- Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344423855
作品紹介・あらすじ
深海には美しい雪が降るんだ-。幼い頃に別れた父の言葉に導かれ、潜水調査船のパイロットを目指す深雪。ところが閉所恐怖症になり、叶いかけた夢は遠のいてしまう。失意に沈む深雪の前に現れたのは、謎の深海生物"白い糸"を追う男・高峰だった。反発しあう二人だが、運命はいつしか彼らを大冒険へといざない…。壮大かつ爽快な傑作長編。
感想・レビュー・書評
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深海を探索する潜水調査船・しんかい6500とその乗組員たちの話。ノンフィクションではなく、ドラマ仕立てです。深海のパイロットは宇宙飛行士よりレアだそうだ。確かに宇宙飛行士の名前は何人か挙げられるけど、深海パイロットは全然知りません。
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作中にあるように、宇宙関係に比べたらやっぱ地味な印象で、よく存じ上げておりませんでした深海業界。
主人公を序盤に広報課にやったり、素人新入社員なんかを登場させて、それを通してさりげなーく読者に業務内容や深海のコトなどをレクチャーしてくれる、と。
おかげでよくわかりました。ありがたい。
深ーい深海の中の孤独感とか、大自然の前での人間の非力さなど、すごく実感。
ラストの超巨大なナニはちょっとアレだけど、たしかに何がいてもおかしくないのだな。
すごいぞ深海! -
ラジオドラマがきっかけで、小説版を読みました。
深海の描写が印象的で、映像で見てみたいと思わせてくれます。
NHKスペシャルでの深海特集ぐらいでしか、知識がなかったので、この本を通して、色々と知れました。
朱野さんの作品を働く女性を主に描いていて、かつ生き生きとエンタメ性も取り込みながら読みやすく描いています。
個性あふれる登場人物たちで、面白かったです。 -
ある意味、びっくりするような仕掛けのない筋書きだけど、深海という未知の分野を取り上げているが故の興味深さあり。
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海洋研究開発機構が舞台。
女性主人公と男性主人公がでてきますが、両方ともファザコンだな。
開発者である父親の影響で、深海潜水艇パイロットを目指す女性主人公と、
研究者である父親が見た、日本海溝にいる未確認生物を探す男性主人公の
2つのストーリーが絡まりあいながらすすみます。
深海の描写がいいですね。マリンスノーはぜひとも見てみたい。
20161031 -
今まで読んだ朱野作品はめっちゃ良かったんだけど、本作はちょっと私にはハマらなかった。。
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海に降る
潜水調査船のパイトットを目指す女性と、亡き父が目撃したという未確認深海生物を発見したいと思っている男のお話
以下公式のあらすじ
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JAMSTEC(海洋研究開発機構)に勤務し、女性として初めて、有人潜水調査船〈しんかい6500〉のパイロットを目指す天谷深雪は、〈しんかい6500〉の建造に携わった父への不信から閉所恐怖症を発症し、船に乗ることができなくなってしまう。そんな時、広報部に中途採用の新人・高峰浩二がやってきた。高峰は、深海生物学者だった亡き父が18年前に日本海溝の海底で目撃したという未確認深海生物〈白い糸〉を自ら発見したいと公言する。そんな高峰に反発を覚える深雪だが、互いに父親への複雑な感情と、「〈しんかい6500〉に乗って深海に行く」という共通の想いを持つ二人は、次第に接近し、惹かれ合う。やがてついに、二人が〈しんかい6500〉に乗って深海に潜る日がやってくる。そこで待っていたのは、誰もが予想していなかった事態だった……。
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深雪が閉所恐怖症になった原因は、「世界で一番深い海に行く船を造る」と約束した父 厚志がアメリカで再婚してできた息子の陽生から「パパ、もう日本に帰ってこないよ」と言われたから
それまで、父が守ってくれていたような感覚が瓦解したため
多岐司令から、何故深海に行きたいのか?を問われた際の受け答えを見るに、やはり動機は「浅い」なぁと思う
設計思想も大事だけど、結局は運用に携わる人達の意識も必須ですからねぇ
神尾さんの意識も共感が持てる
一番好きなキャラは目山さんだろうか
セクハラ・パワハラが満載なので社会人としての評価はどうかと思うけど、研究者としてのあり方が正に理想ではある
深海についての魅力が所々に織り込まれている
「全海洋のわずか一割にも満たない日本近海が、生物のホットスポット。日本列島はあらゆるタイプの海に囲まれている。そういう希有な環境が世界有数の生物多様性をもたらしたんだ」
という日本列島の地理的特異性は希少でしょうねぇ
あと、深海はいつも食糧難だとか、古生物の存在や鉱石の可能性など、研究の対象はいくらでもありますしねぇ
こーゆー科学をベースに、人の想いを絡ませた物語は大好きだ
理系出身の作家さんならそんな話は書けるだろうけど
朱野帰子さんは理系ではないのに、ちゃんと科学の裏付けとロマンのバランスを取った作品に仕上げてるあたりに感服
皆川理事の閉会の挨拶の前のやり取りも、たしかに仮説に過ぎないんだけど、仮説はいくらあってもいいし、それを実証するのに必要なのは何か?どうすればよいのか?を考えるのには必要なものですからね
最後の展開に関しても、都合のいいものになってはいるものの、それまでに説明されてきた過程があるので、フィクションの結末としてはありですね
いやぁー、やはりこの手の話は好きだ -
面白かった。
深海に興味がありつつ知らないことだらけだったので、興味深い内容ばかり。
いろんな生物の名前が出てくるので、たびたびスマホで画像検索してはおお、となったりしながら読んだ。
深海ということに限らず、仕事の上で技術を継承していくことの難しさや重要性についても考えさせられる内容だった。
ストーリーとしては出来すぎでしょと思わないでもなかったが、まあ小説だし上手くいきすぎぐらいでちょうど良いのかな。
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面白くてスラスラ読んだ。
昔からリュウグウノツカイが好きで深海に興味を持っていた事もあり、昔のワクワクしていた気持ちを思い出せた。 -
お仕事物語として軽く読める。ビルドゥンクスなのだろうが、若い時に読めば、また違った感想かもしれない、