山女日記 (幻冬舎文庫)

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著者 : 湊かなえ
  • 幻冬舎 (2016年8月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344425163

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山女日記 (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

  • こんなはずでなかった結婚。捨て去れない華やいだ過去。拭いきれない姉への劣等感。夫から切り出された別離。いつの間にか心が離れた恋人。…真面目に、正直に、懸命に生きてきた。なのに、なぜ?誰にも言えない思いを抱え、山を登る彼女たちは、やがて自分なりの小さな光を見いだしていく。新しい景色が背中を押してくれる、感動の連作長篇。

  • ★3.5
    これまで主流だったミステリではなく、登山を通して新たなる一歩を踏み出す女性たちを描いた優しさ溢れる1冊。とは言うものの、やっぱり女同士の面倒臭さはしっかり健在。一緒に働いていても相容れぬ同期、立ち位置が難しい女子3人組、虚勢を張り続けてしまう姉妹等、彼女たちが抱く感情は私自身が抱く感情と同じ。が、例えそれが負の感情であっても、取り繕うことなく綴る湊かなえが好きなのである。人生の決断や思い出との決別等、山と向き合う彼女たちの胸中は人それぞれ。登山の趣味はないけれど、その景色を見てみたい、と思った。

  • 読み始め…16.10.31
    読み終わり…16.11.1

    こんなはずではなかった結婚。
    捨て去れない華やいだ過去。
    拭いきれない姉への劣等感。
    いつの間にか心が離れた恋人。

    真面目に、懸命に生きてきた。
    なのに、なぜ...?

    そうかぁ..そうだよね...
    誰にでもありますよね。
    わかるよ...確かにわかるけど....

    一緒に山に来てまで
    愚痴や喧嘩や不満不機嫌は
    聞きたくないし見たくなかったな...
    一緒に登ってて楽しくないよ。。

    もうさ、
    つべこべ言わずに山に行こうよ!(笑)

    山が好き。山はいい。
    山に行きたい。。

    火打山は
    行ってみたいと思っていた山でした。

    小野大輔くんナイス !

  •  自分の現状にどことなく鬱屈を感じる女性たちが、それぞれの思いを抱えながら、登山に挑む様子を描いた連作小説。

     湊さんの人間描写、心理描写がますます冴えてきていることが分かる小説です。

     結婚や離婚、姉妹関係、彼氏との関係……。悩みのある女性が山に登っていく中で、その思いを変えていく、という似た展開の話ながら、それぞれの心理描写や立場が見事に描き分けられています。

     そのため話に飽きがくるどころか、いずれの悩みや鬱屈も包み込む山の大きさや偉大さ、そして登場人物たちの変わっていく姿を、さわやかに受けとめられる作品となっています。

     この作品で印象的だったのは、湊さんらしい、嫌みな登場人物やリアルな負の感情も書かれるのですが、それが話の負の方向に作用するのではなく、正の方向に作用することです。

     調子のいい同僚、偉そうな登山者、説教ばかりする成功した姉夫婦……。そしてそれに対しての鬱憤や嫉妬……。

    『告白』や『贖罪』などの初期の湊さんは、それを暴走させて、作品を作り上げていた印象があるのですが、最近の湊さんはそうした感情を、より等身大に近づけて、そして、それを打ち破る人の正の部分見出す、そんな作品が増えてきたような気がします。

     それぞれの悩みや鬱憤を抱えた女性たちの心理が、ゆっくりと解きほぐされていく姿は、湊さんなりの人間賛歌のように感じました。

  • 湊かなえってこういうものも書くのかーって、ちょっと意外だった。湊かなえというより森絵都とかが書きそうなジャンル…?雰囲気は全然違うけど。登場人物たちに共感できる部分はめちゃくちゃ多かったけど、こういうジャンルならほかの作者の本でも良いかなって思った

  • 湊かなえは今スポットライトがあたっている作家のようだが初めて読んだ。
    読みやすいことは読みやすいが、個人的には登山を対象としたものがたりに求めるものが異なっており、好みではなかった。
    穿った見方だと思うが登山という流行りと女性の一定の層に迎合した本を書こうという点に端を発している感じがした。

  • それぞれの短編に出てくる登場人物たちの絡み具合が絶妙でおもしろい。山に登ってみたいなと思わせる本。

  • 山を登りたいと思ったことは一度もないが、登山の魅力が詰まった話が多かった。ニュージーランドのトンガリロには行きたくなった。湊かなえチックなミステリー要素はなかったが、登場人物のイメージがしやすくて読みやすかった。

  • 今回の湊かなえ作品は優しい気持ちにさせてくれる物語です。

    各章の題名には山の名前があてがわれており、八つの連作短編となっております。

    各章には其々、主人公がいて、主人公の視点で物語は語られます。
    そして、主人公達は多少に微妙にリンクします。

    主人公達は人生に何かしらの疲れを感じており、その時、偶々そこに山に登る機会があったような気がします。
    主人公達の悩みは深いものですが、きっと山はそれを解決してくれます。

    どの物語もラスト2ページで何故か涙腺が緩んでしまいます。


    三十代の女性が読んだら良いんじゃないかと、勝手に思います。



    そして、登山の経験は無いのですが山に登りたいと思わせてくれる一冊です。

  • どきりとするような共感できるフレーズがたくさん出てきて驚いた。そしてまた山に登りたくなった。雨でもいいよね。ひとりでもいいよね。気の合う友達とだと楽しいよね。次はどこへ行こうかな。

  • 山ってバリバリに計画しないで上を目指して歩けるのかな?って、思ってしまったけど。
    それぞれの章、山、に出たひとが、またであっていくような話の進展も面白かった。
    湊さんは、初期の作品以来。こんな山の話に出会えるとは❗

  • 短編集のようですが、物語の登場人物が、別の物語で主人公になっていたり、別の話で名前だけ出ていた人が、登場したり、主人公は別なのに、同じ人が登場してきたり、偶然にしてはちょっとやり過ぎな感じはしましたが、いろんな方向から物語を楽しめてよかった。二度目が楽しそう。結果、人生いろいろあるが前向きに考えて生きていく人たちの話だったのもよかった。

  • 色々と悩みや問題を抱えた女性が、山登りを通して自分を見つめ直す話。
    山登りは、達成感や連帯感、それに誰かと一緒に登っているときでも自分と向き合える。この本を読んで改めてそれを再認識できた。

  • 短編集ですが、うまく話が収斂していきます。山登りをしたくなる作品です。1つ1つのエピソードはそれほど特別なものではなく、著者特有の雰囲気もないのですが、イメージを膨らませながら、ゆっくりと読めました。

  • ちょっと前に山ガールという言葉があったが
    山ガールはにわかを楽しめという意味が込められているのだと思っている。

    こちらは
    山ガールではなく
    山女である。

    『妙高山』の主人公はデパートのアウトドアフェアでやっていた登山靴がカッコよくて履いて見たかったからという理由で山に登る。

    始める理由、登る理由は
    なんだっていいではないか。

    山というのは装備から知識、体力など登る前までにこなさなければいけないハードルが高い。

    ガールではなく女性の
    悩みはどれも生活感があり
    このうえなく重い。

    友達に相談なんて時期は過ぎ
    それ以外の解決方法を探っていたら
    それが山に登るという事だった。

    それぞれの問題はきれいに解決するわけではないが
    もっと世の中には見なければいけない景色が沢山あるのだと思わされる。

  • 「イヤミスの女王」湊かなえの連作短編集
    様々なきっかけで登山やトレッキングを始めた女性達の交流を連作で綴っています。
    「ミステリ」じゃなく「イヤな気分」にもならない湊かなえは新鮮でしたが、一気読み感も少なく・・・読了に三週間も(^_^;)

  •  北村薫の『八月の六日間』の二番煎じかと思ったが、初版の時期が大して違わず(2か月ほどの差)、おそらく当時ちょっとした”山ガール”ブームに乗ってできあがった作品なのだろう。都会に住むOL、家庭の主婦ら、女性が主人公で章ごとに登る山が違うなど、構成は両者非常に似通っている。

     さらに先入観から、自分では登っていない山を舞台に、得意の作者の脳内造形の人物たちを登場させ、物語を展開してるのかと思ったが、どうやら著者は登山はやるらしい。ブームの前からやっていて、10年ほどのブランクを経て近年再開した上での著作だといのは予想外だった(とはいえ、その山じゃなきゃいけないという話は少ないが)。
     そんな偏見に満ちた上で手にした一冊だったが、イヤミスの女王の作品としては意外なほど爽やかな読後感だった。悪くない。

     元々ミステリーは苦手で、読後感の悪い作品はわざわざ読みたくないので、著者の作品で読んだのはデビュー作の『告白』のみ。前例のない構成と予想を裏切る展開は面白いと思ったものの、キャラの作り方が薄っぺらく感じ、「登場人物の個性があまりにも作者の脳内で勝手に作り上げられた感が強く、描き分けているかのように見えるが実はワンパターンなところが透けて見える」という読後感を当時残している。
     この作者の作品は今後読むかどうか、自分でもかなり疑問だったけど、デビュー頃と較べれば、人間観察も深まって、個々の人物も描き分けが出来てきたかな、いや、まだかな、という感じ。どの章も女性が主人公で、大差ないというか、一般的な普遍的女性像を描こうとすれば、今のご時世、それぞれに濃い色付けは難しいのかもしれないが。

     各章で舞台が変わり、主人公の女性も変わるが、同じ山の登山者の中に前章までに出てきた人物が紛れ込んでいたりする。作者お得意の凝ったギミックなのかもしれないけど、実は陳腐極まりない(というか然程の効果はない)。そんな小ネタで読者をひっぱらなくても、ストーリーそのもので読ませていいんじゃないだろうか(それなりに話としては悪くないので)。 
     とはいえ、2章にあたる「火打山」がピーク(山頂)か。あとは、なだらかな稜線が続いて、可もなく不可もなく安全に下山(笑)

     全編を通して連山縦走したような感慨、達成感は味わえないのが残念なところだ。

  • 湊かなえさんだと知り購入したが、山登りと人生におけるいろいろなストーリーを盛り込んでいるのだろうが、ちっとも内容が入ってこず。

  • 山女日記〜湊かなえさんの作品だったんですね。NHKのテレビドラマでやっていましたよね。
    私は放送のずっと前に読み、放送も見たのですが原作本の方がとっても良かったですよ。
    話は、姉妹の利尻富士登山から始まります。姉の家庭のこと、妹の仕事の事、親の事、それぞれの悩みから話が広がっておきます。
    感情、物、人間関係、のつながりが絶妙ですね。ドラマみたいに北アルプスの白馬付近だけでなく、色々な山域に行けるのもいいです。
    恋愛関係は少ないですが、押し付けがましい山岳テクニックの説明もなく、とっても共感できますよ。
    ドラマを見られた方、山に興味がなかった方、山岳小説はちょっとシュール過ぎてちょっとと思っている方にオススメです。
    山岳小説ではなく、人間関係小説ですから…

  • 分かる、良い。
    けれど、湊かなえ的なインパクト弱し。

  • 様々な事情を抱えた年頃(20代後半から40代前半)の女性達が山登りする話。
    タイトルの「山女」という響きで面白そうな感じを受けなかったのですが
    読んでみたらいつも通りの湊かなえ的な毒々しさを適度に
    織り交ぜつつ山登りの爽快感をプラスしたちょうどいい作品になってました。

    久しぶりに湊作品を読みましたが1作目の仲が微妙に悪い
    OL2人組の罵り合いから面白く読ませてもらいました。
    お気に入りはバブルの雰囲気がぷんぷんする2作品目でしょうか。
    この作品に登場する神崎さん達が後ろの方の作品で結婚したことを知りなんか嬉しくなりました。
    それぞれの話は独立していますが微妙に重なり合っていて
    そういうところも面白かったです。

    個人的には仕事でちょっとした山に登ったり
    子どもと高尾山に登るくらいしか登山経験がないのですが
    この本を読んで猛烈に山登りがしたくなりました。
    高尾山の次に挑む山に挑戦したいと思います。

  • 山を知らない私でも読めました。ただの登山小説じゃないです。登山を通じて自分を見つめ直す女性たち。ほんの数日前に湊さんの少女という小説読んでつながりがすごいなーと思っていたので今回もつながりがあるのかなとわくわくして読みました。少女ほどの衝撃はありませんでしたが、「あ、この人...」とやっぱりつながりはありました。最初の律子と由美のお話が好き。登山をってやりたいなと思ってできるものなんですね。私も律子みたいに何かキッカケがあれば...と思います。
    h29.4.11

  • 女性たちが抱えるその年代特有の悩みは現実味があった。
    山に登ったら達成感はあるだろうけど、自分だったら彼女たちみたいに考え事する余裕はなさそう…。

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