アズミ・ハルコは行方不明 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 654
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344424050

作品紹介・あらすじ

地方のキャバクラで働く愛菜は、同級生のユキオと再会。ユキオは意気投合した学と共にストリートアートに夢中だ。三人は、一ヶ月前から行方不明になっている安曇春子を、グラフィティを使って遊び半分で捜し始める。男性を襲う謎のグループ、通称"少女ギャング団"も横行する街で、彼女はどこに消えたのか?現代女性の心を勇気づける快作。

感想・レビュー・書評

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  • 話が二転三転してたというか、結構論点がふらついてたように思えましたが。
    男尊女卑文化って本当に苛つくなと思いました。
    でも男女お互いそれを利用してるところがあるのも事実だよなと。
    でも、女は強いぞってのを最後感じました。

    地方ならではの人間関係や青春が忠実に描かれているところが好きです。
    それは本当に第三者から見たらバカらしい。
    山内さんはそれをだれよりも馬鹿らしいと思っていられるからこんなに上手にそれをかけるんだなと思いました。
    山内さんはきっと若い頃感情のままに、今が楽しけりゃそれでいい!みたいな向上心のない周りの同級生に侮辱の心を抱いていたんだろうなと、ひしひしと感じられます。
    それに同意できるから、この人の作品がとても好き。

  • 地方都市の悲哀を感じる。世界が狭すぎて、恋愛と言っていいのかどうかわからない人との関係。その人に頼りたい訳でもないのにその人しかいない。狭すぎる。ある時自分でもその狭さに驚き、絶望し、ここからもう逃げてしまいたい、いなくなりたいと思う。
    バラバラとした話の中で、アズミ・ハルコはふわっと現れて、特段深刻な、暗い影を負わず、知らない間に話と話をつないでいる。
    最後にはすこしだけ、女性の強さとしぶとさが光り、希望が見える。
    この作家はそういう終わりが好きなのかな。

  • 山内マリコは一貫して、田舎のくすぶってる欲求不満の若者、やるせない倦怠感、反逆する女の人を、あくまでキャッチーに書いてくれる。少女ギャング団、アズミ・ハルコ、どちらの語感も発想も好き。

    なんとなく、松田青子の「持続可能な魂の利用」を彷彿させた。時代遅れな固定観念をもつ男性や暴力や性的な男性集団を排除して、女性のみで楽園をつくる。女子高生とおじさんの相性ってバツグンに悪いよな!


    いつまでも思春期恋愛を引きずるのは心地いい。自分の青春が、まだ終わっていないような気になるから。恋愛だけじゃなくて、自分の可能性が丸々残されているような気さえするから。(p119)

     

  • はちゃめちゃな展開のようで、女性たちの抱えてる問題や、男たちの身勝手な慣習たちはとても現実的で、実は簡単に起こり得るような出来事なのかもしれないと思ったり。

    人物の設定、絶妙なセリフ、展開の気持ちよさなどなど、とても好き。

  • だってそうでなきゃ、悲しすぎるでしょ?

  • 物語のラストシーンは優しく、女子高生達のラストシーンは痛快。全ての女の子達へ。

  • おれらじゃん

  • 初、山内マリコ!

    かっこいい、なんだこの作品!
    純文学っぽくとんとん話が進んで、でも鋭くてどうしようもなくてぶっ飛んでてかっこよかった!
    とりあえずバンクシーのイグジットスルーザギフトショップ見なきゃ。
    相変わらず田舎の人間の描き方えぐい。くるものがある。私も徳島に残ってたらこういう気持ちになってたかもしれない。
    実家で暮らし恋人もなくストレスフルな薄給OLの春子は、幼なじみの蘇我氏にも相手にされなく?て、、


    最後がいい。力合わせて生きていこうぜ!!みたいな。ガハハ!って感じのあんまり出てこない今井さん大好きになった。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/765042

    心に幼さを抱えたまま大人になってしまった男女の群像劇。
    時に事件性を感じながらも進む彼女たちの日常は鬱屈しており、
    読んでいる間はやるせない気持ちを抱くことも…。
    それでも最後に元気を与えてくれた結末が好きです。

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著者プロフィール

山内マリコ(やまうち・まりこ):1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、12年『ここは退屈迎えに来て』でデビュー。主な著書に、『アズミ・ハルコは行方不明』『あのこは貴族』『選んだ孤独はよい孤独』『一心同体だった』『すべてのことはメッセージ小説ユーミン』などがある。『買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて』『山内マリコの美術館はひとりで行く派展』『The Young Women’s Handbook~女の子、どう生きる?~』など、エッセイも多く執筆。

「2024年 『結婚とわたし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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