伊藤くんA to E (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 1984
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344425552

感想・レビュー・書評

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  • ただの恋愛もので終わらない感じが良かった

  • 柚木さん、裏切らない

  • 伊藤誠二郎
    代々木の大手予備校の国語のアルバイト講師。有名なシナリオライターや作家の主催する講演会や講座やワークショップにバイト代のすべてをつぎ込む。シナリオの技術や物語の作り方にはほとんど興味はなく、お金を払ってそこそこの有名人に会い、視線を合わせることだけが目的。二十七歳。代々木の本校をクビになりそうだったのを、戸越銀座の塾長が引き受けた。千葉の大地主の一族。


    伊藤くんA
    島原智美
    伊藤とは合コンで出会い、五年が経つ。二十七歳。デパート勤務。伊藤に粗末に扱われ続ける

    三芳
    智美の後輩。大阪出身。

    うだちん
    智美の親友。洋菓子メーカーの開発室に勤務している。

    矢崎莉桜
    そこそこ名前の知られた若手脚本家。伊藤の先輩。

    宮田真樹
    マッキー。最近独立したスタイリスト。

    シュウ
    伊藤が働いている塾の受付。マッキーのルームメイト。伊藤が片思いしているが、シュウは移動を嫌っている。


    伊藤くんB
    野瀬修子
    学習塾の臨時受付スタッフ。新卒で三年働いた品川の美術館がつぶれた。
    伊藤からストーカーまがいの好意を持たれてブチ切れる、バイトに身の入らないフリーター。

    マッキー
    修子のルームメイトで美大時代からの親友。有名スタイリストのアシスタントを卒業し、独り立ちを果たした。

    瑞穂
    修子が働く塾の四歳年下のギャルで先輩。

    ノリコ
    マッキーが目標としている四十代のベテランスタイリスト。矢崎莉桜が脚本を書いてるドラマの衣装を担当している。

    大森玲奈
    中学二年生。塾の生徒。


    伊藤くんC
    相田聡子
    中堅洋菓子メーカーに就職し、デパ地下のケーキ店の副店長として働いている。実は甘党ではない。伊藤の童貞を奪う。

    神保実希
    聡子の親友。聡子が働く洋菓子メーカーのチェリータルトが大好物。大学のサークルOBで六歳年上の伊藤に三年も片思いしている。

    一橋
    ケーキ店のアルバイト。大学二年生。

    鈴原
    ケーキ店の店長。

    山村ミヨ
    聡子の高校の同級生。合コンの幹事を快く引き受ける種類の人間。

    江頭加奈子
    一橋の彼女。


    伊藤くんD
    神保実希
    処女を理由に伊藤に振られる。父が教授を務める女子大で教務課の職員として働き始めた。友人のクズケンを初体験の相手に選ぶ。

    クズケン
    久住健太郎。学生時代に売れっ子放送作家になっていた。

    相田聡子
    実希の親友。

    矢崎莉桜
    サークルのOGでシナリオライター。


    伊藤くんE
    矢崎莉桜
    伊藤が熱心に勉強会に通う、すでに売れなくなった33歳の脚本家。

    川北直子
    莉桜がかつて所属していた「ドラマ研究会」通称「ドラ研」のメンバー。大学一年生。

    杉原瑛太
    「ドラ研」のメンバー。大学二年生。

    安藤良二
    「ドラ研」のメンバー。大学二年生。

    久田史朗
    「ドラ研」のメンバー。大学三年生。

    戸川重之
    「ドラ研」のメンバー。大学四年生。

    久住健太郎
    若手脚本家。

    田村伸也
    四十代後半の売れっ子プロデューサー。

  • 自由気ままのお調子者、思うがままに生きる伊藤くんと、彼に惹かれる女性5人のお話。
    絵に描いたようなダメ男。
    なのに何故か人を惹きつける不思議な魅力。
    拭えぬ存在感は圧倒的。
    居そう!居そう!こんな人!
    思わずそんな言葉が出るような彼のキャラクターにはいつの間にか親近感すら感じるほど。

    女の子も皆んな一生懸命で。
    見事に振り回されてはいるけれど
    そんな姿さえ愛おしい。恋する乙女は魅力的だー!
    登場人物皆んなのひたむきさや懸命さ、
    ある種の欲望に忠実に
    全力で進む姿はどこか輝いて見える。

    ハッピーエンドではないけれど、
    いざこざだってあるけれど、
    何だかパリっとする様な、じわじわエネルギッシュな読了感。

  • 5人の女性から見た伊藤くんの話。
    伊藤くんがひたすらクズに見えていたが、最後の方にヒーローではなく白馬の王子様を待ち続けるヒロインだという文言で、なるほどなと腑に落ちた。伊藤くんがクズには変わりないんだけど、メンタルだけで言えば心当たりがある人は男女問わず少なからず居そう。ただクズを笑うだけじゃない、最後は読者にもちょっぴり苦さを残すところがおもしろい作品だった。
    あとクズケンにはどうにか幸せになって欲しい。

  • ありそうな話だからこそ読んでて共感できる。歳を重ねないとわからなかったかもしれない。とりあえず伊藤はダメだ。

  • いろんな伊藤くんの話かと思いきや、1人の伊藤くんを周りの色んな女性の視点で描いたお話でした。どの話からもクズで無気力でどうしようもない人物だと分かるのが面白い。柚木先生の小説はゆるく読めて好きです。

  • 伊藤くんを5人の女性の視点から見る物語。。
    伊藤君と向き合うことで自分の足りなさとかをみんな見つけてて、それが自分に投影される、、、伊藤くんも◯ソだけど、それぞれの女性たちも◯ソだな、と。そしてわたしもそういう面あるなと、感じさせられる。さすが柚木麻子さんででてくる女性たちが立体になって浮き出てくる感じ。

  •  この小説は伊藤くんやそのまわりの女を通して、わたしの嫌なところ、隠したいところ、恥ずかしいところ、気付かないふりをしておきたいところをすべて突きつけてくる。「お前が上手くいかないのは、その性格のせいだよ」と言われているような気がする。ひどく共感しながら、傷付いて、自分を見つめ直して、それでもまた同じことを繰り返す。そんな現実をすこしでも変えたいなら、この小説を何度だって読むべきだとおもった。

  • 自分がめっちゃ伊藤くんの思考回路を備えてる!と気付き、泣きたくなった。
    自分を傷つけない生き方を選んできたよな・・・失敗してる人を笑ってきたよな・・・

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

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