心がほどける小さな旅 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 1577
感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344424692

作品紹介・あらすじ

遠くに行きたい。そう思うときは心がカチコチに固まっている。南国の青い海や大自然に飛び込めれば何よりだけど、もっと気軽に、季節に合わせてお出かけすれば、気分はぐんと上昇。春の桜花賞から鹿児島の大声コンテスト、夏の夜の水族館、湿原カヌー体験、雪の秋田での紙風船上げまで。北から南、ゆるゆるから弾丸旅まで。元気が湧く旅エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • R3.3.23 読了。

     益田ミリさんの旅エッセイ。紹介されていた地名で知っていたのは山形・山寺だけで、他は知らない場所ばかり。それと年末の第九の大合唱のに参加したくて練習から参加して本番に臨まれた話はとても感慨深かった。
     いま、コロナ禍で外出制限されているような状況の中では、ちょっとした旅行気分も味わえた。益田さんの旅先での楽しそうな様子が伝わってきて楽しかった。そして、ちょっとした「おすすめ情報」もうれしい。
     また旅行ができるようになったら、私も紹介されていた場所に行ってみたい。
     
     ・この本で残念だったことは、せっかくの旅先の写真を文庫サイズに縮小し、しかも白黒で掲載したこと。思わず写真が見たくてネット検索しちゃった。

    ・「急ぎすぎることはない。だって、わたしの人生だもーん。」
    ・「幸せは、たまには、わざわざかみしめたほうがいいのだと思う。」
    ・「これからどんどん歳を取ってくといろんなことができなくなっていくんだろうなぁ。普段の生活の中で、ふいにそんなことを思って淋しい気持ちになることもあるのだろうけれど、こんなふうに夜通し踊っているおじいさんやおばあさんを見ていると、心がやわらかくなる。」
    ・「大人になると、知らず知らずのうちに自分の窓を小さくしか開かなくなっている。傷つくのが嫌で、いつもおっかなびっくり。そんなだから、ときどきばーんと窓を開きたくなる。それは、わたしの場合、きれいなものを前にしたときに、もっとも大きく開かれるような気がするのだった。」
    ・「人の一生で、自然に親しむということほど有益なことはありません。人間はもともと自然の一員なのですから、自然にとけこんでこそ、はじめて生きているよろこびを感ずることができるのだと思います。」…(牧野富太郎のことば)
    ・「がんばりすぎると、自分だけでなく、まわりの人にもよい影響を与えないものなのかもしれない。」
    ・「いつも、練習が終わった後は、みんなで拍手し合う。いいなと思う。それぞれを認め合っているような温かさ。普段の仕事でも、つい褒めてもらうことばかりを期待してしまうけれど、それじゃあ一方通行なのかもしれないな、と反省する。」
    ・「合唱って、男性のパートも、女性のパートもそれぞれが重要で、どちらかがより大切ということではなく、すべて大切なんだなぁと思う。お互いに自分の持っているものを差し出し合って、ひとつのきれいなメロディを作っていくという楽しさ。」

    • ☆ベルガモット☆さん
      読魔虫さん、おはようございます。旅関係の本を探していたところでした。素敵な本のご紹介ありがとうございます。
      読魔虫さん、おはようございます。旅関係の本を探していたところでした。素敵な本のご紹介ありがとうございます。
      2021/11/23
  • 益田ミリさんが1人で、あるいは、編集者の猫山さんと2人で日本国内の各地にふらっと旅をした記録。

    桜花賞を見たり、かごしま大声コンテストに参加したり、郡上八幡で夜通し踊ったり、列車に乗ることそのものを楽しんだりしている様子が綴られていて、自分も旅にでたくなった。
    山寺や秋芳洞など、行ったことのある場所は懐かしく、自分にとっての未知のエリアには興味を引かれあっという間に読了。その中で特に惹かれたのは、秋田の紙風船上げと第9のコーラス参加。"きらきらうえつ"という列車の窓から見る日本海も素敵そう。どちらも行ってみたい。

  • 国内1、2泊程度の旅のエッセイ。気軽に行けそうなところばかり。
    読んで旅欲求を宥めるつもりが、益々行きたくなってしまった。

    郡上八幡の徹夜踊りがとっても気になる。
    私は祭に血が騒ぐタイプではない。むしろ人混みも汗だくも避けたいのに、なんでだろう、これはちょっと惹かれる。
    徹夜で盆踊りなんていう非日常で、自分を解放したらどんな風になるのか興味があるのかも。
    でもそれは憧れみたいなもので、現実的には秋芳洞や釧路湿原に行ってみたい。
    自然が作り出す景色を見て、ああーと感動して満たされたいし、普段の生活圏にはない植物や動物は見るだけで楽しくなれるし。

    年末の第九の大合唱に参加するというのも、レッスンの様子から面白かった。
    合唱の教えは人生に通じるものがあるのか。争わず、認め合い、調和する。心を広く持つことを学べそう。

  • 青森旅行のお供にした一冊。

    旅行先でのんびりするために本を選ぶときは、
    気分に合わせて読めるようにギチっとした本と、ゆるっとした本を両方選ぶ。

    もちろんこちらはゆるっとした本。


    この本を開いたのは、奥入瀬渓流ホテルに滞在し2日目。
    午前中にスノーシューウォークを楽しみ、午後はのんびり暖炉を見ながらゆるっとしたときに読み始めた。

    目次を見て驚いた。
    なんと奥入瀬渓流ホテルの滞在記が載っているではないか!
    季節は違えど、ぼうっと、ゆるっと楽しむ気持ちは同じ!
    いつか秋にも来たいなぁ。


    次の旅行の候補にしたいエピソードもちらほら。
    釧路湿原塘路でのカヌー、釧路駅でさんまんま
    牧野植物園
    秋吉カルスト台地
    きらきらうえつ(改め、海里)で夕日

    あ〜旅っていいなぁ。

  • 疲れた心に効く。
    気になったところに行ってみる。
    ゆるく、自分なりの楽しみ方で旅するのって
    いいなあ、、

  • 益田さんの本を読もうと思って探していたところ、読魔虫さんの本棚にあり旅をテーマにしているようなので魅かれて選びました。
    このご時世、どこか遠くに行きたいなあと心がかちこちに固まっている状況が続いてしまっているのを、ほどいてくれる感じ。春夏秋冬それぞれの季節に合わせた九州から北海道まで国内を巡る小さな旅が紹介されている。一人旅の時もあるし、絶妙な段取り力の猫山さんとの女性二人旅もすごく楽しそう。章ごと最後のイラストも楽しさ倍増!漫画もほっこり和む。
    一緒に旅をしているような元気をいただく贅沢な時間になりました。
    旅の後にこんなまとめをするようにしたら楽しめそう。

    春 桜花賞 競馬場がお花見のような雰囲気になるなんて。
    『なにかを生で応援するということが、自分の人生に久しくなかったことを、そのとき、わたしは感じていたのだった。応援するのは、気持ちのいいことだった。』
    『ひとり旅のいいところは、話し相手がいないことである。自分とだけ旅をするのも、また、いいものである。』
    夏 ブレックファスト 休日ながめのよいところで大切な友人とゆったり朝食を過ごす贅沢。
    『幸せは、たまには、わざわざかみしめたほうがいいのだと思う』
    秋芳洞 ネットでも探して、ほんとうに奇麗。いつか行ってみたい場所の一つ。
    『にぎやかでも、さみしくもない。ちょうどいい感じの観光地である』
    新江ノ島水族館一泊旅 クラゲ大好き、クラゲナイト行ってみたい。クラゲナイトに一緒に行ってくれる友達を思い浮かべてみた。
    秋 山寺 日本地図を広げてながめていたら、ひらめくって素敵。
    『旅というのはとっても便利。強引に気持ちが切り替わる。』
    第九 想像できなかった、合唱体験なんてっ。
    『自分の声を聴かせようと思わない。みんなで歌う、それがコーラス』『音楽も人のつき合いも、そういうことがだいじなんだよなあ。』

  • ゆっくりゆるゆる読み進めるけど、軽いのですぐに読了。
    旅に出たいなー。気の向くままに。。。
    大人って難しい、日々クサクサすることの多い生活の中に旅という楽しみを私も見出したいな。
    あー、旅したい。

  • 読んでいて楽しかった!
    北海道から九州まで小さな旅をつづったエッセイ。
    旅行に行くキッカケ「わかる、わかる!」と思わず苦笑い。
    季節ごとに体感できる旅、おいしいものは必ず食べる、旅行準備は抜かりなく、
    行った先では全力で楽しむ!
    旅のポイントを知り得た読みどころが満載!
    かわいいイラストが更に楽しさを増してくれます。
    こういう旅の楽しみ方を読むと、自分も旅に行きたくなるワクワクする本です。

  • 「行ってみたい」「見てみたい」「やってみたい」
    そんなふうに考えること日常生活の中によくある。
    それを思うだけでなくひとつひとつ実行していく。
    いいな〜 私もそんなふうにしていきたい。今年こそ
    一人旅したいな〜

  • 2009年10月から2010年10月の小さな旅をまとめた本。編集者猫山さん(仮名)や女友達と、または一人旅。

    このところミリさんの旅エッセイを読みまくっているが笑、本書は、他の本と異なり、参加したいイベントや、やってみたいことなどがあって国内を旅をする、目的型メインの旅を集めたもの。四季ごとの章立てとなっている。
    編集者同行のものもあったが、プライベートなもののようで、全て自腹とあった。

    水族館@新江ノ島でのお泊まり企画、ベートーベンの第9を歌うプロジェクト@東京、ブレックファースト@椿山荘、群上おどり@群青八幡、桜花賞@兵庫(競馬)、大声コンテスト@鹿児島、奥入瀬渓流@青森、山寺@山形、秋芳洞@山口、釧路湿原でカヌー@北海道など。日帰り、1〜2泊でも色んなところで様々なイベントを満喫できるのだなと思った。新聞やテレビなどで見たやってみたい、行ってみたいを行動に移すかどうかなのだなぁ。時間をつくってどんどん出かけたら良いのだなぁ。

    『心がほどける小さな旅』というタイトル通り、自然や四季に触れつつ、ほっとする楽しい本だった。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書に『欲しいものはなんですか?』『みちこさん英語をやりなおす』『そう書いてあった』『今日の人生』『しあわせしりとり』『すーちゃん』シリーズ、『マリコ、うまくいくよ』『僕の姉ちゃん』シリーズ、『スナック キズツキ』『ツユクサナツコの一生』『ヒトミさんの恋』『ランチの時間』等がある。

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