと感じた一冊。
    各所に散りばめられた伏線が最後に一気に回収されていくのが読んでいて気持ちよく、無理のないミステリでモヤモヤも残らなかった。
    植物状態になっている語り手について、自力ではあと一歩真相に気がつけなかったことが悔しい。
    これからも真梨さんの小説をどんどん読みたいと思わせてくれる作品だった。

  • まさに真梨幸子作品!!といった感じ
    本棚調べてみたら、他作も結構読み込んでたけど

    今までの作品いち、なんかどっか別な世界に飛ばされた気分というか
    文体のマジックというか
    ずっと地に足がついていないふわふわな状態で彷徨っている気分になる作品

    なのに、最後にしっっっかり足が着地するオチがあるんだからすごい

    おおお
    これはファンタジーでなくミステリーだったわ!!
    みたいな

    ファンタジーっていっても
    ホントドロドロに汚い、おぞましいファンタジー

    無事着地できてよかった…

  • いやあ〜すごい!
    フジコが極上のイヤミスすぎてハードル上げまくりで読んだけどやっぱりめちゃくちゃ面白かった!
    ロングスパン多視点ミステリ特有のだんだん全貌が見えてくるワクワク感に真梨幸子お得意の胸糞エンドがガツンと効いていて今回も極上のイヤミスでした。

  • 騙されるまい!!と思って慎重に読み進めたが、もちろん騙されてた!笑

    植物状態の人はその人だったかぁ〜!!!

    女の嫉妬、妬み、三角関係、そしてタワマン!面白くないわけない。

著者プロフィール

1964年宮崎県生まれ。1987年多摩芸術学園映画科卒業。2005年『孤中症』で第32回メフィスト賞を受賞し、デビュー。2011年に文庫化された『殺人鬼フジコの衝動』がベストセラーとなり、”イヤミス”の急先鋒として話題に。2015年『人生相談。』が山本周五郎賞の候補となる。そのほかの著書に、『5人のジュンコ』『私が失敗した理由は』『カウントダウン』『一九六一東京ハウス』『シェア』など多数。

「2023年 『まりも日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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