ふたり狂い (幻冬舎文庫)

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著者 : 真梨幸子
  • 幻冬舎 (2016年10月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344425378

ふたり狂い (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 小説の主人公と同姓同名の男が妄想に囚われ、著者を刺してしまう。
    それに端を発し起こるデパ地下総菜売場での異物混入事件、企業中傷ネット祭り、郊外マンション殺人。
    クレーマー、ストーカー、ヒステリーなど、日常に潜む狂気を描いた短編集。

    一つ一つは独立した話ですが、各エピソードや登場人物が繋がっている連作短編集となっています。
    それぞれの話がうまくリンクされ、時系列もシャッフルされており、複雑に凝った構成です。
    どの話にも狂気と正気のはざまを行き来する誇大妄想に囚われた人たちが出てきて、読み進めるうちに気持ちがイガイガしてきます。

    タイトルの「ふたり狂い」は作中の説明によると、妄想を持つ人の近くにいるうちに正常な人まで妄想を共有してしまう感応精神病のことをいうらしいのですが、まさに読み手までにも伝染するような狂気のほとばしりに、こちらの精神もやられそうになります。

    永遠に続くような狂気の万華鏡を見せられているようで、気分が悪くなるほど面白かったです。

    ちょっと凝りすぎてて、ラストがわかりにくかった・・・。

  • 連作短編集。
    連作短編集という手法を活かしきった物語だった。
    脇役として登場していた人物が、次の物語では主人公として登場する。
    あちらこちらにすでに見知った人たちが配置されていて、それぞれの物語の微妙な関係性を教えてくれる。
    脇役しか与えられていないときには見えていなかった部分、壊れていたり歪んでいたりする部分が、主人公となった物語では前面に押し出されてくる。
    真梨さんの物語はいつもどこかグロテスクだ。
    歪んだ感情に支配された人たちが織りなしていく物語。
    誰もが心当たりがあるけれど、自分にはないと思いたい・・・そんな負一色に染められた感情があからさまに物語の中心にある。
    好き嫌いが分かれる物語なのかもしれない。
    けっして嫌いではないけれど、「好きか?」と聞かれると答えに詰まってしまいそうだ。
    それでも「ちょっと読んでみようかな」と思わせる何かがある。
    何かのきっかけで「狂気」の側へ行ってしまうかもしれない怖さ。
    隣にいる人がもしかしたら「狂気」の側にいるかもしれない怖さ。
    そして、周りにいるとても「狂気」の人たちに似ている部分のあるあの人。
    「狂気」は特別な誰かだけのものではない。
    普通に暮らしている人たちの中にも、そして自分の中にも、眠っているものなのだ。
    それを突きつけてくる真梨さんの物語は、だからこそ「ちょっと読んでみようかな」的な位置にいるのかもしれない。

  • 自分の読解力が足りないせいか、よく分からない部分もありますが、真梨幸子らしい感じで楽しめました。
    ただ、人物相関がよく分からないかも・・・
    ジャパン光の部長は、後に奥さん尊厳死にでてくる夫で、
    ジャパン光の派遣嬢は、後に派遣先でマイコとイジメ問題起こす山口さん・・・であってる?

  • 2017年1冊目

  • 真梨幸子が描く異常な世界、サイコな人びと。8編の連作短編小説。

    タイトルを見て、読んだことがあるかも知れないと思いながら読んでみると、案の定、既読。ハヤカワ文庫から2011年に刊行されたのを読んでいた。やられた!大失敗!

  • ハヤカワ文庫JAから刊行されていたものが、幻冬舎文庫に移動。ハヤカワのは最近出たような気がしていたが、巻末を見ると2011年、もう5年にもなるのか……。
    サイコ系とでも言えばいいのか、久しぶりに読み返してみると、同じイヤミスでも、今と昔で微妙に作風が変化しているのが解る。

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