- Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344425552
感想・レビュー・書評
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ただの恋愛もので終わらない感じが良かった
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柚木さん、裏切らない
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自由気ままのお調子者、思うがままに生きる伊藤くんと、彼に惹かれる女性5人のお話。
絵に描いたようなダメ男。
なのに何故か人を惹きつける不思議な魅力。
拭えぬ存在感は圧倒的。
居そう!居そう!こんな人!
思わずそんな言葉が出るような彼のキャラクターにはいつの間にか親近感すら感じるほど。
女の子も皆んな一生懸命で。
見事に振り回されてはいるけれど
そんな姿さえ愛おしい。恋する乙女は魅力的だー!
登場人物皆んなのひたむきさや懸命さ、
ある種の欲望に忠実に
全力で進む姿はどこか輝いて見える。
ハッピーエンドではないけれど、
いざこざだってあるけれど、
何だかパリっとする様な、じわじわエネルギッシュな読了感。 -
ありそうな話だからこそ読んでて共感できる。歳を重ねないとわからなかったかもしれない。とりあえず伊藤はダメだ。
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いろんな伊藤くんの話かと思いきや、1人の伊藤くんを周りの色んな女性の視点で描いたお話でした。どの話からもクズで無気力でどうしようもない人物だと分かるのが面白い。柚木先生の小説はゆるく読めて好きです。
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伊藤くんを5人の女性の視点から見る物語。。
伊藤君と向き合うことで自分の足りなさとかをみんな見つけてて、それが自分に投影される、、、伊藤くんも◯ソだけど、それぞれの女性たちも◯ソだな、と。そしてわたしもそういう面あるなと、感じさせられる。さすが柚木麻子さんででてくる女性たちが立体になって浮き出てくる感じ。 -
この小説は伊藤くんやそのまわりの女を通して、わたしの嫌なところ、隠したいところ、恥ずかしいところ、気付かないふりをしておきたいところをすべて突きつけてくる。「お前が上手くいかないのは、その性格のせいだよ」と言われているような気がする。ひどく共感しながら、傷付いて、自分を見つめ直して、それでもまた同じことを繰り返す。そんな現実をすこしでも変えたいなら、この小説を何度だって読むべきだとおもった。
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自分がめっちゃ伊藤くんの思考回路を備えてる!と気付き、泣きたくなった。
自分を傷つけない生き方を選んできたよな・・・失敗してる人を笑ってきたよな・・・