空飛ぶ広報室 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 7146
感想 : 355
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  • Amazon.co.jp ・本 (558ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344424548

作品紹介・あらすじ

不慮の事故で夢を断たれた元・戦闘機パイロット・空井大祐。異動した先、航空幕僚監部広報室で待ち受けていたのは、ミーハー室長の鷺坂、ベテラン広報官の比嘉をはじめ、ひと癖もふた癖もある先輩たちだった。そして美人TVディレクターと出会い…。ダ・ヴィンチの「ブック・オブ・ザ・イヤー2012」小説部門第1位のドラマティック長篇。

感想・レビュー・書評

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  • 覚悟をもつこと、仕事に対して今一度見つめ直したいと思う作品。登場人物の人柄や言動に共感し、思わず胸に込み上げてきた。

  • 仕事の目標を失った若い男女を通して、仕事とは何かを深く考えさせる内容。それにプラスして自衛隊の仕事や二組の軽い恋愛物を挟み、楽しく読ませて貰った。
    発売予定が東北の震災時だったそうで、付録としてついてきた短編で、津波被害の場面を入れていたが、自衛隊員等は自分達の被害はさて置き、民間の救助を優先したことに、警察、消防も同じだろうが頭が下がる。自衛隊を批判するだけの人達にも通じれば良いが。
    作者が徹底取材しているので、登場人物含めリアリティーを強く感じる。

  • やはり有川浩さんの、いや、ヒロさんの文章から感じる雰囲気はスッキリと前向きに歩いている感じがしてきます。まさしく彼女のエッセイ集「倒れる時は前のめり」という言葉がイメージとピッタリ。自分勝手なイメージなのですが、それが私の有川さんの印象。全てとは言わないが、読んでいると多くの作品でこの印象が滲みてきます。読み味が良い!

    この空飛ぶ広報室も面白かった。ちょうど宝塚にいる老母のところへ帰る新幹線の往復で読み切りました。有川さんの「阪急電車」に出てくる今津線のとある駅の近くのマンション。今津線の沿線は本当に大阪の郊外宝塚という感じで、散歩をしていると気持ちがいい。

    ところで本作は航空自衛隊の話です。ブルーインパルスを目指していた青年と記者を極めたかった報道に携わる女性が主たる登場人物。

    空自に関する専門用語は初めて知る言葉が多くて勉強になりましたが、自衛隊はバックボーンになっているものの前向きに生きている人たちと主旋律になっている男女の機微がハキハキとした文章で綴られていました。主人公たちを盛り立てる人々の表情もとても気持ちの良い感覚。人間としての心の綾が描かれている。

    最後の「あの日の松島」という章で二人は新たな段階へ進むのだろうか?と期待していたのですが、スッキリと有川さんにしてやられました。なんだか有川さんらしいな?と思った作品でした。

    読み終わった後改めて表紙を見て、「う〜ん、「空飛ぶ広報室」とはそういうことだったのか!」と、感心しました。

  • H29.10.10 読了。

    ・舞台は航空自衛隊の広報室。傷を持った元パイロットという肩書を持つ新米広報官と傷を持った元記者という肩書を持つ新米ディレクターが周りの広報官やテレビ局のスタッフと仕事を通して成長していく物語。ほとんど知らない世界なので、興味津々で楽しく読めました。
    ・小説の中で自衛隊の名称や駐屯地、基地などの用語の説明もわかりやすく紹介されており、自衛隊についての知識がちょっと増えた気がする。
    ・『有事に果たすべき義務があるということは、それだけで拠り所になります。辛いことがあったとき、自分にできることがあるだけで人って救われるでしょう?だから僕たちは被災者を支援しながら、自分自身を救ってもいるんです。』、尊いお言葉ですね。
    ・本編の後に「あの日の松島」という震災後に航空自衛隊松島基地を取材したお話が掲載されてます。ご存知とは思いますが、松島基地も津波で被災した基地なんですよ。それでも隊員たちは自分の家族よりも地域の復興支援やがれき撤去、救難活動などを行ってくれていたんですね。あの当時の自衛隊の方々は、とても頼もしく見えてました。どれ程、心の支えになっていた存在だったか。本当にありがとうございました。

    ・空飛ぶ広報室の続編が出ないかなあ。あの2人のその後が気になります。

  • 少し前にどなたかの評価が高かった阪急電車を読んで、有川さんのファンになり、次にこの作品を選びました。
    自衛隊という環境以外は普通にあり得る職場の物語。
    よくある話しなのに、こんなにおもしろおかしく書けるのは天才ですね。
    終始ほっこりなんですけど、本筋じゃないCM作成の所で涙が出て、最後まで心が和む系かと思っていたら、最終章で展開があるんです。
    普段、あと書きは飛ばしがちですが、たまたま読んだら、納得でした。読めばわかります。

    今までミステリー系が多く、時々感動ものを読む感じでしたが、癒し系、ありですね。

    余談ですが、この本が良すぎて、完読したら喪失感が大きそうなので、次の有川作品をググったら、ありかわ ひろさん(女性)なんですね。
    ひろしさんかと思ってました。失礼しました。

  • ドラマの空井さん(綾野剛さん)が好きすぎて、原作を。
    このドラマがきっかけで有川浩さんを知り、これまでの作品を全部読みました。自衛隊を扱う他の作品も、ドラマの中のエピソードに活かされています。
    自衛隊と震災は切っても切れない関係。自衛隊に関する知識も、関心もすごく高まりました。
    小説の中にはドラマにはないシーンが出てくるので、役者さんたちを思い浮かべながら未公開シーンを脳内再生しました。完全にただのファンです。

  • 脚本家の野木亜紀子さんが墜落したF15搭乗の田中一等空佐ら悼む ドラマ「空飛ぶ広報室」で交流 - 芸能 : 日刊スポーツ
    https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202202150000165.html

    日曜劇場『空飛ぶ広報室』| TBSテレビ
    https://www.tbs.co.jp/soratobu-tbs/

    空飛ぶ広報室 | 株式会社 幻冬舎
    https://www.gentosha.co.jp/book/b9738.html

  • 自衛隊の“広報”って必要なのか?と思いながら読んでいました。が、読み終えるころには広報がいる意義にハッとした。認知してもらうことが、いかに大事か。しかも“正しく”。考えさせられる。伝えることに苦労する空井とリカに、こちらもいろいろ勉強させてもらった気分。そして、最後に…空井とリカはどうなるんだろうと気になる!!

  • 新垣結衣さんが好きで、かつTVドラマはおもしろかったので2回観てました。本書とTVでは少し内容は異なりますが、もちろん原作の小説の方もおもしろい。解説に鷺坂室長のモデルである荒木氏が「空飛ぶ広報室」のきっかけになる売り込みをしたエピソードがあって、リアルに感じた。

  • もう本当に胸が熱くなって泣かずには読めんかった。
    あとがきから参考文献から何から何まで隅々まで読ませていただきました。有川さんすごい。
    生きていくなかで挫折と失敗を繰り返しながらも確固たる信念を築いて、色んな影響を受けながらも物事の本質を少しずつ解き明かして、そんな姿がとても勇ましくて愛おしくて、はたと自分を顧みることができる本でした。
    これはまた何度でも読みたい本。

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著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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