給食のおにいさん 浪人 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344425316

感想・レビュー・書評

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  • 『受験』に続き、同じ女子学院が舞台。

    学院内で続いて起こる怪事件、語り継がれてきた”しるし”
    シスター入江の過去や、内部・外部生の目に見えない壁。
    生涯結婚はしないし、子供も作らないと誓う毛利の生き方も、
    それはそれで潔いと思えた。

    一番印象的だったのは、シングルマザーの家庭の幼い兄弟。
    弟の誕生日にお肉を食べさせてあげたいお兄ちゃんに、
    高野豆腐でソイミートの作り方を教えるシーンがすごく温かくて。
    かたや「食べられるのに食べない」
    かたや「食べたくても食べられない」
    その格差がどうにもやりきれなかったです。

    近年、問題になっている「フードロス」の4大原因は、
    買いすぎ・期限切れ・過剰除去・食べ残しだそうです。
    「フードバンク」は僅かながら協力させてもらうこともあるのですが、
    「サルベージパーティ」はまだありません。

    トマトって、大昔は毒だと思われ捨てられていたんですね。
    知らなかった。
    勇気を出して最初に食べてくれた人に感謝です。

    実家の冷蔵庫のお掃除をする際は、
    「捨てるよ」ではなく「もらうね」と言えばすんなりいくのだということ。
    今度からそうしよう。

    今回は、「給食」が少なめの『給食のお兄さん』でしたが、
    佐々目と毛利の名コンビが好きなので、ずっと続いてほしいシリーズです。

  • うん、3冊目で完結でも良かったのでは?と思わなくもないかなぁ。
    まったく別物の、新章だと思って読もうって感じ。
    私立中学でホテル給食ってほんとにあるのかな…?女子中学生がダイエットのために偏食をするとか、味方につければ一気に心開いてくれる感じはリアルだったと思う。
    作中に出てくる色んな給食、ご飯のレシピがどこかにまとめて詳しく書いてあればいいのにな〜。素敵な料理がたくさん出てくる、

  • 4巻を読んでから少し時間をおいて読んだからか、面白さが少し減ってしまいました・・・。給食メインというよりは女子中学生の問題の解決に重点が置かれていた感じがして、小学校編までが面白かった感はありました。

    だけど、美味しそうな料理も出てきたし、最後もちゃんとまとまった感じもあって、最後まで読み終わったー!と思わせてくれました。

  • 「給食のおにいさん」シリーズ、第5弾。
    もう、第5弾。
    ストレートに給食勝負だった、1・2巻に比べると、給食のお兄さんが学校のミステリを解決する方面に重きがかかって来た。
    それも、基本形にいつまでも留まっていられないシリーズ物としてはやむを得ない発展かもしれない。
    主役は「給食」そのものではなくて、「給食のおにいさん」なのだ。
    毛利さんとのコンビも、もはやガチ。
    ささめの行く先が気になって仕方ありません。

    今回の舞台がお嬢様学校なのと、作者が女性なためか、いちいちダイエットに話が結びついてしまうのがちょっと。
    それと、時々、人物をニックネームで書かれて、誰の事を言っているのか分からなかったりしました。

    今回のテーマ(?)、『食べたくても食べられない』が、個人の、「ダイエットしたいから食べられない」「心因的なもので食べられない」から発展して、「貧しくて食べられない」という社会的な問題にも目を向けられたのが進歩だと思います。

  • ”お兄さん”本人の話より、学校内で起きる生徒のトラブルや悩みにどう対応するか、そんな色合いが濃くなってきている。元からそういう部分はあったけれど、それをもっと給食を通じて解決していたところが最初の頃だった。食育に絡めようとして実際につながっている部分はあるけれど、ほとんどが悩める生徒たちのお話。”浪人中”だから寄り道なのか?(^^;

  • ( ̄◇ ̄;)エッ…!!これって給食の話だよね?
    給食は?
    小学校で給食作ってる佐々目の方が良かったなぁ。(←素直な感想)
    ★1か2で悩んだ。
    前巻と同じお金持ちのお嬢様中学後編。
    今回は給食より学園ミステリー色が強く
    思春期真っ盛りの女子中学生の内面の闇、厭らしさが目立った(-ω-;)
    静黙日、集会の最中、礼拝堂のガラステーブルが突然砕け散る。
    それから"しるし"という名の悪戯が立て続けに起こる。
    佐々目と毛利は食育授業を成功させるためにこの件を調べ始めるが!?

    佐々目の行く末が気になるので次も出たら買うと思う。

  • 前巻に引き続いての白蘭中学校の給食のおにいさん。
    と言うより、「給食調理員佐々目宗の事件簿」って感じ。
    この学校の教育が全然ダメで、生徒たち病みすぎ、どす黒い何かが渦巻いていて、もう給食も栄養も関係ないよね。
    女子学生のくすくす笑いだけが耳に残るような後味の悪さでした。

  • 背ラベル:913.6-エ-5

  • 「第一週 預言/カレー」
    しるしが示すこと。
    外部から入学するまでは気を張り頑張れるかもしれないが、入学してからも必死にやり続けるのは大変かもな。
    このような学校であれば、監視カメラの一つでも設置しているのではないのだろうか。

    「第二週 天使/ソイミート」
    分からないふりを。
    仲のいい友人でいたい気持ちは分からなくは無いが、本当のことを隠し相手の機嫌を伺うのは失礼なのでは。
    人の物を勝手に持ち出し呼び出す方法は、犯罪ギリギリで危ういことなのではないか。

    「第三週 羊飼い/トマト」
    犯人が恨んだ相手。
    良かれとやっていた事が相手にとってはプレッシャーであり、余計に辛い想いをさせてるとは思わないだろう。
    教師として接するのではなく、先輩だと聞くと話しやすいこと等はあるかもしれない。

    「第四週 ベツレヘム/種子」
    助けたい者たちは。
    外部から来たからこそ葛藤があるのは分かるが、それを聞いてくれる相手が居ないというのはしんどいだろう。
    何年も前に卒業し新たな世界を見たからこそ、厳しいが助言をしてあげているのでは。

  • まぁ、サクサク読めて良かった。が、給食からの距離感が遠くなりすぎる時があるような、、、。
    それはそれでいいだけど、リズムが悪く感じてしまう。

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著者プロフィール

東京生まれ。1996年、脚本家デビュー。1999年、テレビドラマ「入道雲は白 夏の空は青」で第16回ATP賞ドラマ部門最優秀賞を受賞。2013年、『給食のおにいさん』で小説家としてデビュー。同作はシリーズ化されている。他著に、『キッチン・ブルー』『イメコン』『バー極楽』など。

「2020年 『二人がいた食卓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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